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派遣業界の激震の2026年   2026.03.01

【2026年派遣業界の激震】12年ぶりの倒産ラッシュ82件が示す業界再編の波と生き残り戦略

 

派遣業界に衝撃が走っています。2025年11月までの派遣業界の倒産件数は82件に達し、年間では過去最多水準に迫る勢いです。これは実に12年ぶりの倒産ラッシュであり、派遣業界が大きな転換期を迎えていることを示しています。

 

「なぜこれほど多くの派遣会社が倒産しているのか」「自社は大丈夫なのか」「今後どうすれば生き残れるのか」──こうした不安を抱える派遣会社の経営者は少なくないでしょう。

 

派遣業界に特化し70社以上を支援してきた社労士として、また厚生労働省指定の派遣元責任者講習の主任講師として13年間で延べ10,000人以上を指導してきた経験から言えるのは、「今起きているのは単なる不況による倒産ではなく、業界全体の構造変化に対応できない企業の淘汰である」ということです。

 

この記事では、2026年の派遣業界を襲う激震の本質を分析し、派遣会社が生き残るために今すぐ取るべき具体的な戦略を、実務に即した形で徹底解説します。

 

 

なぜ今、12年ぶりの倒産ラッシュが起きているのか

 

 派遣会社倒産の3つの直接的要因

 

2025年に82件もの派遣会社が倒産した背景には、3つの直接的な要因があります。

 

**要因1: 人材確保難による売上減少**

派遣会社にとって最大の商品は「人材」です。その人材を確保できなければ、どれだけ派遣先企業からの引き合いがあっても、売上を立てることができません。帝国データバンクの調査では、人材派遣業界の人手不足率は60.0%と全業種トップ。派遣スタッフを確保できない派遣会社は、売上減少→資金繰り悪化→倒産というスパイラルに陥っているのです。

 

**要因2: 派遣料金と人件費の逆ザヤ問題**

派遣スタッフの時給は上昇を続けており、2026年1月時点で平均1,714円と過去最高を記録しています。一方で、派遣先企業との料金交渉は難航し、派遣料金の値上げが追いついていません。この結果、マージン率が圧迫され、利益を確保できない派遣会社が増えているのです。

 

**要因3: コンプライアンス対応コストの増加**

同一労働同一賃金への対応、労使協定方式の運用、マイナンバー対応、各種ハラスメント対策など、法令遵守のための事務負担とコストは年々増加しています。特に中小派遣会社では、これらの対応に必要な人材や資金を確保できず、経営を圧迫する要因となっています。

 

 

 倒産する派遣会社の共通点

 

私がこれまで見てきた中で、倒産する派遣会社には明確な共通点があります。

 

**共通点1: 差別化戦略の欠如**

「何でもできます」という総合型のビジネスモデルで、特定の強みを持たない派遣会社は、価格競争に巻き込まれ、利益を確保できなくなっています。

 

**共通点2: 法令遵守の軽視**

「そこまで厳密にやらなくても大丈夫だろう」という姿勢で法令遵守を軽視した結果、行政指導を受けたり、派遣先企業からの信頼を失ったりして、事業継続が困難になるケースがあります。

 

**共通点3: 経営指標の把握不足**

マージン率、派遣スタッフ定着率、派遣先企業あたり売上高など、重要な経営指標を把握せず、場当たり的な経営を続けた結果、気づいたときには資金繰りが悪化していた、というケースが少なくありません。

 

 

2026年派遣業界の構造変化: 淘汰と再編の時代

 

今起きているのは、単なる不況による倒産ではありません。派遣業界全体が大きな構造変化の中にあり、その変化に対応できない企業が淘汰されているのです。

 

 変化1: 「量」から「質」へのシフト

 

かつての派遣業界は、「いかに多くの派遣スタッフを確保し、いかに多くの派遣先企業に供給するか」という量的拡大が成長の鍵でした。しかし今は、「いかに質の高い人材を、適正な条件で、信頼できる派遣先企業に供給するか」という質的向上が求められています。

 

この変化に対応できず、依然として量を追い求める派遣会社は、人材確保難と低マージン率に苦しみ、倒産のリスクが高まっています。

 

 変化2: 派遣先企業の選別眼の厳しさ

 

派遣先企業もまた、派遣会社を厳しく選別するようになっています。単に人材を供給するだけでなく、法令遵守の徹底、迅速な対応、質の高いフォロー体制などを総合的に評価し、信頼できる派遣会社との長期的な関係を構築する方向にシフトしています。

 

選ばれない派遣会社は、取引先を失い、売上減少に直面しているのです。

 

 変化3: 法令遵守が生き残りの必須条件に

 

かつては「グレーゾーン」として見逃されていた事項も、今は厳格に取り締まられるようになっています。労使協定の不備、社会保険の未加入、派遣先への説明義務の不履行など、法令違反が発覚すれば、行政処分を受けるだけでなく、派遣先企業からの信頼も失います。

 

法令遵守は、もはやオプションではなく、生き残るための必須条件なのです。

 

 

激震の時代を生き抜くための5つの戦略

 

では、この激震の時代に、派遣会社はどのように生き残り、成長していけばよいのでしょうか。私がこれまで支援してきた派遣会社の成功事例から、5つの重要な戦略をご紹介します。

 

 戦略1: ニッチ市場での圧倒的No.1を目指す

 

「何でもできる総合型」から脱却し、特定の業界や職種に特化して、その分野では圧倒的No.1を目指す戦略です。

 

**具体例**

- 製造業の特定工程(溶接、プレス加工など)に特化

- 医療・介護分野に特化

- IT・エンジニア職種に特化

- 特定地域に特化した地域密着型

 

ある派遣会社は、フォークリフトオペレーターに特化し、資格取得支援から技能向上研修まで一貫して提供することで、「フォークリフトならこの会社」という確固たるポジションを確立しました。この結果、派遣料金も適正水準を維持でき、高い利益率を実現しています。

 

 

 戦略2: 法令遵守を「強み」に変える

 

多くの派遣会社が法令遵守を「面倒なコスト」と捉えている中で、これを「強み」に変える発想が重要です。

 

**具体的なアプローチ**

- 労使協定、派遣契約書など、法定書類の完璧な整備

- 定期的な社内研修による法令知識のアップデート

- 派遣先企業向けのコンプライアンスレポートの提供

- 行政監査の受け入れ実績の開示

 

「当社は法令遵守を徹底しているので、安心してお任せください」というメッセージを明確に発信することで、派遣先企業からの信頼を獲得し、他社との差別化を図ることができます。

 

東京大学卒という論理的思考力と、年金事務所・労基署・ハローワークでの勤務経験を持つ私だからこそ言えるのは、「行政の視点を理解した対応」こそが、長期的な企業価値を高めるということです。

