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【2026年労働基準法改正】派遣会社が今すぐ備えるべき3つの対策と助成金活用法   2026.02.22

はじめに|2026年労働基準法改正は「派遣会社の経営問題」です

 

2026年に検討されている労働基準法の大改正。 

ニュースでは「中小企業の人件費が急増」「倒産リスク」など、刺激的な言葉が並んでいます。

 

しかし、派遣会社にとって本当に重要なのは――

 

**・派遣料金への影響 

・マージン率の変動 

・偽装請負リスクの拡大 

・未払い残業代の連鎖請求**

 

といった“実務への波及”です。

 

私は社会保険労務士として、多くの派遣会社の労務監査や行政調査対応に携わってきましたが、今回の改正は「準備している会社」と「様子見の会社」で大きな差がつくと感じています。

 

本記事では、

 

- 2026年労働基準法改正のポイント 

- 派遣会社が直面する具体的リスク 

- 今すぐ打つべき3つの実務対策 

- 助成金・税制を活用した“攻めの戦略”

 

を、わかりやすく解説します。

 

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1. 【2026年労働基準法改正】何が変わるのか?

 

今回の改正議論で注目されているのは、主に次の3点です。

 

 ① 週44時間特例の廃止

 

小規模事業場で認められてきた「週44時間まで残業扱いなし」の特例が廃止される方向です。

 

 ▶ 派遣会社への影響

 

派遣先が小規模飲食店や小売店の場合、 

これまで通常労働だった時間が**自動的に残業扱い**になります。

 

結果として、

 

- 派遣先の人件費増加

- 派遣料金の値下げ圧力

- マージン率悪化

 

という連鎖が起きる可能性があります。

 

---

 

 ② “名ばかり管理職”問題の顕在化

 

労働時間の客観的把握が義務化され、 

管理監督者の要件がより厳格に判断される流れです。

 

 ▶ 派遣会社への影響

 

派遣元で「管理職扱い」にしている社員が、

 

- 権限がない

- 賃金が見合っていない

- 出退勤が厳しく管理されている

 

場合、**過去3年分の未払い残業代請求リスク**が生じます。

 

特に派遣会社は、

営業責任者・支店長・コーディネーターなどを

「管理職」として扱っているケースが多く、要注意です。

 

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 ③ 勤務間インターバル義務化の強化

 

勤務終了から次の出勤まで 

原則11時間空けるルールが強化される可能性があります。

 

 ▶ 派遣会社への影響

 

- 夜勤明け→翌朝勤務が不可

- シフト再設計が必要

- 派遣人数の増員圧力

 

つまり、

 

**残業代増+人員増=二重のコスト増**

 

が現実になります。

 

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2. 派遣会社が陥りやすい「安易な外注化」の落とし穴

 

人件費増に直面すると、こう考える経営者もいます。

 

> 「社員を業務委託に切り替えればいいのでは?」

 

しかし、これは極めて危険です。

 

■ 労働者性の判断は“実態”で決まる

 

- 出勤時間が決まっている 

- 指揮命令を受けている 

- 会社のPCを使っている 

 

このような場合、形式が「業務委託」でも 

実態は労働者と判断される可能性が高いです。

 

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■ 偽装請負と認定された場合のリスク

 

もし税務調査や労基署調査で否認されると、

 

 ① 未払い残業代の遡及請求 

 ② 社会保険の遡及加入 

 ③ 消費税の外注費否認

 

という“トリプルパンチ”が待っています。

 

年間外注費5,000万円なら、 

数千万円規模の追徴になることもあります。

 

目先のコスト削減が、会社の存続を揺るがす事態になりかねません。

 

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3. 派遣会社が今すぐ備えるべき3つの対策

 

では、どう対応すればよいのでしょうか。

 

【対策①】労働時間管理の再設計

 

 ✔ 全従業員の客観的打刻

 ✔ 管理監督者の適正判定

 ✔ 月80時間超の是正

 

派遣スタッフだけでなく、 

**内勤社員の労働時間管理**も最優先です。

 

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【対策②】派遣料金の戦略的見直し

 

人件費増を前提に、

 

- 派遣単価の再設定

- 契約条項の見直し

- インターバル対応費の明示

 

を進める必要があります。

 

重要なのは、「改正前」に交渉を始めることです。

 

制度開始後では遅いのです。

 

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【対策③】助成金・税制のフル活用

 

ここが“攻め”のポイントです。

 

 ■ 働き方改革推進支援助成金

 

インターバル導入や業務効率化設備に対し、 

最大720万円の補助。

 

 ■ 中小企業経営強化税制

 

設備投資の即時償却または税額控除。

 

 ■ 賃上げ促進税制

 

賃上げ額の最大45%を法人税から控除。

 

例えば、

 

全社員で1,000万円賃上げすれば 

最大450万円の税額控除。

 

「人件費を減らす」のではなく、 

**“国に一部負担してもらう”発想**が重要です。

 

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4. 2026年改正は“危機”か“チャンス”か

 

法改正は止められません。

 

しかし、

 

- 準備していない会社 → 利益圧迫 

- 準備している会社 → 価格転嫁成功+助成金活用 

 

という差が生まれます。

 

派遣会社は「労働のプロ」です。

 

顧客企業に対しても、

 

- インターバル対応提案

- 適正労務管理の助言

- 単価改定の合理的説明

 

ができる存在になれば、 

むしろ信頼は高まります。

 

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5. 今すぐ行うべきチェックリスト

 

□ 管理監督者の要件を精査しているか 

□ 労働時間の客観的記録があるか 

□ インターバル対応シミュレーションを行ったか 

□ 派遣契約書を改定しているか 

□ 助成金活用計画を立てているか 

 

1つでも未着手なら、 

今が動き出すタイミングです。

 

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まとめ|派遣会社が生き残るための正攻法

 

2026年労働基準法改正は、

 

- 週44時間特例の廃止 

- 名ばかり管理職リスク 

- 勤務間インターバル義務化 

 

によって、派遣会社の収益構造に直撃します。

 

しかし、

 

✔ 安易な外注化は危険 

✔ ごまかしは通用しない 

✔ 正攻法+制度活用が最善策 

 

です。

 

私はこれまで多くの派遣会社の労務改善に関わってきましたが、 

共通して言えるのは、

 

「早く動いた会社ほど傷が浅い」

 

という事実です。

 

法改正は脅威ではなく、 

**経営体質を強化する機会**でもあります。

 

今こそ、労務管理を“コスト”ではなく 

“経営戦略”として見直してみてください。

 

派遣会社の未来は、準備で決まります。

 

【参照記事】

https://news.yahoo.co.jp/articles/5c0ea4acf779d5966f747d65b69046957b476e87

 

【2026年度版・完全ガイド】派遣会社経営者が押さえるべき人事労務の法改正まとめ|年金・女性活躍・障害者雇用・労働安全衛生法の実務対応   2026.02.22

2026年は、人事労務分野において「法改正の当たり年」と言われています。年金制度改正、女性活躍推進法、子ども・子育て支援法、障害者雇用促進法、労働安全衛生法など、派遣会社の経営に直接影響する複数の重要な法改正が同時に施行されます。

 

これらの改正は、少子高齢化の進行や働き方の多様化という社会的背景を受けたものであり、企業には迅速かつ適切な対応が求められています。本記事では、派遣会社の経営者が必ず押さえておくべき2026年度の法改正を網羅的に解説し、具体的な実務対応のポイントをお伝えします。

 

【目次】2026年度の主要法改正一覧

 

2026年度に施行・適用される主な法改正は以下の通りです。

 

**2026年4月施行の法改正**

・年金制度改正法(被用者保険の適用拡大、在職老齢年金の見直し)

・女性活躍推進法(情報公表義務の対象拡大)

・子ども・子育て支援法(子ども・子育て支援金制度の開始)

・労働安全衛生法(高年齢者・個人事業者等の労働災害防止)

 

**2026年7月施行の法改正**

・障害者雇用促進法(法定雇用率2.7%への引き上げ)

 

**2026年10月施行予定の法改正**

・年金制度改正法(パート・短時間労働者の社会保険適用拡大)

 

**2028年頃施行予定の法改正**

・労働安全衛生法(ストレスチェック義務化の全事業場への拡大)

 

それでは、各法改正について詳しく見ていきましょう。

 

【1】年金制度改正法:派遣会社が直面する社会保険料負担増への対応

 

 1-1. 被用者保険の適用拡大(2026年10月~)

 

**改正の概要**

 

現行制度では、パート・短時間労働者が社会保険(厚生年金・健康保険)に加入するためには、以下の要件を満たす必要があります。

 

**現行の加入要件**

・従業員51人以上の企業等に勤務

・週の所定労働時間が20時間以上

・月額賃金が8.8万円以上

・雇用期間が2か月を超える見込み

・学生でない

 

2026年10月からは、**「月額賃金8.8万円以上」という賃金要件が撤廃**される予定です。これにより、週20時間以上働くパート・短時間労働者は、賃金額にかかわらず社会保険の加入対象となります。

 

さらに、企業規模要件についても段階的に縮小・撤廃され、2027年から2035年にかけて、中小企業における社会保険加入対象者が順次拡大していく見通しです。

 

また、2029年10月からは、個人事業所の取扱いも見直され、常時5人以上を使用する事業所であれば、「法定17業種以外の業種」にも適用範囲が広がる予定です。

 

**派遣会社への影響**

 

派遣会社にとって、この改正は大きなインパクトがあります。

 

**主な影響**

・社会保険加入対象者の増加による保険料負担の増加

・給与計算業務の増加

・派遣労働者への説明・手続き業務の増加

・派遣料金への転嫁の必要性

 

特に、短時間勤務の派遣労働者を多く抱える派遣会社では、社会保険料の会社負担分が大幅に増加する可能性があります。

 

**実務対応のポイント**

 

✅ **対象者の洗い出し**

現在の派遣労働者の中で、新たに社会保険加入対象となる人数と、それに伴う保険料負担増を試算しましょう。

 

✅ **派遣労働者への説明準備**

社会保険に加入することで、派遣労働者にはメリット(将来の年金額増加、傷病手当金の受給資格など)とデメリット(手取り額の減少)があります。丁寧な説明が必要です。

 

✅ **派遣先企業との料金交渉**

社会保険料の会社負担分は派遣料金に転嫁する必要があります。派遣先企業との事前協議を進めましょう。

 

✅ **給与計算システムの対応確認**

社会保険加入者の増加に伴い、給与計算システムの処理能力や設定の見直しが必要になる場合があります。

 

 1-2. 在職老齢年金の支給停止基準の緩和(2026年4月)

 

