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管理職の7割が“育成に悩む”時代へ──派遣業界に求められる次世代マネジメントとは   2025.10.14

## 1. はじめに:管理職の悩みは「部下育成」がトップに

 

「部下の育成が難しい」。 

最近、企業の管理職の方からよく耳にする言葉です。 

 

リクルートマネジメントソリューションズが2025年に実施した調査によると、 

人事担当者・管理職層のいずれも**7割以上が「管理職に課題を感じている」**という結果が出ました。 

その中でも最も多く挙げられたのが、**「メンバー育成」**です。 

 

※参照記事)https://jinjibu.jp/news/detl/25574/?newstop=cate

 

この結果は、多くの業界で起きている「管理職の過重負担」や「育成ノウハウの不足」を 

如実に示しているといえます。 

 

そしてこの傾向は、派遣業界にも深く関係しています。 

現場スタッフを支え、クライアントと信頼関係を築く“マネジメント力”が、 

今、派遣会社の競争力を左右しているのです。 

 

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## 2. 調査が明かす「人事と管理職のギャップ」

 

調査の結果を詳しく見ると、 

人事担当者と管理職の間で、課題に対する視点の違いが浮き彫りになりました。 

 

人事は「管理職候補の不足」「育成の不十分さ」「女性管理職の割合」を問題視。 

一方、現場の管理職は「業務負担の増大」「チームのモチベーション維持」に悩んでいます。 

 

つまり、**人事が求める理想のマネジメントと、現場が直面する現実にはギャップがある**ということ。 

 

派遣会社でも同様の現象が見られます。 

本社の人事部門は「教育制度」「評価制度」の整備に力を入れていても、 

現場のコーディネーターや営業担当者は「日々の業務に追われて実施できない」と感じている。 

 

このズレが続くと、管理職のモチベーションは下がり、 

育成文化が根づかないまま、現場力が低下していくリスクがあります。 

 

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## 3. 派遣業界のマネジメント構造と「プレイングマネジャー」の現実

 

派遣会社では、管理職がプレイヤー業務を兼ねるケースが多くあります。 

営業も担当しながら、スタッフ面談、クライアント対応、契約管理…と、 

“やることリスト”が尽きません。 

 

こうした「プレイングマネジャー」体制では、 

部下の育成やチームの関係性づくりが後回しになりがちです。 

 

さらに、派遣スタッフの入れ替わりも多いため、 

「せっかく育ててもすぐに辞めてしまう」という無力感を抱える管理職も少なくありません。 

 

この状況を放置すれば、 

現場のリーダーが疲弊し、結果としてスタッフ定着率やクライアント満足度にも影響が及びます。 

 

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## 4. “管理しすぎない”組織へ──「自律共創型組織」の台頭

 

調査によれば、60%以上の管理職が、 

「会社から自律共創型組織への移行を求められている」と回答しました。 

 

自律共創型組織とは、 

「チームで考え、柔軟に価値を生み出す組織」を指します。 

 

これまでのように上司がすべてを管理するのではなく、 

メンバー自身が目的を理解し、自ら動くことを重視します。 

 

このスタイルに移行した企業では、 

・チームワークの向上 

・メンバーの主体性向上 

といった成果が報告されています。 

 

派遣業界においても、 

現場スタッフ一人ひとりが自律的に考え、行動できる環境を作ることが重要です。 

そのためには、「管理職が指示を減らし、対話を増やす」ことが鍵になります。 

 

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## 5. 新時代のリーダー像──「創造革新タイプ」の管理職

 

今回の調査の大きな特徴は、 

今後求められる管理職のタイプが明確に変化している点です。 

 

従来主流だったのは「組織管理タイプ」「実務推進タイプ」。 

しかし、今後増やすべきとされたのは「企画開発タイプ」や「創造革新タイプ」でした。 

 

「創造革新タイプ」とは、変化を恐れず、 

新しい価値を生み出すリーダーのこと。 

 

彼らは現場の課題をチャンスに変え、 

組織に新しい風を吹き込む存在です。 

 

派遣会社でいえば、 

クライアントと協働して新たな人材提案を行ったり、 

スタッフのキャリア支援を通じて現場の信頼を高めたりする管理職が該当します。 

 

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## 6. 管理職が抱える「任せることの不安」

 

しかし、創造革新タイプのリーダーを育てるためには、 

まず“任せる文化”を根づかせる必要があります。 

 