 

 

 戦略3: 派遣スタッフを「パートナー」として大切にする

 

派遣スタッフを単なる「商品」ではなく、「ともに成長するパートナー」として大切にする姿勢が、人材確保と定着率向上の鍵となります。

 

**具体的な施策**

- キャリアカウンセリングの実施

- スキルアップ研修、資格取得支援

- 定期的な面談によるフォロー

- 適正な昇給制度の整備

- 福利厚生の充実

 

派遣スタッフが「この派遣会社で働けて良かった」と感じれば、口コミで評判が広がり、新たな人材が集まります。また、定着率が向上すれば、採用コストも削減できます。

 

 

 戦略4: デジタル化による業務効率化

 

事務負担を軽減し、より付加価値の高い業務に時間を使うために、業務のデジタル化は不可欠です。

 

**デジタル化のポイント**

- 勤怠管理システムの導入

- 給与計算の自動化

- 派遣スタッフとのコミュニケーションアプリの活用

- 派遣先企業向けのWebポータルの構築

 

業務効率化により、コスト削減と同時に、派遣スタッフや派遣先企業へのサービス品質向上を実現できます。

 

 

 戦略5: 派遣先企業との戦略的パートナーシップ

 

単なる「人材供給業者」ではなく、派遣先企業の人材活用における「戦略的パートナー」としてのポジションを確立することが重要です。

 

**具体的なアプローチ**

- 派遣先企業の業務課題のヒアリングと解決提案

- 人材活用の最適化提案

- 定期的な情報交換会の開催

- 業界動向や法改正情報の提供

 

派遣先企業から「この派遣会社は単なる人材供給だけでなく、人材活用全般について相談できるパートナー」と認識されれば、長期的な信頼関係が構築され、安定した取引が継続します。

 

 

今すぐチェックすべき経営の健全性指標

 

自社の経営が健全かどうかを判断するために、以下の指標を定期的にチェックしてください。

 

**指標1: マージン率**

業界平均と比較して、自社のマージン率が適正な水準にあるかを確認します。低すぎる場合は、派遣料金の見直しが必要です。

 

**指標2: 派遣スタッフの定着率**

6カ月定着率、1年定着率を測定し、業界平均と比較します。低い場合は、フォロー体制の見直しが必要です。

 

**指標3: 派遣先企業の継続率**

既存の派遣先企業との取引が継続しているかを測定します。低い場合は、サービス品質の見直しが必要です。

 

**指標4: 法令遵守状況**

労使協定、派遣契約書、就業条件明示書など、法定書類が適正に整備されているかをチェックします。

 

 

まとめ: 激震は業界再編のチャンス、今こそ経営の質を高める時

 

2026年の派遣業界を襲う激震は、確かに厳しい現実です。しかし、これは同時に「経営の質が問われる時代」に入ったということでもあり、淘汰と再編を経て、真に強い派遣会社だけが生き残る時代の幕開けです。

 

表面的な対応ではなく、本質的な経営改善に取り組んだ企業こそが、この困難な時期を乗り越え、さらなる成長を遂げることができるのです。

 

私は派遣業界に特化した社労士として、厚生労働省指定の派遣元責任者講習の主任講師として13年間で延べ10,000人以上を指導し、600回以上の講習に登壇してきました。その経験から確信を持って言えるのは、「正しい知識と正しい実践」があれば、中小派遣会社でも必ず道は開けるということです。

 

顧問先の90%超が派遣会社という専門性の高さを活かし、現場で本当に使える実務支援を提供し続けています。「自社の経営状況を客観的に評価してほしい」「具体的な改善策を知りたい」「法令遵守体制を構築したい」といったご相談がございましたら、お気軽にお声がけください。

 

派遣業界の未来は、決して暗くありません。今、正しい選択をすることで、あなたの会社は必ず生き残り、成長できます。激震の時代を、ともに乗り越えていきましょう。

 

【参考】

元記事URL: https://gritman.jp/archives/959

人手不足に対する企業の動向調査(2026年1月)- 帝国データバンク   2026.03.01

【2026年最新調査】人材派遣業界が人手不足率60%でトップ!派遣会社が今すぐ取るべき人材確保戦略

 

「派遣スタッフが集まらない」──これは今、多くの派遣会社が直面している最大の経営課題ではないでしょうか。帝国データバンクが2026年1月に発表した「人手不足に対する企業の動向調査」では、衝撃的なデータが明らかになりました。

 

非正社員の不足を感じている企業の割合を業種別に見ると、「人材派遣・紹介」業界が60.0%でトップとなったのです。つまり、派遣スタッフを派遣先企業に供給する側である派遣会社自身が、最も深刻な人手不足に陥っているという皮肉な状況です。

 

派遣業界に特化し70社以上を支援してきた社労士として、また厚生労働省指定の派遣元責任者講習の主任講師として13年間で延べ10,000人以上を指導してきた経験から言えるのは、「今、適切な人材確保戦略を実行できるかどうかが、派遣会社の生き残りを左右する」ということです。

 

この記事では、帝国データバンクの調査データを詳しく分析し、派遣会社が今すぐ取るべき具体的な人材確保戦略を、実務に即した形で徹底解説します。

 

 

派遣業界の人手不足率60%が示す深刻な現実

 

 なぜ派遣会社自身が人手不足に陥っているのか

 

派遣会社は本来、人手不足に悩む企業に対して人材を供給する存在です。それなのに、なぜ派遣会社自身が最も深刻な人手不足に陥っているのでしょうか。その背景には、3つの構造的な要因があります。

 

**要因1: 正社員雇用の拡大による人材の流出**

景気回復と慢性的な人手不足を背景に、多くの企業が正社員採用を積極化しています。派遣スタッフとして働いていた優秀な人材が、正社員のオファーを受けて離脱するケースが増えているのです。

 

**要因2: 派遣という働き方に対する労働者の選別眼の厳しさ**

「派遣なら何でもいい」という時代は終わりました。労働者は、待遇、職場環境、キャリアパス、派遣会社のサポート体制など、様々な要素を総合的に判断して派遣会社を選ぶようになっています。選ばれない派遣会社には、人材が集まらないのです。

 

**要因3: 少子高齢化による労働人口の絶対的減少**

これは派遣業界だけの問題ではありませんが、労働人口が減少する中で、あらゆる業界が人材獲得競争を繰り広げています。派遣業界も例外ではなく、むしろ「正社員ではない」という点で不利な状況にあります。

 

 

帝国データバンク調査から読み解く業界別の人手不足状況

 

帝国データバンクの調査では、「人材派遣・紹介」以外の業界の人手不足状況も明らかにされています。この比較から、派遣業界の特殊性が浮き彫りになります。

 