**改正の概要**

 

在職老齢年金制度は、働きながら年金を受給する高齢者について、賃金と年金の合計額が一定基準を超えると、年金の一部または全部が支給停止される仕組みです。

 

現行制度では、**「賃金と年金の合計額が月50万円を超える場合」**に支給停止となりますが、2026年4月からは、この基準額が**月62万円(2026年度価格)**へ引き上げられます。

 

**派遣会社への影響**

 

この改正により、65歳以上の高齢者が働き続けやすくなり、派遣会社にとっては以下のメリットがあります。

 

**主なメリット**

・経験豊富なシニア人材の確保がしやすくなる

・高齢派遣労働者のモチベーション向上

・人材不足の解消に寄与

 

**実務対応のポイント**

 

✅ **65歳以上の派遣労働者への情報提供**

改正内容を分かりやすく説明し、「働き損」にならないことを伝えましょう。

 

✅ **シニア人材の活用戦略の見直し**

高齢者がより働きやすくなることを踏まえ、シニア人材の採用・活用戦略を強化しましょう。

 

✅ **問い合わせ対応体制の整備**

年金と賃金の関係について質問が増えることが予想されます。社会保険労務士と連携して対応体制を整えましょう。

 

 1-3. 遺族年金の見直し・標準報酬月額上限の引き上げ(2026年4月)

 

**改正の概要**

 

遺族年金の支給要件が見直され、配偶者の死亡時に子がいない場合でも、一定の条件下で遺族年金が支給されるようになります。

 

また、厚生年金保険の標準報酬月額の上限が段階的に引き上げられ、高所得者層の年金額が増加する仕組みとなります。

 

**実務対応のポイント**

 

✅ 派遣労働者への情報提供資料に、年金制度改正の内容を盛り込みましょう。

 

 

【2】女性活躍推進法:情報公表義務の対象拡大への対応

 

 2-1. 改正の概要(2026年4月施行)

 

女性活躍推進法は、2026年3月31日までの時限立法でしたが、**2036年3月31日まで10年間延長**されました。

 

また、2026年4月1日から、情報公表義務の対象となる企業規模が拡大されます。

 

**改正のポイント**

 

**従業員数101人以上の企業に新たに義務化される項目**

・男女間賃金差異の公表

・女性管理職比率の公表

 

これまでは従業員数301人以上の企業のみが対象でしたが、101人以上の企業にも拡大されます。

 

**選択項目の公表(従来通り)**

・従業員数301人以上:2項目以上を公表

・従業員数101人以上:1項目以上を公表

 

選択項目には、男女別の採用倍率、男女別平均勤続年数、育児休業取得率などがあります。

 

**従業員数100人以下の企業**

努力義務の対象となります。

 

 2-2. 派遣会社への影響

 

派遣会社は、派遣労働者を含めた従業員数でカウントされます。従業員数101人以上の派遣会社は、新たに男女間賃金差異と女性管理職比率の公表が義務化されます。

 

**派遣会社特有の課題**

・派遣労働者は女性が多い一方、正社員(営業職など)は男性が多い傾向

・男女間賃金差異が大きく見える可能性

・女性管理職比率が低く見える可能性

 

こうした数字が公表されることで、企業イメージに影響する懸念があります。

 

 2-3. 実務対応のポイント

 

✅ **男女別賃金データの整理**

派遣労働者を含む全従業員の男女別賃金データを集計し、男女間賃金差異を算出しましょう。

 

✅ **女性管理職の人数・割合の把握**

現在の女性管理職の人数と割合を確認し、目標値を設定しましょう。

 

✅ **行動計画の策定・見直し**

女性活躍推進のための行動計画を策定(または見直し)し、具体的な取り組みを進めましょう。

 

✅ **情報公表の準備**

厚生労働省の「女性の活躍推進企業データベース」や自社ウェブサイトでの公表準備を進めましょう。

 

✅ **賃金差異の分析と改善策**

男女間賃金差異が大きい場合、その要因を分析し、改善策を検討しましょう。単に「男女差別」ではなく、職種構成や勤続年数の違いが原因である場合も多いため、データに基づく説明が重要です。

 

【3】子ども・子育て支援法:新たな支援金制度の開始

 

 3-1. 子ども・子育て支援金制度とは(2026年4月開始)

 

2026年4月から、**「子ども・子育て支援金制度」**が運用開始されます。この制度により、すべての世代が加入する健康保険料に一定額を上乗せして拠出する仕組みが導入されます。

 

**支援金の拠出額**

・2026年度:一人当たり月額約250円

・2027年度:一人当たり月額約350円

・2028年度:一人当たり月額約450円

 

支援金は段階的に引き上げられる予定です。

 

**財源の使途**

・児童手当の拡充

・妊婦・子育て世帯への支援給付

・出生後の休業支援給付

・その他の子育て関連施策

 

 3-2. 派遣会社への影響

 

派遣会社は、派遣労働者を含む全従業員の健康保険料に上乗せして支援金を徴収し、健康保険組合等に納付する必要があります。

 

**主な影響**

・給与計算システムの改修

・派遣労働者への説明義務(努力義務)

・給与明細への記載

 

 3-3. 実務対応のポイント

 

✅ **給与計算システムの改修・設定変更**

健康保険料とあわせて支援金を徴収する仕組みをシステムに組み込みましょう。ベンダーに早めに相談することが重要です。

 

✅ **派遣労働者への説明資料の作成**

支援金の目的や金額について、分かりやすく説明する資料を作成しましょう。「なぜ負担が増えるのか」を丁寧に説明することで、理解を得られます。

 

✅ **給与明細への記載**

給与明細に支援金の項目を明記することが推奨されます(努力義務)。

 

✅ **派遣先企業との情報共有**

派遣先企業の人事担当者とも情報を共有し、派遣労働者からの問い合わせに一貫した対応ができるようにしましょう。

 

【4】障害者雇用促進法:法定雇用率2.7%への引き上げ

 

 4-1. 改正の概要(2026年7月施行)

 

障害者雇用促進法では、企業に一定割合以上の障害者を雇用することを義務付けています。この法定雇用率が、**2026年7月1日から2.5%から2.7%へ引き上げ**られます。

 

**法定雇用率の推移**

・2024年4月~:2.5%

・2026年7月~:2.7%

 

**対象企業の範囲拡大**

 

法定雇用率の引き上げに伴い、雇用義務の対象となる企業の範囲も拡大します。

 

**対象企業**

・現行(2.5%):常用労働者40人以上

・2026年7月~(2.7%):常用労働者37.5人以上(概ね38人規模)

 

これまで対象外だった小規模な派遣会社も、新たに義務を負うことになります。

 

 4-2. 派遣会社への影響

 

派遣会社は、派遣労働者を含めた常用労働者数でカウントされます。法定雇用率を達成できない場合、以下のペナルティがあります。

 

**法定雇用率未達成のペナルティ**

・障害者雇用納付金の支払い(常用労働者100人超の企業)

・企業名の公表(行政指導に従わない場合)

・助成金の受給制限

 

 4-3. 実務対応のポイント

 

✅ **自社の常用労働者数の確認**

派遣労働者を含む常用労働者数を確認し、法定雇用率引き上げ後に何人の障害者を雇用すべきかを試算しましょう。

 

**計算例**

常用労働者50人の派遣会社の場合

・50人 × 2.7% = 1.35人 → 2人(端数切り上げ)

 

✅ **障害者を受け入れ可能な業務・ポジションの検討**

障害の種類や程度に応じて、どのような業務であれば対応可能かを検討しましょう。

 

**受け入れやすい業務例**

・データ入力

・軽作業

・清掃業務

・事務補助

 

✅ **採用計画の策定**

ハローワークの障害者専門窓口や、障害者就業・生活支援センター、民間の人材紹介会社などを活用して、採用活動を進めましょう。

 

✅ **職場環境の整備**

バリアフリー化、支援機器の導入、短時間勤務制度の整備など、障害者が働きやすい環境を整えましょう。

 

✅ **受け入れ部署の研修**

障害者を受け入れる部署の社員に対して、障害理解や配慮のポイントについて研修を実施しましょう。

 

✅ **助成金の活用**

障害者雇用に関する各種助成金(特定求職者雇用開発助成金、障害者雇用安定助成金など)を活用しましょう。

 

【5】労働安全衛生法の改正:ストレスチェック義務化の拡大

 

 5-1. ストレスチェックの全事業場への義務化(2028年頃施行予定)

 

**改正の概要**

 

現在、ストレスチェック制度は「常時50人以上の労働者を雇用する事業場」にのみ義務付けられていますが、**2028年頃(法改正公布後3年以内)を目途に、全事業場への義務化**が予定されています。

 

これにより、これまで努力義務とされていた従業員数50人未満の事業場でも、ストレスチェックの実施が必須となります。

 

**背景・目的**

 

労働者のメンタルヘルス不調が年々増加しており、特に小規模事業場では専門的な対策が不十分であることが課題となっています。全事業場への義務化により、早期発見・予防体制を構築することが目的です。

 

 5-2. 派遣会社への影響

 

派遣会社は、事業場ごとに従業員数をカウントします。本社、支社、営業所など、各事業場が50人未満であっても、2028年以降はストレスチェックの実施が義務化されます。

 

**主な影響**

・ストレスチェック実施のコスト増加

・産業医や保健師の確保

・高ストレス者への面接指導の実施

・職場環境改善の取り組み

 

 5-3. 実務対応のポイント

 

✅ **ストレスチェックの実施体制の整備**

外部機関への委託、または社内での実施体制を検討しましょう。

 

✅ **産業医・保健師の確保**

高ストレス者への面接指導を行うため、産業医または保健師を確保しましょう。小規模事業場では、複数の企業で共同して産業医を確保することも可能です。

 

✅ **ストレスチェックツールの選定**

厚生労働省が提供する無料のツール、または民間の有料ツールを比較検討しましょう。

 

✅ **プライバシー保護の体制整備**

ストレスチェックの結果は個人情報であり、厳格な管理が必要です。閲覧権限の設定、保管方法などを明確にしましょう。

 

✅ **職場環境改善の計画策定**

ストレスチェックの集団分析結果に基づき、職場環境改善の計画を策定しましょう。

 

✅ **予算の確保**

ストレスチェックの実施には費用がかかります。2028年施行に向けて、予算を確保しましょう。

 

 5-4. 高年齢者・個人事業者等の労働災害防止(2026年4月施行)

 

2026年4月からは、高年齢者や個人事業者等の労働災害防止のための措置も強化されます。

 

**主な内容**

・高年齢者の身体機能の低下を踏まえた安全配慮

・個人事業者等(フリーランスなど)への安全衛生教育の努力義務

 