調査では、「自律共創型組織の難しさ」として、 

「仕事の割り当て」「新しいやり方へのチャレンジ」「自発的な情報共有」が上位に挙がりました。 

 

つまり、任せることの難しさを多くの管理職が感じているのです。 

 

派遣現場では、スタッフのスキルや勤怠に関する不安があり、 

どうしても上司が細かく管理しがち。 

しかし、それではメンバーの自律は育ちません。 

 

“失敗を恐れず任せる”ことで、 

初めて現場に成長の芽が生まれます。 

 

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## 7. 人事と現場の「目線合わせ」が育成の出発点

 

育成において最も重要なのは、 

**人事と現場の目線を合わせること**です。 

 

人事は制度・仕組みを整える立場。 

現場は実際に人を動かす立場。 

 

どちらか片方だけでは、育成は機能しません。 

 

たとえば派遣会社であれば、 

「どんな人材を管理職にしたいのか」 

「どんな育成行動を評価するのか」 

といった基本方針を、人事と現場で共有することが欠かせません。 

 

この“合意形成”こそが、育成文化を支える土台になります。 

 

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## 8. 社会保険労務士が見る「管理職育成の三本柱」

 

社会保険労務士として多くの派遣会社を支援してきた経験から、 

管理職育成を機能させるための“三本柱”を提案します。 

 

### ① 現場起点のマネジメント研修

一般的な座学ではなく、現場の事例を用いた「ケーススタディ型研修」が効果的です。 

実際の派遣トラブルや育成の難しいケースをもとに、 

どう対話し、どう支援するかを体感的に学びます。 

 

### ② 「育てる行動」を評価に組み込む

売上や稼働率などの数字だけでなく、 

部下育成・チーム貢献を評価項目に含めることで、 

マネジメント意識が自然に高まります。 

 

### ③ 管理職のメンタルケア

管理職は“支える側”であるがゆえに孤立しがちです。 

社労士や外部コンサルタントが第三者的に相談を受ける仕組みを作ることで、 

リーダーが安心してマネジメントに専念できるようになります。 

 

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## 9. 「創造革新タイプ」を育てる組織文化とは

 

「創造革新タイプ」を育てるには、 

スキルよりも**文化の醸成**が重要です。 

 

失敗を責めない文化、 

アイデアを歓迎する文化、 

意見を交わす場が日常的にある文化。 

 

こうした土壌が整えば、 

自然と挑戦する人が増え、組織に活気が生まれます。 

 

派遣業界のようにスピードが求められる現場こそ、 

“挑戦できる安全な環境”が成果につながります。 

 

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## 10. まとめ:マネジメントの再定義を

 

これまでの管理職像は「業務を遂行する人」でした。 

これからの管理職像は、「人の成長を支援する人」へと変わります。 

 

派遣会社においても、 

スタッフや営業担当者の成長を支えるリーダーこそが、 

真に価値を生み出す存在になるでしょう。 

 

リクルートの調査が示すように、 

「創造革新タイプ」の管理職を増やすことは、 

単にマネジメントスタイルの転換ではなく、 

企業文化を変える第一歩でもあります。 

 

社会保険労務士として、 

私たちは制度設計や研修の支援だけでなく、 

経営者・人事・現場の“橋渡し役”として、 

育成が自然に回る仕組みづくりをサポートしていきたいと考えています。 

 

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### 最後に──派遣会社の皆さまへ

 

もし今、 

「現場のマネジメントがうまくいかない」 

「人を育てる仕組みが機能していない」と感じているなら、 

まずは“管理職の育成の仕方”を見直してみてください。 

 

管理職が変われば、現場が変わります。 

現場が変われば、組織全体の風土が変わります。 

 

そしてその変化の中心にいるのが、 

「人の成長に寄り添うリーダー」── 

まさに“創造革新タイプ”の管理職なのです。 

 

当ホームページのお問合せ・相談フォームから、お気軽にお声がけください。

初回のご相談は無料です。

 

#マネジメント #人材育成 #派遣業界 #社会保険労務士 #組織開発 #働き方改革

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セミナー、研修、講演開催

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講演内容、業種、出席者数に関わらず、すべて定額の時間単価とさせて頂きます。業界きっての画期的な明朗会計です。 