**非正社員不足率トップ5**

1. 人材派遣・紹介: 60.0%

2. 飲食店: 55.3%

3. 飲食料品小売: 53.8%

4. 娯楽サービス: 52.1%

5. 旅館・ホテル: 51.4%

 

注目すべきは、派遣業界が2位以下を大きく引き離してトップであるという点です。他の業界も深刻な人手不足に悩んでいますが、派遣業界の状況はそれをさらに上回る厳しさなのです。

 

 

派遣会社が今すぐ取るべき5つの人材確保戦略

 

人手不足率60%という厳しい現実の中で、派遣会社はどのような戦略で人材を確保すればよいのでしょうか。私がこれまで支援してきた派遣会社の成功事例から、効果的な5つの戦略をご紹介します。

 

 戦略1: 「選ばれる派遣会社」になるための差別化

 

人材不足の時代、派遣会社が「人材を選ぶ」のではなく、「人材から選ばれる」立場になっています。他社との差別化を明確にし、「この派遣会社で働きたい」と思ってもらえる魅力を作ることが不可欠です。

 

**差別化のポイント**

- 時給の適正化(市場平均以上の提示)

- 充実した福利厚生(健康診断、研修制度、表彰制度など)

- キャリアパスの明示(長期的に働ける道筋を示す)

- 手厚いフォロー体制(定期面談、相談窓口の充実)

- 派遣先企業の質(優良企業との取引実績)

 

ある派遣会社では、派遣スタッフ全員に対してキャリアカウンセリングを実施し、「3年後、5年後にどうなりたいか」を一緒に考える体制を構築しました。この結果、「キャリアを考えてくれる派遣会社」として口コミで評判が広がり、応募者数が前年比50%増加しました。

 

 

 戦略2: デジタルマーケティングの活用

 

人材確保の手法も、時代とともに変化しています。従来の求人広告だけでなく、SNS、自社サイト、口コミサイトなど、デジタルチャネルを活用した採用活動が効果を発揮します。

 

**具体的な施策**

- 自社サイトの充実(働くスタッフの声、福利厚生の詳細など)

- SNS(Instagram、X、Facebookなど)での情報発信

- Googleビジネスプロフィールの最適化

- 派遣スタッフによる紹介キャンペーン

- 口コミサイトでの高評価獲得

 

特に若い世代は、求人情報を探す際にスマートフォンを使い、SNSや口コミサイトで情報収集をします。デジタル上での存在感を高めることが、人材確保の重要な鍵となります。

 

 

 戦略3: 既存派遣スタッフの定着率向上

 

新規採用だけでなく、既に働いている派遣スタッフの定着率を向上させることも、人手不足対策として極めて重要です。定着率が上がれば、採用コストの削減、派遣先企業との信頼関係強化、そして何より派遣スタッフの満足度向上という好循環が生まれます。

 

**定着率向上の施策**

- 定期的な面談による悩みの早期発見

- 派遣先企業との連携による就業環境の改善

- スキルアップ研修の実施

- 昇給制度の明確化

- 派遣スタッフ同士の交流会の開催

 

離職の多くは、「派遣会社が自分のことを見てくれていない」という孤独感から生じます。定期的なコミュニケーションを取り、「あなたのことをちゃんと見ています」というメッセージを伝え続けることが、定着率向上の基本です。

 

 

 戦略4: 多様な人材の活用

 

従来のターゲット層だけでなく、多様な人材に目を向けることで、人材確保の幅が広がります。

 

**活用すべき多様な人材**

- シニア層(60代以上でも働ける環境の整備)

- 外国人材(適正な在留資格の確認と日本語サポート)

- 主婦層(短時間勤務、扶養内勤務の柔軟な対応)

- 障がい者(適切な配慮と受け入れ体制の整備)

- 副業・兼業希望者(柔軟な勤務時間の設定)

 

ある派遣会社では、60代のシニア層に特化した派遣サービスを開始し、「経験豊富で責任感が強い」として派遣先企業から高い評価を得ています。従来とは異なる層にアプローチすることで、新たな人材源を開拓できるのです。

 

 

 戦略5: 派遣先企業との協力関係の強化

 

人材確保は、派遣会社だけの努力では限界があります。派遣先企業と協力し、「この職場で働きたい」と思ってもらえる就業環境を整えることが重要です。

 

**派遣先企業との協力ポイント**

- 就業環境の改善提案(休憩室の整備、受け入れ体制の構築など)

- 派遣スタッフへの適切なフィードバックの実施

- 正社員登用制度の整備

- ハラスメント防止体制の徹底

 

派遣先企業にとっても、派遣スタッフが定着すれば育成コストが削減でき、生産性が向上します。Win-Winの関係を構築することが、長期的な人材確保につながります。

 

 

人手不足時代の派遣会社経営で絶対に外してはいけないポイント

 

人手不足が深刻化する中で、派遣会社の経営において絶対に外してはいけないポイントがあります。

 

**ポイント1: 法令遵守の徹底**

人手不足だからといって、法令を軽視した採用や就業をさせてはいけません。労使協定、同一労働同一賃金、社会保険加入など、基本的な法令遵守は派遣会社の生命線です。

 

**ポイント2: 派遣スタッフファーストの姿勢**

派遣会社のお客様は、派遣先企業だけではありません。派遣スタッフもまた、重要なお客様です。派遣スタッフを大切にする姿勢が、結果的に人材確保につながります。

 

**ポイント3: 長期的視点での経営**

目先の利益を追求して派遣スタッフを使い捨てにするような経営では、長期的な成長は望めません。派遣スタッフのキャリア形成を支援し、ともに成長する姿勢が重要です。

 

 

まとめ: 人手不足は危機であり、同時にチャンスでもある

 

人材派遣業界の人手不足率が60%でトップという事実は、確かに厳しい現実です。しかし、これを「危機」と捉えるか「チャンス」と捉えるかで、今後の経営は大きく変わります。

 

人手不足の時代だからこそ、「選ばれる派遣会社」になるための努力が報われます。派遣スタッフを大切にし、適正な待遇を提供し、キャリア形成を支援する派遣会社には、優秀な人材が集まり、派遣先企業からも信頼されるのです。

 

私は派遣業界に特化した社労士として、厚生労働省指定の派遣元責任者講習の主任講師として、そして東京大学卒という論理的思考力と年金事務所・労基署・ハローワークでの勤務経験による行政対応力を持つ専門家として、派遣会社の皆様の人材確保戦略を全力でサポートしています。

 