派遣会社は、高齢の派遣労働者に対して、安全配慮を強化する必要があります。

 

【6】その他の重要な法改正・動向

 

 6-1. 労働基準法の大改正は見送り

 

2026年に向けて、約40年ぶりとなる労働基準法の大改正が検討されていましたが、現時点では見送りとなっています。

 

**検討されていた主な内容**

・勤務間インターバル制度の義務化

・連続勤務の上限規制

・法定休日の明確化

・有給休暇の賃金算定方法の見直し

 

ただし、今後再び議論が活発化する可能性があるため、動向を注視する必要があります。

 

 6-2. 「つながらない権利」の議論

 

勤務時間外の業務連絡を制限する「つながらない権利」についても議論が進んでいます。現時点では法制化には至っていませんが、企業の自主的な取り組みが推奨されています。

 

派遣会社としても、派遣労働者の勤務時間外の連絡について、ルールを明確にすることが望ましいでしょう。

 

【7】法改正対応の優先順位とスケジュール管理

 

複数の法改正が同時に進行する中、派遣会社はどのように対応を進めればよいのでしょうか。優先順位とスケジュール管理のポイントをお伝えします。

 

 7-1. 優先順位の考え方

 

**【最優先】2026年4月施行の法改正**

・女性活躍推進法(101人以上の企業)

・子ども・子育て支援金制度

・年金制度改正(在職老齢年金)

 

**【優先】2026年7月施行の法改正**

・障害者雇用促進法(法定雇用率引き上げ)

 

**【計画的対応】2026年10月以降の法改正**

・年金制度改正(被用者保険の適用拡大)

 

**【中長期的対応】2028年頃施行の法改正**

・労働安全衛生法(ストレスチェック義務化)

 

 7-2. 法改正対応のスケジュール例

 

**2026年1月~3月**

・女性活躍推進法:男女間賃金差異・女性管理職比率のデータ集計

・子ども・子育て支援金:給与計算システムの改修準備

・障害者雇用:採用計画の策定、受け入れ準備

 

**2026年4月**

・女性活躍推進法:情報公表

・子ども・子育て支援金:徴収開始

・年金制度改正:在職老齢年金の基準変更

 

**2026年4月~6月**

・障害者雇用:採用活動の本格化、職場環境整備

 

**2026年7月**

・障害者雇用:法定雇用率2.7%の適用開始

 

**2026年7月~9月**

・年金制度改正(10月施行分):対象者の洗い出し、派遣労働者への説明準備

 

**2026年10月**

・年金制度改正:被用者保険の適用拡大(賃金要件撤廃)

 

まとめ:法改正を成長の機会に変える

 

2026年度は、人事労務分野において多岐にわたる法改正が施行される「変革の年」です。派遣会社の経営者にとって、これらの法改正への対応は大きな負担となる可能性があります。しかし、視点を変えれば、これは企業の体質を強化し、競争力を高める絶好の機会でもあります。

 

**法改正対応を成長の機会に変えるポイント**

 

✅ **コンプライアンス体制の強化**

法改正に適切に対応することで、コンプライアンス体制が強化され、行政指導や労働トラブルのリスクが低減します。

 

✅ **人材確保力の向上**

女性活躍、障害者雇用、高齢者雇用など、多様な人材が活躍できる環境を整えることで、人材確保力が向上します。

 

✅ **企業イメージの向上**

法令を遵守し、働く人を大切にする企業として、社会的評価が高まります。

 

✅ **派遣先企業からの信頼獲得**

適切な法改正対応は、派遣先企業からの信頼獲得につながります。「この派遣会社は信頼できる」と評価されることで、長期的な取引関係が構築されます。

 

**今すぐ始めるべきアクション**

 

✅ 自社の従業員数(派遣労働者含む)を正確に把握する

✅ 各法改正の施行日とスケジュールを一覧表にまとめる

✅ 社会保険労務士など専門家への相談体制を整える

✅ 社内プロジェクトチームを立ち上げ、担当者を明確にする

✅ 必要な予算を確保する

✅ 派遣労働者への説明資料を準備する

✅ 派遣先企業への情報提供を準備する

 

2026年度の法改正は、確かに対応すべき事項が多く、負担に感じられるかもしれません。しかし、計画的に準備を進め、専門家のサポートを受けながら一つひとつ対応していけば、必ず乗り越えられます。

 

派遣労働者、派遣会社、派遣先企業の三方が共に成長できる未来を目指して、法改正への対応を着実に進めていきましょう。

 

【参考情報】

・厚生労働省「2026年度人事労務関連法改正まとめ」

・アデコ株式会社「人事・労務関連の法改正まとめ」

・各種法令(年金制度改正法、女性活躍推進法、子ども・子育て支援法、障害者雇用促進法、労働安全衛生法)

 

【記事URL】

https://www.adecco.com/ja-jp/client/useful/column/law/hr-law-updates-2026

【2024年10月施行】社会保険適用拡大で51人以上の企業に何が変わる?   2026.01.09

2024年10月から、社会保険の適用範囲がさらに拡大されました。 

これまで対象外だったパート・アルバイトなどの短時間労働者についても、一定の条件を満たせば社会保険への加入が義務となります。

 

「うちは正社員が少ないから関係ない」 

「パート中心の会社だから対象外だと思っていた」

 

こうした声を、派遣会社や中小企業の経営者・人事担当者の方から多く耳にします。しかし今回の改正では、“企業規模の考え方”や“加入判断の基準”を正しく理解していないと、知らないうちに未加入状態になってしまうリスクもあります。

 

本記事では社会保険労務士の立場から、 

・社会保険適用拡大の概要 

・「従業員数51人以上」の正しい判断方法 

・新たに対象となる短時間労働者の要件 

・企業が実務で準備すべきポイント 

をできるだけわかりやすく解説します。

 

 

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■ 社会保険の適用拡大とは?

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社会保険とは、主に「健康保険」と「厚生年金保険」を指します。 

これまで社会保険は、原則としてフルタイムで働く正社員が対象というイメージを持たれがちでした。

 

しかし近年は、働き方の多様化により、パート・アルバイト・派遣社員など短時間で働く方が増えています。 

こうした背景を踏まえ、短時間労働者にも被用者としてふさわしい保障を行うため、社会保険の適用範囲は段階的に拡大されてきました。

 

その最終段階とも言えるのが、2024年10月から始まった「従業員数51人以上の企業」への適用拡大です。

 

 

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■ 何が変わった?2024年10月の改正ポイント

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今回の改正で最も重要なポイントは次の2点です。

 

① 対象企業の範囲が拡大 

② 短時間労働者の社会保険加入が義務化

 

これまで社会保険の適用拡大は、 

・2016年:501人以上 

・2022年:101人以上 

と段階的に進められてきました。

 

そして2024年10月からは、 

「従業員数51人以上」の企業まで対象が広がりました。

 

これにより、これまで対象外だった中小企業や派遣会社でも、社会保険への対応が必須となっています。

 

 

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■ 「従業員数51人以上」の正しい考え方

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ここで注意が必要なのが、「従業員数」の数え方です。

 

一般的に言う従業員数=在籍している人数 

と考えがちですが、社会保険の適用判断では少し異なります。

 

社会保険でいう従業員数とは、 

「厚生年金保険の被保険者数」を基準に判断します。

 

具体的には、次の人数を合計します。

 

・フルタイムで働く従業員 

・週の所定労働時間および月の所定労働日数が、フルタイムの4分の3以上の従業員

 

雇用形態(正社員・契約社員・パート・派遣など)は問いません。 

条件を満たせばすべてカウント対象です。

 

また、月ごとに人数をカウントし、 

「直近12か月のうち6か月以上で50人を超えている場合」 

に、特定適用事業所に該当します。

 

法人の場合は、同一法人番号の全事業所を合算する点にも注意が必要です。

 

 

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■ 特定適用事業所になると何が起こる?

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特定適用事業所に該当すると、短時間労働者についても社会保険の加入義務が生じます。

 

日本年金機構から 

「特定適用事業所に関する重要なお知らせ」 

が届くケースもありますが、通知が来る前であっても、要件を満たしていれば対象となります。

 

「知らなかった」「通知が来ていない」は理由にならないため、早めの確認が重要です。

 

 

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■ 新たに社会保険の対象となる短時間労働者の要件

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短時間労働者が社会保険に加入するためには、次のすべてを満たす必要があります。

 

① 週の所定労働時間が20時間以上 

※残業は含みませんが、実労働時間が継続的に20時間以上になる場合は要注意です。

 

② 所定内賃金が月額8万8千円以上 

※年収106万円以上が目安 

※通勤手当、残業代、賞与などは含みません。

 

③ 雇用期間が2か月を超える見込みがある 

※短期契約でも更新予定があれば対象になる場合があります。

 

④ 学生ではない 

※夜間学生・休学中は対象となります。

 

派遣会社の場合、派遣スタッフについてもこの基準で判断するため、契約内容と就業実態の両方を確認する必要があります。

 

 

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■ 企業側の負担はどう変わる?