「予め料金が分かっているので、安心して申し込めます」

 「料金交渉が不要で助かります」

 「時間単価は一定なので、研修時間数を調整すればいいから、予算との折り合いも簡単にできます」

 などなど、多くのお客様に喜ばれております。

セミナーについて

当事務所セミナー会場(27Fスカイラウンジ)で、当事務所が独自にテーマを設定し、お申し込み頂いた、複数の会社様にご参加頂くものです。

セミナー開催実績例
  • 介護事業者様向け「改正介護保険法セミナー」
  • 介護事業者様向け「介護労働環境向上奨励金セミナー」 3回
  • 新規採用をお考えの事業者様向け
    「元ハローワーク職員が教える!求人助成金セミナー」
  • 飲食店様向け「元ハローワーク職員が教える!求人助成金セミナー」

講演について

当事務所代表が会社様や、ご同業者の集まりに訪問し、ご依頼されたテーマ(一般的な課題)について原稿を作成し、講演するものです。

講演実績

日本経営開発協会様 御紹介
市川港開発協議会様 主催 研修

「マイナンバー通知開始!
今知りたいマイナンバー制度の傾向と対策」

【参加者様からのお声】

  • 非常に分かりやすく、90分飽きさせることのない素晴らしいものだった。
  • 非常に役に立ち、興味が持てる内容だった。
  • 普段は講義に集中するのは難儀なのだが、話のスピード、声のトーン、間、どれを取っても感心するばかりだった。
  • マイナンバーが今後いろいろな問題を引き起こす可能性があることがよくわかり、大変勉強になった。早期に確実な運用体制を社内に確立させなければと思った。

一般社団法人 港湾労働安定協会 様 主催
雇用管理者研修「職場のメンタルヘルスに関して(会社を守る職場のメンタルヘルス対策)」

【参加者様からのお声】

  • メンタルヘルス対策は今後も重要になってくると思うので、このような研修会を増やして貰いたい。
  • 社会保険労務士による内容を次回もお願いしたい。
  • メンタルヘルス関係で初めて面白い(役に立つ)情報が聞けたと思います。
  • 大変に良い研修ですので、これからも続けて貰えるとありがたいです。
  • 中間管理職として守るべきというか、部下に対してどのような人事労務管理をすればよいのか、中小企業向けに別途講習会をやってほしいと思った。
  • 株式会社LEC 様 主催
    「介護雇用管理研修」業務委託登録講師
  • 株式会社フィールドプランニング 様 主催
    「派遣元・派遣先・職業紹介責任者講習」業務委託主任講師
  • 神奈川韓国商工会議所様 主催
    経営者セミナー「お役立ち助成金講座
    (雇用の確保と5年ルールへの対応策)」
  • 日本経営開発協会様 御紹介
    株式会社根布工業様 主催
    安全大会「入ってないと、どうなっちゃうの?社会保険のこわ~いお話」
泉文美 講師紹介ページ

講演会の講師紹介・講師派遣なら講演依頼.com

研修について

当事務所代表が、会社様のご依頼に基づき、会社様の具体的な人事労務に関わる内容(個別事案)について、オーダーメイドのプログラムを作成し、社員の皆様に研修するものです。

研修のご依頼例

  • 就業規則を変更したので、わかりやすい説明会を開いてほしい
  • 給与規定を見直したので、従業員に説明をしてほしい
  • 従業員向けの、接客マナー、敬語などのレッスン会をしてほしい

執筆のご依頼

雑誌・メルマガ、HPコラムなど、ご希望に沿ったテーマで記事を執筆いたします。

掲載履歴

HP記事執筆

ハッケン!リクナビ派遣に「働き改革!派遣社員が選べるふたつの雇用とは」と題する記事を執筆しました。

「働き方改革!派遣社員が選べるふたつの雇用とは」

「近代中小企業」2月号

「近代中小企業」2月号

「近代中小企業」2月号に記事を執筆しました。

「元ハローワーク職員が教える!ハローワーク求人&助成金活用法」

「SR」 9月号

SR 9月号

ハローワークを始め、社会保険事務所(現:年金事務所)、労働基準監督署でも勤務経験を持ち、「お役所の裏事情に詳しい社労士」として定評のある我がみなとみらい人事コンサルティング代表。

ハローワークでの勤務経験を買われ、日本法令様出版の「SR 9月号」に記事を執筆しました。

(第27号 2012年8月6日発売)

元職員が指南する!ハローワークの効果的な利用の仕方

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