顧問先の90%超が派遣会社という専門性の高さを活かし、現場で本当に使える実務支援を提供し続けています。「人材が集まらなくて困っている」「定着率を向上させたい」「他社との差別化を図りたい」といったご相談がございましたら、どうぞお気軽にお声がけください。

 

人手不足時代の派遣会社経営は、確かに厳しい。しかし、正しい戦略と実行力があれば、必ず道は開けます。ともに、この困難を乗り越えていきましょう。

 

【参考】

元記事URL:

https://www.tdb.co.jp/report/economic/20260220-laborshortage202601/

2026年1月度 派遣社員の平均時給は1714円 前月から過去最高を維持   2026.03.01

【2026年最新データ】派遣社員の平均時給1714円が示す派遣業界の新潮流と経営戦略

 

派遣業界に携わる経営者の皆様、重要なデータが発表されました。エン・ジャパンの調査によると、2026年1月度の派遣社員の募集時平均時給は1,714円と、前月から過去最高水準を維持しています。しかも、これで40カ月連続で前年同月を上回る結果となっています。

 

「また時給が上がったのか」と頭を抱える経営者の方もいらっしゃるかもしれません。しかし、この数字が示しているのは、単なるコスト増加だけではありません。派遣業界全体の構造変化、そして派遣会社が取るべき新しい経営戦略のヒントが、このデータには隠されているのです。

 

派遣業界に特化し70社以上を支援してきた社労士として、また厚生労働省指定の派遣元責任者講習の主任講師として13年間業界を見続けてきた立場から、この数字の意味と、派遣会社が今後取るべき戦略を徹底解説します。

 

 

派遣時給1714円が示す3つの重要なシグナル

 

 シグナル1: 労働市場の構造的な人手不足

 

平均時給が40カ月連続で上昇しているという事実は、一時的な現象ではなく、構造的な人手不足を示しています。少子高齢化による労働人口の減少、正社員採用の拡大による派遣労働市場への人材流入の減少、そして派遣という働き方に対する労働者の選択眼の厳しさ──これらが複合的に作用した結果です。

 

この状況は、今後も継続すると見られます。つまり、「人材を確保するためには、適正な時給を提示しなければならない」という市場原理が、これまで以上に強く働くということです。

 

 シグナル2: 派遣先企業の人材確保への本気度

 

派遣時給の上昇は、派遣先企業側の人材確保への本気度の表れでもあります。「派遣スタッフでいいや」という軽い気持ちではなく、「必要な人材を確保するためには適正な費用を支払う」という認識が、派遣先企業の間で広がっているのです。

 

これは派遣会社にとって、派遣料金の適正化交渉を進めやすい環境が整いつつあることを意味します。

 

 シグナル3: 派遣労働の価値の再評価

 

平均時給の上昇は、派遣という働き方の価値が社会的に再評価されていることの証でもあります。「派遣=低賃金」というイメージは過去のものとなり、専門性や柔軟性を持った働き方として、正当な対価が支払われるようになってきているのです。

 

 

職種別・地域別の時給動向から見える経営のヒント

 

エン・ジャパンの調査では、職種別や地域別の詳細なデータも公開されています。このデータを読み解くことで、派遣会社が注力すべき分野が見えてきます。

 

 高時給職種への注目

 

特に高い時給を示している職種は、以下のような傾向があります。

- IT・エンジニア系

- 専門的な事務職(経理、人事、法務など)

- 医療・介護系の専門職

 

これらの職種では、専門性の高さが時給に反映されています。派遣会社としては、こうした高付加価値職種に特化することで、利益率の向上を図ることができます。

 

 地域格差の実態

 

三大都市圏(東京、大阪、名古屋)の平均時給には依然として差がありますが、その差は徐々に縮小傾向にあります。これは地方でも人手不足が深刻化していることを示しています。

 

地方で派遣事業を展開している会社にとっては、「地方だから時給を抑えられる」という発想はもはや通用しない時代になったと認識すべきです。

 

 

時給上昇時代の派遣会社経営戦略

 

平均時給が上昇し続ける中で、派遣会社はどのような経営戦略を取るべきでしょうか。私がこれまで支援してきた派遣会社の成功事例から、3つの重要な戦略をご紹介します。

 

 戦略1: 高付加価値職種へのシフト

 

時給が高くても、それに見合った派遣料金を派遣先企業から得られるのであれば、マージン率を維持することができます。そのためには、高付加価値職種、つまり専門性が高く派遣先企業が「この人材には適正な対価を払う価値がある」と認識する職種に注力することが重要です。

 

**具体的なアプローチ**

- 派遣スタッフのスキルアップ研修の充実

- 特定分野の資格取得支援

- 専門性の高い人材のヘッドハンティング

- 派遣先企業への提案型営業の強化

 

ある派遣会社では、経理専門の派遣スタッフに対して簿記1級取得支援を行い、「単なる入力業務」ではなく「財務分析までできる専門人材」として派遣先企業に提案することで、高い派遣料金を実現しています。

 

 

 戦略2: 派遣料金の適正化交渉の徹底

 

時給が上がっているのに派遣料金が据え置きでは、マージン率が圧迫され経営が成り立ちません。派遣先企業との料金交渉は、もはや避けて通れない経営課題です。

 

**交渉のポイント**

- 市場データ(今回のような平均時給データ)を活用した客観的な説明

- 日本人材派遣協会の要請文書を活用

- 段階的な料金改定の提案

- 提供価値の可視化

 

「派遣スタッフの時給は市場平均で○円です。当社としても適正な時給を支払わなければ人材確保ができません。つきましては、派遣料金についてもご理解をいただきたく……」という形で、客観的なデータに基づいて交渉することが重要です。

 

 

 戦略3: 派遣スタッフの定着率向上によるコスト削減

 

時給が上がっている中で、頻繁に人材を入れ替えていては、採用コストが膨大になります。派遣スタッフの定着率を向上させることで、採用コストを削減し、トータルでの収益性を改善することができます。

 

**定着率向上の施策**

- 定期的な面談によるフォロー体制の構築

- キャリアパスの明示と昇給制度の整備

- 福利厚生の充実

- 派遣先企業との連携による就業環境の改善

 

派遣スタッフが「この派遣会社で長く働きたい」と思える環境を作ることが、結果的に経営の安定化につながります。

 

 

時給データから読み解く2026年の派遣業界トレンド

 

今回発表された平均時給1,714円というデータは、2026年の派遣業界がどのような方向に向かっているかを示す重要な指標です。

 

**トレンド1: 「質」重視へのシフト**

単に人数を揃えるのではなく、質の高い人材を適正な対価で提供する──これが派遣業界の新しいスタンダードになりつつあります。

 

**トレンド2: 派遣先企業との対等なパートナーシップ**

「言われたから派遣する」という受け身の関係ではなく、「人材活用についてともに考えるパートナー」としての関係性が求められています。

 