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社会保険に加入すると、保険料は労使折半となります。 

そのため、企業側の社会保険料負担は確実に増加します。

 

一方で、 

・人材の定着 

・採用力の向上 

・従業員の安心感の向上 

といったプラスの側面もあります。

 

また、厚生労働省の「社会保険料かんたんシミュレーター」を使えば、負担額の目安を事前に把握することができます。

 

 

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■ 適用拡大に向けて企業が行うべき実務対応

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実務対応は、次の流れで進めるのが一般的です。

 

1. 加入対象者の洗い出し 

2. 社会保険料負担の試算 

3. 社内方針の検討 

4. 従業員への周知・説明 

5. 被保険者資格取得届の提出(電子申請可)

 

特に重要なのは、従業員への説明です。 

「手取りが減るのでは?」という不安に対して、将来の年金や手当金のメリットを丁寧に伝えることで、理解を得やすくなります。

 

 

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■ 社会保険適用拡大は“負担”だけではない

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社会保険の適用拡大は、企業にとって負担増という側面だけが注目されがちです。 

しかし実際には、働き方を見直し、人材戦略を再構築するチャンスでもあります。

 

労働時間の設計、正社員転換、助成金の活用など、制度を正しく理解すれば選択肢は広がります。

 

 

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■ 社労士としてのまとめ

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2024年10月からの社会保険適用拡大は、 

「知らなかった」では済まされない重要な制度改正です。

 

特に 

・従業員数のカウント方法 

・短時間労働者の要件 

は、実務で判断を誤りやすいポイントです。

 

不安を感じた時点で一度立ち止まり、専門家の視点で整理することが、結果的に企業と従業員双方を守ることにつながります。

 

制度対応をきっかけに、より安定した職場づくりを進めていきましょう。

 

もしご相談が必要であればホームページのお問合せよりお気軽にご連絡ください。

初回のご相談は無料です。

 

【参照リンク】

政府広報オンライン

https://www.gov-online.go.jp/article/202209/entry-10068.html

知らないと損する通勤手当の非課税枠改正。派遣会社が押さえるべき10の視点   2025.11.17

※本記事は派遣会社(経営者・管理者・人事労務担当者)向けに、2025年秋に見込まれる「マイカー通勤手当の非課税枠引き上げ」を、実務視点で徹底解説しています。

 

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## 1. マイカー通勤手当の非課税枠とは?【基礎知識】

 

まずは基本の整理から始めます。

 

「通勤手当」とは、従業員が通勤のために必要となる費用を補う目的で会社が支給する手当です。 

所得税法では、一定額までは“課税されないお金”として扱われています。これがいわゆる「非課税枠」。

 

特にマイカー通勤については、国税庁が「片道距離」に応じて非課税限度額を細かく定めており、 

たとえば4〜6kmであれば〇〇円、10〜15kmなら〇〇円…といった具合です。

 

この非課税枠を超えて支給した分は給与として課税されるため、スタッフの手取りや会社の源泉徴収額にも影響します。

 

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## 2. なぜ2025年に「非課税枠引き上げ」が話題になっているのか

 

2025年2月、政府が「2025年秋にもマイカー通勤手当の非課税枠を引き上げる方向で検討」という報道がありました。 

背景には、ガソリン代や自動車維持費の高騰など、通勤コストの上昇があります。

 

そして同年8月、人事院が公務員の給与勧告において「通勤手当の非課税枠引き上げ」を提案。 

まだ最終決定ではありませんが、改正が現実味を帯びてきました。

 

派遣スタッフの多くがマイカー通勤である地域では、特に注目すべき動きと言えます。

 

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## 3. 現行の通勤手当の非課税限度額【距離区分と基準】

 

現行制度では、片道距離に応じて非課税枠が設定されています。

 

たとえば、

 

・4kmの場合:4,200円 

・10kmの場合:6,500円 

・15kmの場合:11,300円 

 

といった具合です(※詳細は国税庁の基準に準拠)。

 

地方の派遣会社の場合、10〜20kmという距離帯のスタッフが非常に多いため、この区分の改正が実務に直結します。

 

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## 4. 非課税枠が引き上げられた場合の具体的な変更点

 

人事院勧告では、片道10km以上の区分について非課税枠が200〜7,100円引き上げられる見込みとされています。

 

例:片道15km 

現行 → 11,300円 

改正後 → 17,000円(想定)

 

これはかなり大きな上昇幅です。 

特に遠距離通勤者にとっては、手取りへ直接響く改正となります。

 

一方、10km未満については現状維持が想定されています。

 

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## 5. 手取り収入はどう増える?【非課税枠アップの影響】

 

非課税枠が広がると、手取りが増える理由は主に2つ。

 

1. **所得税・住民税が減る** 

非課税枠を超える分だけ課税されていたスタッフは、課税額が減るため手取りが増えます。

 

2. **支給額そのものが増える可能性** 

会社によっては「非課税枠まで支給する」というルールになっており、枠が広がる=支給額が増えるケースがあります。

 

ただし、支給額が増える場合、給与収入が増えるため社会保険料が増える可能性もあります。 

「手取りが増える=一律に良い」とは限らない点には注意が必要です。

 

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## 6. 派遣会社にとって実務上のインパクト

 

派遣会社が最も注意すべきポイントは、次の4つです。

 

● **支給ルール(就業規則・契約書)の見直し** 

「非課税枠まで支給」と明記しているかどうかで運用が変わります。

 

● **派遣先との調整** 

派遣料金に通勤手当を含めるのか、別途支給なのかで対応が異なります。

 

● **給与計算システムの対応** 

距離区分が変更されれば、計算式やマスター設定の変更が必要です。

 

● **スタッフへの説明責任** 

「なぜ増えるのか」「自分はいくら変わるのか」といった問い合わせが必ず増えます。

 

制度変更は“現場混乱”が起きやすく、ここでの対応力が派遣会社の評価に直結します。

 

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## 7. 支給額を増やす義務はあるのか?【誤解の多いポイント】

 

スタッフからよく聞かれる質問が、

 

「非課税枠が上がるなら、通勤手当も上がりますよね?」

 

というもの。

 

結論としては、 **非課税枠が上がっても、支給額を増やす義務はありません。**

 

あくまで、非課税枠は「税金をかけない限度額」であり、「企業が支給すべき金額」ではないからです。

 

増額が必要かどうかは、

 

・就業規則 

・派遣先の支給ルール 

・派遣契約の条件 

 

によって決まります。

 

勘違いが起こりやすい領域なので、早めに説明文を準備しておくのがおすすめです。

 

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## 8. 年末調整で必要となる手続きと注意点

 

国税庁はすでに「改正が行われる場合は年末調整に影響する可能性がある」と発信しています。

 

具体的には、

 

● 年末調整ソフトのアップデート 

● 非課税限度額の判定基準の変更 

● 支給履歴の整理 

● 給与支払報告書の数字調整 

 

などが発生する可能性があります。

 

特に派遣会社ではスタッフ人数が多く、勤務形態も多様なため、年末調整の負荷は大きいのが実情。 

直前対応にならないよう、早めに下準備しておくことが重要です。

 

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## 9. 派遣スタッフ・派遣先への説明はどう行うべきか

 

制度改正は、情報を正しく伝えられるかどうかでトラブルが大きく変わります。

 

● スタッフ向け 

「非課税枠が変わる」「支給額が変わるとは限らない」「手取りにどう響くか」 

など、誤解を防ぐための事前告知が有効です。

 

● 派遣先向け 

「通勤手当の扱いをどうするか」「派遣料金へ影響するのか」などを整理し、 

必要な場合は契約更新時に確認しておくことが重要です。

 

“言った・言わない問題”を防ぐためにも、文書での案内を推奨します。

 

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## 10. 最後に:制度変更は“信頼構築のチャンス”

 

制度変更は、どうしても「対応が大変」「また業務が増える」という印象を持たれがちです。 

しかし、私はむしろ逆に、派遣会社が“価値を示すチャンス”だと考えています。

 

・スタッフにとって安心できる説明 

・派遣先にとって頼りになる情報提供 

・内部の運用を整えることで業務の透明性が向上 

 

こうした積み重ねが、派遣会社の信用を確実に高めていきます。

 

実務対応で迷うことがあれば、当ホームページのお問合せ・相談フォームから、どうぞ気軽にご相談ください。

初回のご相談は無料です。

 

制度を正しく理解し、派遣現場が安心して働ける環境づくりを一緒に進めていきましょう。

 

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【参照記事】

https://news.yahoo.co.jp/articles/0795c6794c762d2d9b85f7e99403921791ec526e?page=2

 

【参照】

国税庁 「No.2585 マイカー・自転車通勤者の通勤手当」

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2585.htm

 

人事院 「報告文・勧告文」

https://www.jinji.go.jp/seisaku/kankoku/archive/r7/r7_top.html

2026年カスハラ対策義務化で何が変わる?派遣会社が今すぐ取り組むべきこと   2025.10.15

### 1. はじめに:カスハラ防止が「企業の義務」になる時代へ 

 

2026年中に施行予定の「改正労働施策総合推進法」によって、 

企業は「カスタマーハラスメント(カスハラ)」防止のための措置を講じることが義務化されます。 

 

これまでは、パワーハラスメント(パワハラ)やセクシャルハラスメント(セクハラ)など、 

社内で起きるハラスメントに対して企業の防止義務が定められていました。 

しかし、「顧客から従業員に対するハラスメント」に関しては、明確な法的義務は存在していませんでした。 

 

つまり、「お客様からの暴言」「過度なクレーム対応」「人格を否定するような要求」など、 

従業員が日常的に受けていた精神的負担に対して、企業として守るための仕組みが不十分だったのです。 

 

改正法の成立により、カスハラはようやく法の下で正式に「防止義務の対象」となりました。 

これは、職場におけるメンタルヘルスや安全配慮義務の観点からも、非常に大きな一歩です。 

 

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### 2. カスハラとは?その定義と派遣現場の実情 

 

「カスタマーハラスメント(カスハラ)」とは、 

顧客が企業やその従業員に対して、社会通念を超える不当な言動を行うことを指します。 

 

典型的な事例としては、次のようなケースが挙げられます。 

 

- 暴言や威圧的な態度を繰り返す 

- 不当な要求を執拗に続ける 

- 長時間にわたってクレーム対応を強要する 

- SNSなどでの誹謗中傷 

- 人格を否定するような言葉を投げつける 

 

派遣スタッフの現場では、特に「派遣先の顧客」からこうした行為を受けるケースが少なくありません。 

しかし、多くのスタッフは「お客様だから仕方ない」「派遣先との関係を悪くしたくない」といった理由から、 

我慢してしまう傾向にあります。 

 

結果として、心身の不調や離職につながるケースもあり、 

企業にとっては“見えないコスト”として大きな損失となっています。 

 

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### 3. 改正法の概要:企業に求められる対応 

 

今回の改正では、以下の3点が企業に求められます。 

 

#### ① 防止方針の明確化 

カスハラに対する企業の基本的な考え方を明文化し、 

全従業員が理解できる形で共有する必要があります。 

社内ポリシーや就業規則に明記し、派遣先企業とも共有することが望まれます。 

 

#### ② 相談体制・窓口の整備 

被害を受けた従業員が安心して相談できる窓口を設けることが義務化されます。 

担当者は守秘義務を持ち、適切な対応・助言を行う体制を整えることが求められます。 

 

#### ③ 実効性の確保 

単に「方針を掲げただけ」では不十分です。 

教育・研修・マニュアル整備などを通じて、実際に防止策が機能するように運用することが必要です。 

 

罰則規定は設けられていませんが、行政指導や公的評価、さらには取引先からの信用など、 

実質的な社会的リスクを考えれば「やらない理由はない」と言えるでしょう。 

 

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### 4. 同時改正:女性活躍推進法・男女雇用機会均等法 

 

今回の法改正では、「女性活躍推進法」や「男女雇用機会均等法」に関しても重要な変更が行われました。 

 

#### 女性活躍推進法の改正 

従業員101人以上の企業に対し、 

「女性管理職比率」と「男女の賃金差異」の公表が義務付けられます。 

施行は2026年4月1日。 

 