**トレンド3: 法令遵守と適正な労働環境の重要性**

同一労働同一賃金、労使協定方式の適正運用など、法令遵守は今や派遣会社の生命線です。これができていない派遣会社は、淘汰される時代になっています。

 

 

派遣会社が今すぐチェックすべき3つの経営指標

 

平均時給が上昇している中で、自社の経営が健全かどうかを判断するために、以下の3つの指標を定期的にチェックしてください。

 

**指標1: マージン率の推移**

時給が上がっているのに派遣料金が据え置きの場合、マージン率は低下しているはずです。業界平均と比較して、自社のマージン率が適正な水準にあるかを確認してください。

 

**指標2: 派遣スタッフの定着率**

採用コストを抑えるためには、定着率の向上が不可欠です。6カ月定着率、1年定着率などを測定し、業界平均と比較してください。

 

**指標3: 派遣先企業あたりの売上高**

既存の派遣先企業との取引を深耕できているかを示す指標です。新規開拓だけでなく、既存顧客との関係強化も重要な経営戦略です。

 

 

まとめ: 時給上昇は脅威ではなく、業界成熟のシグナル

 

派遣社員の平均時給が1,714円と過去最高を維持し、40カ月連続で上昇している──この事実を、単なる「コスト増加」と捉えるのか、「業界の成熟と価値の再評価」と捉えるのかで、今後の経営は大きく変わります。

 

私は派遣業界に特化した社労士として、また厚生労働省指定の派遣元責任者講習の主任講師として、13年間で延べ10,000人以上を指導してきました。その経験から断言できるのは、「適正な時給を支払い、適正な派遣料金を得る」という健全な経営サイクルを回せる派遣会社こそが、今後も成長し続けるということです。

 

東京大学卒という論理的思考力、年金事務所・労基署・ハローワークでの勤務経験による行政対応力、そして何より70社以上の派遣会社を支援してきた実績──これらを活かし、現場で本当に使える実務支援を提供し続けています。

 

「時給上昇にどう対応すればいいかわからない」「派遣料金の交渉方法を知りたい」「自社の経営指標が適正かどうか判断してほしい」といったご相談がございましたら、どうぞお気軽にお声がけください。

 

派遣業界の未来は明るい。そう信じて、ともに前進していきましょう。

 

【参考】

元記事URL: https://corp.en-japan.com/newsrelease/2026/44726.html

【2026年最新】派遣料金の適正化が進む!派遣会社経営者が知っておくべきポイント   2026.03.01

【2026年最新】派遣料金の適正化が進む!派遣会社が今こそ知るべき価格交渉の実践戦略

 

「派遣料金の値上げ交渉がうまくいかない」「派遣先企業の理解が得られない」──そんな悩みを抱える派遣会社の経営者は少なくありません。しかし、2026年1月、業界に大きな追い風となるニュースが飛び込んできました。

 

日本人材派遣協会が、派遣先企業に対して「派遣料金の価格交渉に向けた協議」を正式に依頼する文書を発出したのです。これは派遣業界にとって極めて重要な転換点であり、派遣料金の適正化に向けた本格的な動きが始まったことを意味します。

 

派遣会社の支援に特化し、70社以上の実績を持つ社労士として、また厚生労働省指定の派遣元責任者講習の主任講師として13年間業界を見てきた私から見ても、これは派遣会社にとって絶好のチャンスです。

 

この記事では、派遣料金適正化の背景、業界団体の動き、そして派遣会社が今すぐ取り組むべき価格交渉の実践戦略を、実務に即した形で徹底解説します。

 

 

なぜ今、派遣料金の適正化が求められているのか

 

 派遣業界を取り巻く経済環境の変化

 

派遣料金の適正化が叫ばれる背景には、派遣業界を取り巻く経済環境の大きな変化があります。

 

**人件費の上昇**

2026年1月時点で、派遣社員の平均時給は1,714円と過去最高を更新しています。これは40カ月連続で前年同月を上回る水準です。最低賃金の引き上げ、同一労働同一賃金の影響、そして慢性的な人手不足が重なり、派遣スタッフへの支払い時給は確実に上昇し続けています。

 

**コンプライアンスコストの増加**

労使協定方式の運用、派遣先への説明義務の強化、マイナンバー対応、各種ハラスメント対策など、法令遵守のための事務コストは年々増加しています。特に中小派遣会社では、これらの対応に多大な時間と費用を投じざるを得ない状況です。

 

**マージン率の圧迫**

上記のような状況にもかかわらず、派遣先企業との料金交渉は難航するケースが多く、マージン率は低下傾向にあります。これでは健全な経営を維持することができません。

 

 

日本人材派遣協会の動きと業界全体への影響

 

日本人材派遣協会が2026年1月に発出した文書は、派遣先企業に対して派遣料金の価格交渉への協力を正式に要請するものです。これは業界団体として極めて異例の動きであり、派遣料金適正化への強い意志の表れと言えます。

 

**文書の主な内容**

- 派遣スタッフの時給上昇と派遣会社のコスト増加の実態説明

- 適正な派遣料金の重要性と、それが派遣労働者の処遇改善につながることの強調

- 派遣先企業に対する価格交渉への理解と協力の要請

 

この動きは、派遣会社が個社で値上げ交渉を行うよりも、業界全体として正当性を主張できる環境を整えたという点で、非常に意義深いものです。

 

 

派遣会社が今すぐ取り組むべき価格交渉の実践戦略

 

業界団体の後押しがあるとはいえ、実際の価格交渉は各派遣会社が派遣先企業と個別に行わなければなりません。ここでは、私がこれまで支援してきた派遣会社の成功事例をもとに、実践的な価格交渉戦略をご紹介します。

 

 戦略1: データに基づく客観的な説明

 

価格交渉で最も重要なのは、「なぜ値上げが必要なのか」を客観的なデータで説明することです。感情論や「苦しいのでお願いします」といった訴えかけは、ビジネスの場では通用しません。

 

**提示すべきデータ**

- 派遣スタッフの平均時給の推移(業界平均との比較)

- 社会保険料率の変化

- 法令遵守のために増加した業務コスト

- 同業他社の派遣料金水準(可能な範囲で)

 

これらのデータを1枚のレポートにまとめ、派遣先企業の担当者が上司に説明しやすい形で提供することが効果的です。「あなたの会社だけでなく、業界全体の動きです」という文脈を作ることが重要なのです。

 

 

 戦略2: 提供価値の再定義と可視化

 

単に「コストが上がったから値上げさせてください」では、派遣先企業の理解は得られません。「この料金で、どのような価値を提供しているのか」を改めて明確にし、可視化することが必要です。

 

**提供価値の例**

- 迅速な欠員補充(平均対応時間○日)

- 法令遵守の徹底による派遣先のリスク軽減

- 派遣スタッフの定着率の高さ(業界平均との比較)

- 専門性の高いコーディネーターによるきめ細かなフォロー

- 派遣スタッフへの定期研修による品質維持

 

これらを数値化し、「派遣料金に対してこれだけの価値を提供しています」と示すことで、値上げの正当性が格段に増します。

 

 

 戦略3: 段階的な料金改定の提案

 

一度に大幅な値上げを要求するのは、派遣先企業にとって受け入れがたいものです。現実的なアプローチとしては、段階的な料金改定を提案することが効果的です。

 

**提案例**

- 第1段階(3カ月後): ○%の値上げ

- 第2段階(6カ月後): さらに○%の値上げ

- 最終目標料金の明示

 

このように段階的に提案することで、派遣先企業側も予算調整の時間を確保でき、交渉がスムーズに進みやすくなります。

 

 

 戦略4: 契約内容の見直しと付加価値の提案

 

料金交渉と同時に、契約内容そのものを見直すことも有効な戦略です。派遣先企業にとってメリットのある付加価値を提案することで、料金改定への理解を得やすくなります。

 

**付加価値の例**

- 派遣スタッフへの定期研修の強化

- 派遣先企業の人事担当者向け法令セミナーの開催

- 業務改善提案の定期的な実施

- 緊急時の優先対応の確約

 

「料金は上がりますが、こんな新しいサービスも提供します」という形で提案することで、単なる値上げではなく「サービスのアップグレード」という印象を与えることができます。

 

 

価格交渉を成功させるためのコミュニケーション術

 

価格交渉は、単に資料を提示すれば成功するものではありません。派遣先企業の担当者との信頼関係、そして適切なコミュニケーションが不可欠です。

 

**ポイント1: 早めの情報提供**

「来月から値上げします」では、派遣先企業も対応できません。少なくとも3カ月前には情報を提供し、十分な協議期間を設けることが重要です。

 

**ポイント2: 相手の立場を理解する**

派遣先企業の担当者も、社内で予算を確保しなければなりません。その担当者が上司を説得しやすいように、客観的な資料と明確な論拠を提供することを心がけてください。

 

**ポイント3: 感謝の気持ちを忘れない**

長年お取引いただいている派遣先企業には、これまでの感謝をしっかりと伝えた上で、今後も良好な関係を続けたいという姿勢を示すことが大切です。

 

 

価格交渉で陥りがちな3つの失敗パターン

 

私がこれまで見てきた中で、価格交渉に失敗する派遣会社には共通するパターンがあります。

 

**失敗パターン1: 一方的な通告**

「来月から○円値上げします」と一方的に通告するだけでは、派遣先企業との信頼関係が損なわれます。交渉は対話であり、一方的な通告ではありません。

 

**失敗パターン2: 根拠のない値上げ要求**

「他社もやっているから」「業界団体が言っているから」といった曖昧な理由では、派遣先企業の理解は得られません。自社の具体的なデータに基づく説明が必須です。

 

**失敗パターン3: 交渉時期の見誤り**

派遣先企業の予算編成時期を考慮せずに交渉を持ちかけても、「今期はもう予算が確定しているので無理」と断られてしまいます。派遣先企業の予算サイクルを把握し、適切なタイミングで交渉することが重要です。

 

 

まとめ:適正な派遣料金は、業界全体の健全な発展につながる

 

派遣料金の適正化は、派遣会社の利益確保のためだけではありません。適正な料金があってこそ、派遣スタッフへの適切な処遇、法令遵守のための投資、そしてより質の高いサービスの提供が可能になるのです。

 

日本人材派遣協会の後押しがある今こそ、派遣会社が自信を持って価格交渉に臨むべき絶好のタイミングです。

 

私は派遣業界に特化した社労士として、厚生労働省指定の派遣元責任者講習の主任講師として、そして東京大学で培った論理的思考力を持つ専門家として、派遣会社の皆様の価格交渉を全力でサポートしています。

 

「どのように交渉を進めればよいかわからない」「派遣先企業への説明資料を作りたい」といったご相談がございましたら、どうぞお気軽にお声がけください。現場で本当に使える実務支援を提供いたします。

 

適正な派遣料金の実現は、派遣会社、派遣スタッフ、派遣先企業、そして業界全体にとってのWin-Winです。今、一歩を踏み出しましょう。

 

【参考】

元記事URL: https://mmjinji.com/column/article/311

派遣会社倒産が過去最多ペースに。中小企業が生き残るための3つのポイント   2026.03.01

【2026年最新】派遣会社倒産が過去最多ペース!中小派遣会社が今すぐ取り組むべき生き残り戦略とは

 

派遣業界に激震が走っています。東京商工リサーチが発表した調査によると、2025年5月の労働者派遣業の倒産数は15件と、前年同月比で400.0%もの急増を記録しました。この数字は、派遣業界が直面する厳しい現実を如実に物語っています。

 

派遣会社の経営者として、また人事担当者として、「うちの会社は大丈夫だろうか」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。実際、倒産している派遣会社の多くは中小規模の事業者です。大手には真似できない強みを持ちながらも、資金力や人材確保の面で苦戦を強いられているのが実情です。

 

私はこれまで70社以上の派遣会社を支援してきた社労士として、また厚生労働省指定の派遣元責任者講習の主任講師として13年間、延べ10,000人以上を指導してきました。その経験から断言できるのは、「今、適切な対策を打てば、中小派遣会社でも十分に生き残れる」ということです。

 

この記事では、派遣会社の倒産が増加している背景と、中小派遣会社が今すぐ取り組むべき具体的な生き残り戦略を、実務に即した形で解説します。

 

 

なぜ今、派遣会社の倒産が急増しているのか

 

 派遣業界を取り巻く3つの構造的課題

 

派遣会社の倒産が急増している背景には、3つの大きな構造的課題があります。

 

**1. 人材確保の困難化**

派遣業界そのものが深刻な人手不足に陥っています。帝国データバンクの調査では、非正社員の不足を感じている業界として「人材派遣・紹介」が60.0%でトップとなっています。派遣先企業からの需要は旺盛なのに、肝心の派遣スタッフを確保できない。この需給ギャップが、特に中小派遣会社の経営を圧迫しています。

 

**2. 派遣料金と人件費の逆ザヤ問題**

派遣スタッフの時給は上昇を続けています。2026年1月時点で派遣社員の平均時給は1,714円と過去最高を更新し、40カ月連続で前年同月を上回っています。一方で、派遣先企業との料金交渉は思うように進まず、マージン率が圧迫されている派遣会社が少なくありません。