企業の透明性がより一層求められ、 

「人材の見える化」を進めることが社会的責任となっていきます。 

 

#### 男女雇用機会均等法の改正 

採用活動中の学生に対するセクハラ防止も義務化されました。 

特に採用担当者や面接官に対しては、明確なルールや教育体制の整備が必要です。 

 

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### 5. 派遣会社が取るべき3つの実務対応 

 

派遣会社にとって、今回の改正は“自社内の体制整備”だけでなく、 

“派遣先との協力体制”が極めて重要になります。 

 

#### ステップ①:現場の声を聞く 

まずは、派遣スタッフ・営業担当・管理職などから、 

現場で実際にどのような顧客対応が行われているかをヒアリングします。 

「カスハラを受けたけど報告しなかった」というケースがないか確認することが第一歩です。 

 

#### ステップ②:方針とマニュアルの整備 

カスハラの定義や対応手順、報告ルート、派遣先への連絡方法などを具体的に文書化します。 

派遣契約書には「カスハラ防止における協力条項」を盛り込むことで、 

派遣元・派遣先双方の責任範囲を明確にできます。 

 

#### ステップ③:教育と啓発 

派遣スタッフ・営業担当・派遣先責任者など、立場ごとに適切な研修を実施します。 

「我慢する」文化から「報告・相談する」文化へ。 

相談しやすい環境をつくることで、問題の早期発見・再発防止につながります。 

 

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### 6. カスハラ対策のポイント:派遣先との連携が鍵 

 

派遣会社単独での対応には限界があります。 

実際にカスハラが発生する現場は、派遣先企業であることがほとんどです。 

 

そのため、派遣契約時や定例ミーティングなどを活用し、 

派遣先と共に「カスハラ防止方針」を共有することが不可欠です。 

 

派遣スタッフが安心して働ける環境を整えることは、 

派遣先にとっても定着率の向上や生産性の向上につながるメリットがあります。 

 

企業同士の協働で、より良い就労環境を築いていくことが理想です。 

 

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### 7. カスハラ対策を「義務」から「企業文化」へ 

 

今回の改正は単なる法令対応ではありません。 

「従業員を守ること」が「企業を守ること」に直結する時代が来ています。 

 

カスハラ防止を経営課題として位置づけることで、 

企業のブランド価値や採用力も確実に向上します。 

 

従業員が安心して働ける環境を整えることは、 

結果的に顧客満足度やサービス品質の向上にもつながります。 

 

「法に従う」だけでなく、「人を守る文化をつくる」ことが、 

今後の企業経営における重要な視点になるでしょう。 

 

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### 8. フリーランス保護にも広がる議論 

 

改正法の付則には、「フリーランスとして働く人の保護を検討する」と明記されています。 

働き方の多様化が進む中で、雇用関係にない立場の人たちに対しても、 

ハラスメント防止や安全配慮が求められるようになる可能性があります。 

 

派遣会社としても、業務委託契約を結ぶ外部人材への対応を見直すきっかけになるでしょう。 

 

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### 9. 社労士の視点:法令対応と現場運用の“橋渡し”を 

 

社会保険労務士として感じるのは、制度ができても「現場で機能しない仕組み」が多いということです。 

たとえば、「相談窓口を設けたけれど、誰も使わない」「報告しても対応が遅い」など、 

運用面での課題が必ず発生します。 

 

大切なのは、“制度を現場で活かすこと”。 

 

そのためには、 

- 実際の相談対応フローを明確にする 

- 担当者教育を継続的に行う 

- 相談内容を匿名で共有し、再発防止に生かす 

といった地道な仕組みづくりが必要です。 

 

社労士としては、 

就業規則・派遣契約・研修・相談体制の整備など、 

「制度設計+運用支援」の両面から企業をサポートしていくことが求められます。 

 

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### 10. まとめ:2026年に向けた「守るための準備」を今から 

 

2026年のカスハラ防止義務化は、 

すべての企業に「従業員を守る経営」を求める流れの象徴です。 

 

派遣会社にとっては、 

スタッフの安全と働きやすさを守ることが、 

結果的にクライアント企業の信頼や自社の成長にもつながります。 

 

「お客様は神様」という時代から、 

「お客様も従業員も大切にする時代」へ。 

 

今こそ、自社の現場を見直し、 

相談体制や方針整備をスタートさせるタイミングです。 

 

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👩‍💼 社労士として、現場実務と法令の間に立ち、 

派遣会社の皆さまが安心して対応できるようお手伝いします。 

制度対応はもちろん、「現場で機能する仕組みづくり」を一緒に進めていきましょう。 

 

当ホームページのお問合せ・相談フォームから、お気軽にお声がけください。

初回のご相談は無料です。

 

【関連記事】

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA027PU0S5A600C2000000/

 

【参考】

厚生労働省「令和7年の労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(労働施策総合推進法)等の一部改正について」

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/zaitaku/index_00003.html

厚労省が発表!ストレスチェック義務化の対象拡大で派遣会社が注意すべき3つの点   2025.10.06

## はじめに:ストレスチェック義務化がすべての企業へ

 

厚生労働省は、従業員のメンタルヘルス状態を調べる「ストレスチェック制度」を、 

**全ての企業に義務化する方針**を正式に打ち出しました。

 

これまでストレスチェックの実施が義務付けられていたのは「従業員50人以上」の企業のみ。 

一方、50人未満の事業所、いわゆる零細企業や個人事業主を中心とした小規模事業所については、 

努力義務にとどまっていました。

 

しかし、今回の制度改正によって状況は一変します。 

厚労省によれば、新たに義務化の対象となる事業所は**約364万カ所**、 

対象労働者は**およそ2,893万人**にものぼります。 

日本の企業の大半を占める中小・零細事業所が、新たに対応を迫られることになります。

 

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## 背景:なぜ今、義務化なのか?

 

ストレスチェック義務化の背景には、 

「職場におけるメンタル不調の急増」という深刻な課題があります。

 

厚労省によると、**精神障害による労災認定件数はこの10年間で約2倍に増加**。 

2023年度には883件にのぼり、過労やハラスメント、長時間労働による心理的負担が 

依然として多くの職場に存在していることが分かります。

 

また、2022年11月から2023年10月の間に「メンタル不調で退職や1か月以上の休業者が出た」 

と答えた事業所は**13.5%**に達し、年々増加傾向です。 

特に小規模事業所ほど、職場内の人間関係や仕事の偏りによるストレスが蓄積しやすく、 

それに対するケア体制が整っていないのが現状です。

 

この状況を受けて厚労省は、ストレスチェック制度を「努力義務」から「義務化」へと 

一段階引き上げる方針を決定。 

今後、**労働安全衛生法の改正案**として国会提出が検討されています。

 

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## 派遣業界にとっての意味:複雑な構造が浮き彫りに

 

この制度改正、派遣業界にとっては特に重要な意味を持ちます。 

なぜなら、派遣労働者は「派遣元」と「派遣先」という**二重の職場環境**の中で働いているからです。

 

通常、ストレスチェックの実施主体は「雇用主」である派遣元事業主。 

しかし、実際に日々の業務を行うのは派遣先企業であり、 

ストレスの多くは派遣先の環境や人間関係、労働条件から生じます。

 

このため、制度の運用にあたっては次のような課題が想定されます。

 

- 派遣元がどのように派遣先の職場環境に関する情報を把握するか 

- チェック結果をどの範囲で共有できるのか(個人情報・プライバシーの扱い) 

- ストレスチェック結果を踏まえた「職場改善」をどちらの責任で行うのか 

 

これらの点を明確にしないまま制度が動き出すと、 

派遣元・派遣先間でトラブルや責任の押し付け合いが生じる可能性もあります。 

 

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## 注意すべき3つのポイント

 

では、派遣会社が今回の義務化を前に、具体的に注意すべきポイントは何でしょうか。 

ここでは、社労士としての実務経験から「3つの観点」で整理します。

 

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### ① 実施体制の整備【キーワード:ストレスチェック 体制構築】

 

まず最初のポイントは、「誰が」「どのように」実施するのかという体制づくりです。

 

ストレスチェックは、医師・保健師・看護師・公認心理師など、 

専門職による実施が求められます。 

しかし零細規模の派遣会社では、社内に専門職を配置するのは難しいため、 

多くの場合は外部委託となります。

 

委託先を選ぶ際は以下を確認しましょう。

 

- 派遣労働者の就業形態に理解があるか(多様な職場に派遣されている点) 

- オンライン対応が可能か(拠点が分散している場合) 

- 結果の管理・保管が適切に行われるか(個人情報保護法への対応) 

 

さらに、実施後の「高ストレス者への医師面接指導」や「結果のフィードバック」まで含めた 

運用フローを社内で整備することが重要です。

 

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### ② 派遣先との協力体制【キーワード:派遣先 情報共有】

 

次に大切なのは、派遣先との連携です。

 

ストレスチェックは個人のプライバシーに関わる情報であるため、 

結果をそのまま派遣先に共有することはできません。 

しかし、派遣先の職場環境に起因するストレスが多い場合、 

派遣元だけでの改善は難しいのが現実です。

 

したがって、派遣契約書や労働者派遣契約に以下のような条項を追加・明確化しておくことが望まれます。

 

- 健康管理・安全衛生に関する協定書の締結 

- ストレスチェック実施に関する情報共有ルール 

- メンタル不調者発生時の対応フロー 

 

こうしたルールが明文化されていないと、 

「派遣先の環境が原因で体調を崩した場合、どちらが責任を負うのか?」という問題が 

曖昧になりがちです。

 

今後の法改正を見据え、契約段階で「健康管理に関する取り決め」を盛り込むことが、 

派遣元にとってのリスクヘッジになります。

 

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### ③ 結果を活かす“職場改善”への取り組み【キーワード:職場環境 改善】

 

ストレスチェックは「やったら終わり」ではありません。 

むしろ本質は、「チェック結果をどのように活かすか」にあります。

 

チェックの結果、特定の職場や部署で高ストレス者が多い場合、 

その背景には「業務量の偏り」や「コミュニケーション不足」など、 

構造的な問題が隠れていることが多いです。

 

派遣会社としては、以下のような取り組みを行うことが効果的です。

 

- 派遣スタッフ向けアンケートによる定期的な職場満足度調査 

- 派遣先担当者へのフィードバックと職場環境改善の提案 

- メンタルヘルス研修・カウンセリング窓口の設置 

 

これにより、派遣スタッフが安心して働ける職場環境を維持でき、 

結果的に定着率や派遣先からの信頼にもつながります。

 

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## 厚労省の支援と今後のスケジュール【キーワード:労働安全衛生法 改正】

 

厚労省は、零細事業所の対応を支援するため、 

ストレスチェックの運用マニュアルや事例集を作成する方針を示しています。 

特に「プライバシー保護の方法」や「結果の管理体制」については、 

今後明確なガイドラインが提示される見通しです。

 

労働政策審議会の安全衛生分科会で議論が進められ、 

**2025年度中にも労働安全衛生法改正案が国会提出される可能性**があります。 

つまり、実施は早ければ**2026年度以降**になる見込みですが、 

準備には時間がかかるため、今のうちから体制づくりを始めておくことが得策です。

 

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## 義務化をチャンスに変える「健康経営」の視点【キーワード:健康経営 派遣スタッフ】

 

ストレスチェックの義務化を「負担」と感じる企業も多いでしょう。 

しかし、視点を変えればこれは**企業の魅力を高めるチャンス**でもあります。

 

職場の心理的安全性を高めることは、 

派遣スタッフの定着率向上・ミスマッチの減少・生産性の向上に直結します。 

いわば「人を大切にする企業文化」の形成です。

 

また、ストレスチェックの結果を定期的に分析し、 

「派遣スタッフが働きやすい職場ランキング」などの指標を作ることで、 

採用力の向上にもつながります。

 

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## 社会保険労務士がサポートできること【キーワード:社労士 ストレスチェック 支援】

 

社会保険労務士としては、以下のような支援が可能です。

 

- ストレスチェック制度の設計・運用支援 

- 派遣元・派遣先の役割分担に関する協定書の作成 

- 結果を活用した職場改善施策の提案 

- 高ストレス者対応や復職支援に関する助言 

 

特に中小・零細の派遣会社では、限られた人員で制度運用を行うため、 

「外部の専門家との連携」が実効性を高めるカギになります。

 

---

 

## まとめ:ストレスチェックを「義務」ではなく「投資」に

 

今回の義務化拡大は、 

単なる法令遵守の話ではなく、企業の持続可能性に関わるテーマです。

 

人が定着し、安心して働ける環境を整えることは、 

これからの時代の“企業競争力”そのもの。

 

派遣会社としては、 

「法対応をいち早く整える企業」ではなく、 

「制度を上手に活かして人を守る企業」になることが求められています。

 

ストレスチェックを「やらされる義務」ではなく、 

「人と組織を成長させる投資」として捉える。 

その一歩を、今から踏み出すことが大切です。

 

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📘 **まとめポイント**

 

- 厚労省がストレスチェックの義務化対象を全企業に拡大 

- 派遣会社は「体制整備」「派遣先との協定」「職場改善」が3大テーマ 

- 義務化は2026年頃の見込み。今から準備を進めることが重要 

- ストレスチェックは“健康経営”への第一歩 

- 社労士による制度設計・運用支援を活用し、安心して対応を 

 

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社会保険労務士として、派遣会社の皆さまが安心して制度対応を進められるよう、 

実務に即したサポートを行っています。 

 

お困りの際は、当ホームページのお問合せ・相談フォームから、お気軽にお声がけください。

初回のご相談は無料です。

 

 

※参照記事)

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA1132D0R11C24A0000000/

 

※参照リンク)厚生労働省「ストレスチェック等の職場におけるメンタルヘルス対策・過重労働対策等」

https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/index.html

 

教育訓練休暇給付金とは?派遣会社が知っておくべき制度のポイントと活用法   2025.10.03

### はじめに 

2025年10月1日、新たにスタートした「教育訓練休暇給付金」。 

これは労働者が会社を辞めずに無給の休暇を取り、その間に学習や訓練に専念できるよう支援する制度です。休暇中には雇用保険から賃金の一定割合が支給され、生活費の不安を抱えずにリスキリング(学び直し)に挑戦できるという画期的な仕組みです。 

 

特に派遣会社にとって、この制度は「社員のキャリア支援」「人材定着」「派遣先からの信頼獲得」に直結する重要な制度となり得ます。今回は、派遣会社の経営者・人事担当者に向けて、教育訓練休暇給付金の内容やメリット、実務上の注意点を解説していきます。 

 

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### 1. 教育訓練休暇給付金とは? 

教育訓練休暇給付金は、雇用保険の給付制度の一つです。労働者が自発的に教育や訓練のための休暇を取得する場合、無給であってもその期間の生活を保障するために、失業給付に準じた額が支給されます。 

 

つまり、仕事を辞めなくても「一時的に仕事を離れて学ぶ」ことができるという点が特徴です。従来は「退職してから学び直す」選択肢が中心でしたが、制度によって「在職しながらキャリアを積み直す」ことが現実的になりました。 

 

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### 2. 制度が始まった背景とリスキリングの重要性 

AIやDXの進展により、労働市場は急速に変化しています。これまで必要とされたスキルが数年で不要になる一方、新しいスキルへの需要は高まり続けています。 

 

こうした状況の中で注目されるのが「リスキリング(Reskilling)」です。新しい職務や業務に対応するために、既存の人材が再び学び直すことが企業競争力の鍵になっています。 

 

教育訓練休暇給付金は、こうした社会背景に対応する形で創設されました。労働者が安心してキャリア形成に取り組めるよう支援することで、結果的に企業全体の成長にもつなげる狙いがあります。 

 

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### 3. 対象となる労働者の条件 

給付金を受けるためには、以下の条件を満たす必要があります。 

 

1. **雇用保険の一般被保険者であること** 

   (65歳以上の高年齢被保険者や短期雇用特例被保険者は対象外) 

 

2. **休暇開始前の2年間に12か月以上の被保険者期間があること** 

   ※月に11日以上勤務している必要があります。 

 

3. **雇用保険の加入期間が通算5年以上あること** 

 

4. **本人が自発的に教育訓練休暇を取得していること** 

   (業務命令ではなく、自分の希望での休暇であることが必須) 

 

派遣社員も、派遣元の雇用契約を通じて雇用保険に加入していれば対象となり得ます。 

 

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### 4. 支給額と給付日数の具体例 

給付額は、失業給付と同じ計算方法で算定されます。 

 

- 月収35万円の労働者 → 約19.5万円/月が支給 

- 給付日数は加入期間によって変動 

  - 5年以上10年未満:90日 

  - 10年以上20年未満:120日 

  - 20年以上:150日 

 

例えば、10年以上勤務している社員が4か月の語学留学に行く場合、最大で約78万円が支給される計算です。 

 

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### 5. 利用できる教育訓練の種類 

対象となる教育訓練は非常に幅広く設定されています。 

 

- 学校教育法に基づく大学・大学院・短大・高専・専修学校など 

- 教育訓練給付金の指定講座(資格取得講座など) 

- 職業安定局長が定める専門的な教育訓練(司法修習、語学留学、海外大学院での修士号取得など) 

 

派遣社員の場合も「資格取得」や「語学研修」といったニーズが多く、現実的に利用しやすい制度と言えます。 

 

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### 6. 手続きの流れと企業側の準備 

制度を利用するには、企業側の準備も欠かせません。 

 

1. **就業規則に教育訓練休暇の規定を整備** 

   → この規定がなければ申請できません。 

 

2. **労働者が「教育訓練休暇取得確認票」を提出** 

   → 事業主が同意した上で進める必要があります。 

 

3. **事業主がハローワークへ書類提出** 

   → 賃金月額証明書などを10日以内に提出。 

 

4. **労働者が申請書類を提出** 

   → ハローワークで審査を受け、受給資格が決定されます。 

 

派遣会社の場合、派遣先との業務調整や代替要員の手配など、現場の調整力も問われます。 

 

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### 7. 派遣会社にとってのメリットと注意点 

教育訓練休暇給付金は、派遣会社にとって大きなメリットがあります。 

 

- 社員のキャリアアップを支援できる 

- 定着率が上がり、人材流出を防げる 

- 「学びを応援する会社」というブランド強化につながる 

 

一方で注意すべき点もあります。 

- 派遣先企業との調整負担 

- 業務の一時的な人員不足 

- 制度利用に伴う就業規則や申請の煩雑さ 

 

このあたりを事前に整備しておくことで、制度活用がスムーズになります。 

 

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### 8. 派遣社員は対象になる?実務での判断ポイント 

派遣社員の場合、雇用契約は派遣元と結んでいるため、給付金の申請も派遣元が対応します。 

 

- **雇用保険に加入していること** 

- **派遣元に教育訓練休暇の規定が整備されていること** 

 

これらが満たされていれば、派遣社員も対象です。 

ただし派遣先との関係調整は不可欠であり、派遣元として「教育訓練休暇取得を認めるかどうか」の判断は重要になります。 

 

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### 9. 不正受給への注意とコンプライアンス体制 

制度利用において最も注意が必要なのが「不正受給」です。 

 

- 実際には教育訓練を受けていないのに申請 

- 書類を偽造して給付を受ける 

- ハローワークへの虚偽報告 

 

こうした行為は、給付金の返還だけでなく「返還額の2倍の追徴」「詐欺罪に問われる可能性」まであります。派遣会社としては、制度を適正に利用するためのコンプライアンス体制を整えておくことが不可欠です。 

 

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### 10. まとめ:社員の学びを応援することが企業の成長につながる 

教育訓練休暇給付金は、単なる給付制度ではなく「人材投資を支える仕組み」です。 

 

派遣会社にとって、社員のリスキリングを応援することは、結果的に企業の競争力を高めることにつながります。 

 

- 社員にとっては安心して学べる環境 

- 企業にとってはスキルアップと人材定着の促進 

- 派遣先にとっては質の高い人材の供給 

 

三者にとってプラスの循環を生み出す可能性を秘めています。 

 

制度は始まったばかり。派遣会社としていち早く理解し、準備を整えることで「社員の未来」と「会社の成長」を同時に支援できるのではないでしょうか。 

 

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※制度の詳細や適用可否は個別の状況によって異なります。導入を検討される場合は、専門家である社会保険労務士にご相談ください。

 

お困りの際は、当ホームページのお問合せ・相談フォームから、お気軽にお声がけください。

初回のご相談は無料です。

 

 

※参照記事)yahooニュース

https://news.yahoo.co.jp/articles/fa4866fb67ca873507a8f59dbb772b34f3183751

 

※参照)厚生労働省「教育訓練休暇給付金」

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/koyouhoken/kyukakyufukin.html

 

派遣会社が活用すべき確定拠出年金制度改正のポイントとは?   2025.09.24

### 1. はじめに:派遣会社にとって確定拠出年金制度の改正は「チャンス」

 