 

**3. コンプライアンス対応コストの増加**

同一労働同一賃金への対応、労使協定方式の運用、派遣先への説明義務の強化など、法令遵守のための事務負担とコストが年々増加しています。特に中小派遣会社では、専任の法務担当者を置く余裕がなく、経営者や営業担当者が片手間で対応せざるを得ない状況が続いています。

 

 

中小派遣会社が生き残るための3つの戦略

 

では、こうした厳しい環境の中で、中小派遣会社はどのように生き残っていけばよいのでしょうか。私がこれまで支援してきた派遣会社の成功事例から、3つの重要な戦略をご紹介します。

 

 戦略1: 特化型ビジネスモデルへの転換

 

「何でもできます」という総合型のビジネスモデルは、もはや大手企業の独壇場です。中小派遣会社が勝ち残るには、特定の業界や職種に特化し、その分野では誰にも負けない専門性を確立することが不可欠です。

 

**具体的なアプローチ**

- 特定業界(製造業、物流、介護、ITなど)に絞り込む

- 特定職種(フォークリフトオペレーター、CADオペレーター、経理など)の専門家集団になる

- 地域密着型で、地元企業との強固な関係を構築する

 

私が支援したある製造業特化型の派遣会社は、工場の生産管理システムにも精通したコーディネーターを育成し、「単なる人材供給」ではなく「生産性向上のパートナー」として派遣先企業から信頼を得ています。この結果、派遣料金も適正水準を維持でき、利益率の改善に成功しました。

 

 

 戦略2: 法令遵守体制の徹底と「安心」の提供

 

派遣先企業が派遣会社に求めているのは、単に人材を供給することだけではありません。「法的リスクのない、安心して任せられるパートナー」であることが、今や最重要の選定基準となっています。

 

**具体的なアプローチ**

- 労使協定方式の適正運用(職種ごとの賃金水準の定期的な見直し)

- 派遣先への待遇情報提供の確実な実施

- 労働・社会保険の完全加入と適正な手続き

- 定期的な社内研修による法令知識のアップデート

 

ここで重要なのは、「法令を守っている」という事実だけでなく、それを派遣先企業に対して明確に示すことです。定期的なコンプライアンスレポートの提出、監督官庁の監査実績の開示など、「見える化」が信頼獲得の鍵となります。

 

東京大学で培った論理的思考力と、年金事務所・労基署・ハローワークでの勤務経験を持つ私だからこそ言えるのは、「行政の視点を理解した対応」こそが、長期的な企業価値を高めるということです。

 

 

 戦略3: 派遣スタッフの定着率向上による収益性改善

 

派遣スタッフの確保が困難な今、「採用」と同じくらい重要なのが「定着」です。定着率が向上すれば、採用コストの削減、派遣先との信頼関係強化、そして何より派遣スタッフの満足度向上という好循環が生まれます。

 

**具体的なアプローチ**

- 定期的な面談による悩みの早期発見

- キャリアアップ支援制度の整備(資格取得支援、研修制度)

- 福利厚生の充実(健康診断の充実、レクリエーション、表彰制度)

- 派遣先とのコミュニケーション強化による就業環境の改善

 

ある派遣会社では、派遣スタッフ全員に対して月1回の面談を実施し、小さな不満や不安を早期に解消する体制を構築しました。この結果、離職率が前年比30%減少し、採用コストの大幅な削減に成功しています。

 

 

今すぐ始めるべき具体的なアクション

 

理論だけでは会社は変わりません。明日から、いや今日から始められる具体的なアクションをご紹介します。

 

**アクション1: 自社の強みを再定義する**

まずは経営陣とマネージャー層で、「自社が本当に強い分野」「お客様から評価されている点」を洗い出してください。そこに経営資源を集中投下する決断をするのです。

 

**アクション2: コンプライアンスチェックリストの作成**

労使協定、派遣契約書、就業条件明示書など、法定書類が適正に整備されているか、チェックリストを作成して確認してください。不備があれば、すぐに是正することです。

 

**アクション3: 派遣スタッフとの対話の場を設ける**

形式的な面談ではなく、本音で話せる雰囲気作りが大切です。「会社として何ができるか」を一緒に考える姿勢が、スタッフの心をつかみます。

 

 

まとめ:危機は転機、今こそ経営の質を高めるチャンス

 

派遣会社の倒産が過去最多ペースという事実は、確かに厳しい現実です。しかし、これは同時に「経営の質が問われる時代」に入ったということでもあります。

 

表面的な対応ではなく、本質的な経営改善に取り組んだ企業こそが、この困難な時期を乗り越え、さらなる成長を遂げることができるのです。

 

私はこれまで600回以上の派遣元責任者講習に登壇し、10,000人以上の派遣業界関係者と向き合ってきました。その経験から確信を持って言えるのは、「正しい知識と正しい実践」があれば、中小派遣会社でも必ず道は開けるということです。

 

顧問先の90%超が派遣会社という専門性の高さを活かし、現場で本当に使える実務支援を提供し続けています。もし、この記事を読んで「自社の状況について相談したい」「具体的なアドバイスが欲しい」と感じられた経営者様がいらっしゃいましたら、お気軽にお声がけください。

 

派遣業界の未来は、決して暗くありません。今、正しい選択をすることで、あなたの会社は必ず生き残り、成長できます。

 

【参考】

元記事URL: https://hrog.net/knowledge/134132/

【2026年労働基準法改正】派遣会社が今すぐ備えるべき3つの対策と助成金活用法   2026.02.22

はじめに|2026年労働基準法改正は「派遣会社の経営問題」です

 

2026年に検討されている労働基準法の大改正。 

ニュースでは「中小企業の人件費が急増」「倒産リスク」など、刺激的な言葉が並んでいます。

 

しかし、派遣会社にとって本当に重要なのは――

 

**・派遣料金への影響 

・マージン率の変動 

・偽装請負リスクの拡大 

・未払い残業代の連鎖請求**

 

といった“実務への波及”です。

 

私は社会保険労務士として、多くの派遣会社の労務監査や行政調査対応に携わってきましたが、今回の改正は「準備している会社」と「様子見の会社」で大きな差がつくと感じています。

 

本記事では、

 

- 2026年労働基準法改正のポイント 

- 派遣会社が直面する具体的リスク 

- 今すぐ打つべき3つの実務対策 

- 助成金・税制を活用した“攻めの戦略”

 

を、わかりやすく解説します。

 

---

 

1. 【2026年労働基準法改正】何が変わるのか?