2024年に予定されている確定拠出年金法等の改正では、企業型DC(企業型確定拠出年金)やiDeCo(個人型確定拠出年金)に大きな見直しが入りました。 

「老後の資産形成」を後押しするための制度改正ですが、派遣会社にとっては単なる年金制度の話ではありません。 

 

なぜなら、この改正は **「人材の確保」「スタッフの定着」「企業のブランディング」** に直結するからです。 

人材不足が深刻化する中で、福利厚生の強化は他社との差別化ポイントになります。特に派遣業界は短期的な雇用関係が多いため、福利厚生が整っているかどうかは応募者に大きな影響を与えます。 

 

今回は、派遣会社が知っておくべき改正内容と、その実務的な活用方法を解説します。 

 

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### 2. 今回の確定拠出年金制度改正のポイント整理

 

まずは改正内容を簡単に押さえておきましょう。 

 

- **企業型DC(会社が導入する年金制度)** 

  拠出限度額が「月額5.5万円 → 6.2万円」へ引き上げ。 

 

- **iDeCo(会社員の個人型年金)** 

  拠出限度額が「月額2.0万円/2.3万円 → 6.2万円」へ大幅引き上げ。 

 

- **自営業者(第1号被保険者)** 

  拠出限度額が「月額6.8万円 → 7.5万円」へ引き上げ。 

 

- **iDeCo加入年齢** 

  60歳未満から最大70歳未満まで拡大。シニア層も加入可能に。 

 

- **マッチング拠出の要件緩和** 

  「従業員の掛金が会社の掛金を超えてはいけない」という制限が撤廃され、柔軟な掛金設定が可能に。 

 

これらの改正により、従業員一人ひとりのライフプランに合わせた資産形成が可能となり、企業もより柔軟な福利厚生設計ができるようになります。 

 

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### 3. 派遣会社が注目すべき理由

 

派遣スタッフは正社員に比べ、福利厚生が手薄と感じられがちです。 

その結果、短期的な就業にとどまり、長期的な定着にはつながりにくいのが現実です。 

 

しかし、確定拠出年金制度を活用すれば、派遣会社も「長期的に安心して働ける環境」を整備できます。 

具体的には―― 

 

- 「派遣会社でも老後資産を積み立てられる」という安心感を与える。 

- 福利厚生が手厚い=他社との差別化になる。 

- 年齢が高いスタッフにも魅力的な制度を用意できる。 

 

つまり、**採用力と定着率を同時に高める武器** となるのです。 

 

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### 4. 企業型DC導入で広がる可能性

 

企業型DCを導入することで、派遣スタッフに「会社が将来の生活をサポートしてくれている」という印象を与えられます。 

特に、近年は求職者が求人票で「福利厚生」を重視する傾向が強まっています。給与水準が同程度なら、福利厚生が整っている会社を選ぶのは自然な流れです。 

 

例えば―― 

- 「派遣会社でも企業型DCを利用できる」ことを求人票に記載すれば、応募者の目を引きやすい。 

- 導入企業としてPRすることで、採用面でのブランド力がアップする。 

- 派遣スタッフの「長期的な関わり」を促すことができる。 

 

一見、年金制度はスタッフ個人の話に見えますが、導入することで **会社の魅力を高める経営戦略** に変わります。 

 

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### 5. iDeCo加入年齢拡大が意味するもの

 

今回の改正で特に注目されるのが、iDeCoの加入可能年齢が70歳未満まで拡大されたことです。 

 

派遣業界では、定年後も働き続ける60代後半のスタッフが増えています。彼らにとって「まだ資産形成できる仕組みがある」というのは大きなメリットです。 

 

派遣会社としては、 

- シニア層を積極的に活用する戦略を取りやすくなる。 

- 長期的な勤務を希望する高齢スタッフに魅力的な環境を用意できる。 

- 「年齢に関係なく安心して働ける会社」という評価につながる。 

 

つまり、今回の改正は「若い人材」だけでなく「シニア人材確保」にもプラスに働きます。 

 

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### 6. マッチング拠出の制限撤廃と派遣会社の活用法

 

従来は、従業員の掛金が会社の掛金を超えることができませんでした。 

しかし、今回の改正でこの制限が撤廃されました。 

 

これにより―― 

- 会社は最低限の負担で制度を導入できる。 

- スタッフは自分の意志で積極的に掛金を拠出できる。 

- 双方にとって柔軟で負担の少ない制度設計が可能。 

 

派遣会社はコストを抑えつつ、スタッフには「福利厚生が整っている」というアピールができるため、非常に実務的なメリットがあります。 

 

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### 7. 定着率向上につながる仕組みづくり

 

福利厚生の充実は、そのままスタッフの定着率につながります。 

特に派遣業界は「数カ月で辞めてしまう」という課題を抱えやすい業種です。 

 

そこで企業型DCやiDeCoを活用すれば、 

- 「長期的に働くとメリットが大きい」と感じてもらえる。 

- 会社に愛着を持ちやすくなる。 

- 無形の安心感が離職防止に直結する。 

 

結果として、採用コスト削減や人材の安定供給にも貢献します。 

 

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### 8. 人材確保競争での差別化

 

人材不足が深刻化する中、派遣会社同士の競争は激化しています。 

その中で「福利厚生の手厚さ」は、応募者が会社を選ぶ大きな判断材料です。 

 

確定拠出年金制度を導入している派遣会社は、 

- 「スタッフを大切にしている会社」というイメージを獲得。 

- 求人広告や説明会でアピールできるポイントが増える。 

- 中長期的には「応募が集まりやすい会社」へと変わる。 

 

福利厚生は単なる「コスト」ではなく、**採用マーケティングの武器** になるのです。 

 

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### 9. 社会保険労務士からの実務アドバイス

 

実際に制度を導入する際には、いくつかの注意点があります。 

例えば、 

- 拠出限度額の設定は適切か? 

- 派遣スタッフの雇用形態に合った制度設計になっているか? 

- 税制上の取り扱いを正しく理解しているか? 

 

これらを誤ると、せっかくの制度が逆に負担になってしまうこともあります。 

導入の可否や制度設計については、必ず専門家に相談しながら進めることをおすすめします。 

 

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### 10. まとめ:制度改正を人材戦略に活かす時代へ

 

今回の確定拠出年金制度の改正は、「老後の安心」を提供するだけではなく、派遣会社にとって **人材戦略の追い風** となります。 

 

- 採用力アップ 

- 定着率の向上 

- シニア層の活用 

- 他社との差別化 

 

これらを同時に実現できる可能性を秘めています。 

 

「うちの会社にも導入できるのか?」 

まずはここからスタートすれば十分です。 

 

派遣業界は今、人材確保の大きな転換期を迎えています。 

制度改正を単なるニュースとして終わらせず、経営に活かす一歩を踏み出すことが、これからの成長につながるでしょう。 

 

お困りの際は、当ホームページのお問合せ・相談フォームから、お気軽にお声がけください。

初回のご相談は無料です。

 

※リンク)厚生労働省「令和7年度税制改正に関する参考資料」

https://www.mhlw.go.jp/content/10600000/001365075.pdf

派遣会社が対応必須!10月施行「育児・介護休業法改正」のポイントと実務対応   2025.09.19

2024年10月1日から、改正育児・介護休業法の新しいルールが施行されました。 

今回の改正で特に重要なのは、**「育児期における柔軟な働き方制度の義務化」**と**「個別の意向聴取・配慮の義務化」**です。 

 

この制度はすべての企業が対象となっており、当然ながら派遣会社や派遣スタッフも例外ではありません。 

むしろ、派遣という働き方の特性上、派遣会社には特別な配慮と準備が求められる場面が多くなります。 

 

本記事では、改正の背景から新たな義務の具体的内容、そして派遣会社が直面する課題と実務対応までを詳しく解説していきます。 

 

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## 1. 改正の背景:なぜ育児・介護休業法が見直されたのか 

 

少子化が深刻化する一方で、共働き世帯の割合は増加の一途をたどっています。 

厚生労働省の調査によれば、共働き世帯は専業主婦世帯の2倍以上。特に子育て世代では「働きながら子育てする」ことが当たり前になっています。 

 

しかし現実には、育児と仕事の両立は依然として難しく、多くの労働者が離職やキャリア中断を余儀なくされています。 

企業にとっても優秀な人材の流出は大きな損失です。 

 

こうした背景から、「仕事と育児を両立しやすい環境をつくる」ことが社会的に急務となり、今回の法改正につながりました。 

 

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## 2. 10月から義務化される「柔軟な働き方措置」とは 

 

今回の改正では、**3歳から小学校就学前までの子を育てる労働者**に対して、以下5つの制度のうち「2つ以上」を整備することが企業に義務付けられました。 

 

1. **始業・終業時刻の変更(時差出勤など)** 

   所定労働時間を変えずに、始業や終業を前後にずらす制度。フレックスタイム制も含まれます。 

 

2. **テレワーク(月10日以上)** 

   在宅勤務やリモートワークを、1日の労働時間を維持したまま月10日以上利用できる制度。 

 

3. **保育施設やベビーシッターの提供** 

   自社で保育施設を設置するか、外部のベビーシッター費用を負担するなど、子育て支援の便宜を供与。 

 

4. **養育両立支援休暇(年10日以上)** 

   年に10日以上取得できる特別休暇。病気や行事対応など柔軟に活用できます。 

 

5. **短時間勤務制度** 

   所定労働時間を1日6時間とする制度など、勤務時間を短縮する仕組み。 

 

この中から事業主は2つ以上を整備し、労働者は1つを選んで利用できます。 

つまり、企業は「選択肢を用意すること」が必須であり、労働者は「遠慮せずに権利として利用できる」時代に変わったのです。 

 

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## 3. 3歳未満の子を持つ労働者への「個別周知・意向確認」義務 

 

さらに重要なのが、**3歳未満の子を育てる労働者**への対応です。 

 

企業は、育児制度や時間外労働の制限などについて「個別に周知」し、労働者本人の「利用意向を確認」することが義務付けられました。 

 

ポイントは次の通りです。 

- 周知方法は面談・書面・FAX・メールでも可能。 

- 「利用を控えた方がいい」といった誘導は違法行為。 

- 育児休業からの復帰時や制度利用中に面談を行うことが望ましい。 

 

つまり、企業が「聞かれるまで待つ」のではなく、積極的に制度を提示し、利用をサポートする姿勢が求められるのです。 

 

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## 4. 派遣会社特有の課題:派遣元と派遣先の役割分担 

 

派遣スタッフの場合、労働契約を結ぶのは派遣元ですが、実際に勤務するのは派遣先です。 

この二重構造により、次のような課題が生じます。 

 

- 制度整備は派遣元で行うべきか、派遣先と連携すべきか。 

- スタッフへの意向確認は誰が行い、どのタイミングで記録するのか。 

- 派遣先に制度がない場合、どう補うのか。 

 

派遣元が制度を持たないままでは法令違反になる可能性が高く、また派遣先とのトラブルにもつながります。 

したがって、**派遣元が主体的に制度を整え、派遣先と調整を図る**ことが重要です。 

 

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## 5. スタッフへの説明と相談体制の整備 

 

法改正を形だけで済ませてしまうと、スタッフは制度を使いにくく、結局は離職につながります。 

派遣会社としては次のような取り組みが求められます。 

 

- **制度案内の分かりやすい資料作成** 

- **相談窓口の明確化**(メール・電話・オンライン面談など) 

- **スタッフが申出しやすい雰囲気づくり** 

 

特に派遣スタッフは、派遣先に気を使って「制度を申請しづらい」状況になりがちです。 

派遣元が積極的にサポートしなければ、せっかくの制度が絵に描いた餅になってしまいます。 

 

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## 6. 厚労省が推奨する「定期的な意向聴取」の活用 

 

厚生労働省は「制度利用中や復職時などに定期的な面談を行うことが望ましい」としています。 

 

これは単なる義務以上に、派遣会社にとっては大きなメリットがあります。 

- スタッフの状況を把握できる 

- 離職リスクを早期に察知できる 

- 信頼関係を築ける 

 

つまり「制度対応」以上に、「人材定着の仕組み」として活用できるのです。 

 

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## 7. 人材定着・採用へのプラス効果 

 

育児支援制度をしっかり運用している派遣会社は、求職者にとって魅力的に映ります。 

 

- 「安心して長く働ける会社」というブランド価値 

- 育児世代を含む幅広い人材の採用力向上 

- 他社との差別化 

 

制度対応はコストではなく、**人材確保の投資**と考えることが重要です。 

 

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## 8. 対応を後回しにするリスク 

 

一方で、対応を怠ると次のようなリスクが発生します。 

 

- 行政からの指導や勧告 

- スタッフや派遣先からの苦情・トラブル 

- 優秀な人材の離職 

 

特に派遣業界では「安心して働ける環境があるかどうか」が定着率に直結します。 

法対応を軽視することは、事業そのものの信頼を揺るがしかねません。 

 

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## 9. 実務対応のステップ 

 

派遣会社としては、次のステップで対応を進めることが現実的です。 

 

1. 社内規程・就業規則の改定 

2. 育児支援制度の整備(2つ以上選択) 

3. スタッフへの周知方法の設計 

4. 意向聴取フローの構築(記録・保存含む) 

5. 派遣先企業への情報共有と協力体制の構築 

6. 定期的なモニタリング・改善 

 

この一連の流れを「プロジェクト」として管理することで、対応漏れを防げます。 

 

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## 10. まとめ:義務をチャンスに変える経営判断を 

 

今回の法改正は、派遣会社にとって「新しい義務」ではありますが、同時に「信頼を得るチャンス」でもあります。 

 

制度を整え、スタッフに安心して働いてもらえる環境を提供すること。 

それは単なる法令順守を超えて、**人材定着と採用力の向上につながる経営戦略**です。 

 

「どの制度を選ぶべきか分からない」「派遣先との調整が難しい」など、現場ではさまざまな課題が出てくるでしょう。 

そうした時は、専門家である社会保険労務士にご相談いただければ、派遣業界の特性に合わせた実務的な対応をサポートできます。 

 

義務を負担と捉えるのではなく、チャンスと捉える。 

この発想の転換こそが、これからの派遣会社経営における最大のポイントになるはずです。 

 

当ホームページのお問合せ・相談フォームから、お気軽にお声がけください。

初回のご相談は無料です。

 

※記事リンク)

https://news.yahoo.co.jp/articles/77b2167d90468ddf080274170d24747608a7db5a

 

※参照リンク)厚生労働省「育児・介護休業法について」

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000130583.html

 

貿易実務者の労働時間削減に関するご提案   2024.03.26

経営者の皆さま

 

労働時間の上限規制(原則として月45時間・年360時間)が

来月4月1日より全ての業界において適用となりますが、

既にご対応されていますか?

 

参照)「時間外労働の上限規制について」厚生労働省

https://hatarakikatakaikaku.mhlw.go.jp/overtime.html

 

貴社の貿易実務者、SCM部、ITシステム部の方は下記のようなお悩みをお持ちではないでしょうか?

 

・海外との時差があり、時間外労働が多い(月45時間超)

・業務の属人化解消

・貿易DXを何から始めればよいか

・他社DXの事例(取り組まれている内容含む)を知りたい

・残業時間を減らして、人件費を削減したい

 

この度は、これらを解消するためのに有効な手段がありますので、ご案内しました。

 

私どものパートナー企業のサービスですが、この手段を用いますと、

情報の一元管理により無駄が省けますし、トラブル発生時も素早くリカバリーできる

というメリットがあります。

 

また、このツールを導入する際にIT導入補助金をご検討いただけます。

 

もしご興味のある方は、ホームページのお問合せ、もしくは

下記までご連絡いただけますと幸いです。

担当:泉 佳男

E-MAILy-izumi4864@mmjinji.jp

携帯電話)090-9009-6136

 

#残業規制 #時間外労働 #海外貿易 #働き方改革 #DX

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派遣会社向け社労士業務

サービス内容・料金について(4万円~)

  1. 1) 派遣に関する役所への書類作成・提出代行
  2. 2) 派遣許可の初回申請・更新申請
  3. 3) 派遣事業報告書の書類作成・提出代行
  4. 4) 派遣契約関連書類の作成
  5. 5) 派遣労働者の雇用契約に関連する書類作成
  6. 6) 労働局調査対応(資料準備、当日の同席)
  7. 7) 同一労働同一賃金対応の助言・書類作成
  8. 8) 教育訓練計画に関する助言・報告書書式提供
  9. 9) 「マージン率等の情報提供」の用紙作成
  10. 10) 派遣法・労基法等諸法令に関する相談、助言

こちらの「事務所案内」をご参照ください

セミナー、研修、講演開催

料金について

セミナー、研修、講演 【オンライン】
1時間あたり3万円
【オフライン】
1時間あたり5万円

講演内容、業種、出席者数に関わらず、すべて定額の時間単価とさせて頂きます。業界きっての画期的な明朗会計です。 

「予め料金が分かっているので、安心して申し込めます」

 「料金交渉が不要で助かります」

 「時間単価は一定なので、研修時間数を調整すればいいから、予算との折り合いも簡単にできます」

 などなど、多くのお客様に喜ばれております。

セミナーについて

当事務所セミナー会場(27Fスカイラウンジ)で、当事務所が独自にテーマを設定し、お申し込み頂いた、複数の会社様にご参加頂くものです。

セミナー開催実績例
  • 介護事業者様向け「改正介護保険法セミナー」
  • 介護事業者様向け「介護労働環境向上奨励金セミナー」 3回
  • 新規採用をお考えの事業者様向け
    「元ハローワーク職員が教える!求人助成金セミナー」
  • 飲食店様向け「元ハローワーク職員が教える!求人助成金セミナー」

講演について

当事務所代表が会社様や、ご同業者の集まりに訪問し、ご依頼されたテーマ(一般的な課題)について原稿を作成し、講演するものです。

講演実績

日本経営開発協会様 御紹介
市川港開発協議会様 主催 研修

「マイナンバー通知開始!
今知りたいマイナンバー制度の傾向と対策」

【参加者様からのお声】

  • 非常に分かりやすく、90分飽きさせることのない素晴らしいものだった。
  • 非常に役に立ち、興味が持てる内容だった。
  • 普段は講義に集中するのは難儀なのだが、話のスピード、声のトーン、間、どれを取っても感心するばかりだった。
  • マイナンバーが今後いろいろな問題を引き起こす可能性があることがよくわかり、大変勉強になった。早期に確実な運用体制を社内に確立させなければと思った。

一般社団法人 港湾労働安定協会 様 主催
雇用管理者研修「職場のメンタルヘルスに関して(会社を守る職場のメンタルヘルス対策)」

【参加者様からのお声】

  • メンタルヘルス対策は今後も重要になってくると思うので、このような研修会を増やして貰いたい。
  • 社会保険労務士による内容を次回もお願いしたい。
  • メンタルヘルス関係で初めて面白い(役に立つ)情報が聞けたと思います。
  • 大変に良い研修ですので、これからも続けて貰えるとありがたいです。
  • 中間管理職として守るべきというか、部下に対してどのような人事労務管理をすればよいのか、中小企業向けに別途講習会をやってほしいと思った。
  • 株式会社LEC 様 主催
    「介護雇用管理研修」業務委託登録講師
  • 株式会社フィールドプランニング 様 主催
    「派遣元・派遣先・職業紹介責任者講習」業務委託主任講師
  • 神奈川韓国商工会議所様 主催
    経営者セミナー「お役立ち助成金講座
    (雇用の確保と5年ルールへの対応策)」
  • 日本経営開発協会様 御紹介
    株式会社根布工業様 主催
    安全大会「入ってないと、どうなっちゃうの?社会保険のこわ~いお話」
泉文美 講師紹介ページ

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研修について

当事務所代表が、会社様のご依頼に基づき、会社様の具体的な人事労務に関わる内容(個別事案)について、オーダーメイドのプログラムを作成し、社員の皆様に研修するものです。

研修のご依頼例

  • 就業規則を変更したので、わかりやすい説明会を開いてほしい
  • 給与規定を見直したので、従業員に説明をしてほしい
  • 従業員向けの、接客マナー、敬語などのレッスン会をしてほしい

執筆のご依頼

雑誌・メルマガ、HPコラムなど、ご希望に沿ったテーマで記事を執筆いたします。

掲載履歴

HP記事執筆

ハッケン!リクナビ派遣に「働き改革!派遣社員が選べるふたつの雇用とは」と題する記事を執筆しました。

「働き方改革!派遣社員が選べるふたつの雇用とは」

「近代中小企業」2月号

「近代中小企業」2月号

「近代中小企業」2月号に記事を執筆しました。

「元ハローワーク職員が教える!ハローワーク求人&助成金活用法」

「SR」 9月号

SR 9月号

ハローワークを始め、社会保険事務所(現:年金事務所)、労働基準監督署でも勤務経験を持ち、「お役所の裏事情に詳しい社労士」として定評のある我がみなとみらい人事コンサルティング代表。

ハローワークでの勤務経験を買われ、日本法令様出版の「SR 9月号」に記事を執筆しました。

(第27号 2012年8月6日発売)

元職員が指南する!ハローワークの効果的な利用の仕方

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