 

今回の改正議論で注目されているのは、主に次の3点です。

 

 ① 週44時間特例の廃止

 

小規模事業場で認められてきた「週44時間まで残業扱いなし」の特例が廃止される方向です。

 

 ▶ 派遣会社への影響

 

派遣先が小規模飲食店や小売店の場合、 

これまで通常労働だった時間が**自動的に残業扱い**になります。

 

結果として、

 

- 派遣先の人件費増加

- 派遣料金の値下げ圧力

- マージン率悪化

 

という連鎖が起きる可能性があります。

 

---

 

 ② “名ばかり管理職”問題の顕在化

 

労働時間の客観的把握が義務化され、 

管理監督者の要件がより厳格に判断される流れです。

 

 ▶ 派遣会社への影響

 

派遣元で「管理職扱い」にしている社員が、

 

- 権限がない

- 賃金が見合っていない

- 出退勤が厳しく管理されている

 

場合、**過去3年分の未払い残業代請求リスク**が生じます。

 

特に派遣会社は、

営業責任者・支店長・コーディネーターなどを

「管理職」として扱っているケースが多く、要注意です。

 

---

 

 ③ 勤務間インターバル義務化の強化

 

勤務終了から次の出勤まで 

原則11時間空けるルールが強化される可能性があります。

 

 ▶ 派遣会社への影響

 

- 夜勤明け→翌朝勤務が不可

- シフト再設計が必要

- 派遣人数の増員圧力

 

つまり、

 

**残業代増+人員増=二重のコスト増**

 

が現実になります。

 

---

 

2. 派遣会社が陥りやすい「安易な外注化」の落とし穴

 

人件費増に直面すると、こう考える経営者もいます。

 

> 「社員を業務委託に切り替えればいいのでは?」

 

しかし、これは極めて危険です。

 

■ 労働者性の判断は“実態”で決まる

 

- 出勤時間が決まっている 

- 指揮命令を受けている 

- 会社のPCを使っている 

 

このような場合、形式が「業務委託」でも 

実態は労働者と判断される可能性が高いです。

 

---

 

■ 偽装請負と認定された場合のリスク

 

もし税務調査や労基署調査で否認されると、

 

 ① 未払い残業代の遡及請求 

 ② 社会保険の遡及加入 

 ③ 消費税の外注費否認

 

という“トリプルパンチ”が待っています。

 

年間外注費5,000万円なら、 

数千万円規模の追徴になることもあります。

 

目先のコスト削減が、会社の存続を揺るがす事態になりかねません。

 

---

 

3. 派遣会社が今すぐ備えるべき3つの対策

 

では、どう対応すればよいのでしょうか。

 

【対策①】労働時間管理の再設計

 

 ✔ 全従業員の客観的打刻

 ✔ 管理監督者の適正判定

 ✔ 月80時間超の是正

 

派遣スタッフだけでなく、 

**内勤社員の労働時間管理**も最優先です。

 

---

 

【対策②】派遣料金の戦略的見直し

 

人件費増を前提に、

 

- 派遣単価の再設定

- 契約条項の見直し

- インターバル対応費の明示

 

を進める必要があります。

 

重要なのは、「改正前」に交渉を始めることです。

 

制度開始後では遅いのです。

 

---

 

【対策③】助成金・税制のフル活用

 

ここが“攻め”のポイントです。

 

 ■ 働き方改革推進支援助成金

 

インターバル導入や業務効率化設備に対し、 

最大720万円の補助。

 

 ■ 中小企業経営強化税制

 

設備投資の即時償却または税額控除。

 

 ■ 賃上げ促進税制

 

賃上げ額の最大45%を法人税から控除。

 

例えば、

 

全社員で1,000万円賃上げすれば 

最大450万円の税額控除。

 

「人件費を減らす」のではなく、 

**“国に一部負担してもらう”発想**が重要です。

 

---

 

4. 2026年改正は“危機”か“チャンス”か

 

法改正は止められません。

 

しかし、

 

- 準備していない会社 → 利益圧迫 

- 準備している会社 → 価格転嫁成功+助成金活用 

 

という差が生まれます。

 

派遣会社は「労働のプロ」です。

 

顧客企業に対しても、

 

- インターバル対応提案

- 適正労務管理の助言

- 単価改定の合理的説明

 

ができる存在になれば、 

むしろ信頼は高まります。

 

---

 

5. 今すぐ行うべきチェックリスト

 

□ 管理監督者の要件を精査しているか 

□ 労働時間の客観的記録があるか 

□ インターバル対応シミュレーションを行ったか 

□ 派遣契約書を改定しているか 

□ 助成金活用計画を立てているか 

 

1つでも未着手なら、 

今が動き出すタイミングです。

 

---

 

まとめ|派遣会社が生き残るための正攻法

 

2026年労働基準法改正は、

 

- 週44時間特例の廃止 

- 名ばかり管理職リスク 

- 勤務間インターバル義務化 

 

によって、派遣会社の収益構造に直撃します。

 

しかし、

 

✔ 安易な外注化は危険 

✔ ごまかしは通用しない 

✔ 正攻法+制度活用が最善策 

 

です。

 

私はこれまで多くの派遣会社の労務改善に関わってきましたが、 

共通して言えるのは、

 

「早く動いた会社ほど傷が浅い」

 

という事実です。

 

法改正は脅威ではなく、 

**経営体質を強化する機会**でもあります。

 

今こそ、労務管理を“コスト”ではなく 

“経営戦略”として見直してみてください。

 

派遣会社の未来は、準備で決まります。

 

【参照記事】

https://news.yahoo.co.jp/articles/5c0ea4acf779d5966f747d65b69046957b476e87

 

【2026年最新事例】労働者派遣事業の許可取消から学ぶ|派遣会社経営者が絶対に守るべきコンプライアンスと書類管理の実務   2026.02.22

2026年1月16日、厚生労働省は静岡県の派遣会社に対して、労働者派遣事業の許可を取り消す処分を行いました。この処分は、派遣法第23条第3項で義務付けられている「関係派遣先派遣割合報告書」の提出義務違反が理由です。行政指導、行政指示にも従わなかったことから、最も重い処分である「許可取消」に至りました。派遣会社の経営者にとって、許可取消は事業継続が不可能となる致命的な処分です。本記事では、この事例を詳しく分析し、派遣会社が絶対に守るべきコンプライアンスと書類管理の実務について解説します。

 

【事例概要】2026年1月の派遣事業許可取消の詳細

 

 処分を受けた派遣会社の情報

 

**名称**:株式会社GGモデスト 

**代表者**:代表取締役 青木 竜一 

**所在地**:静岡県静岡市葵区伝馬町9-14 Flos新静岡2F 

**許可年月日**:令和5年8月1日(2023年8月1日) 

**許可番号**:派22-301314 

**処分日**:令和8年1月16日(2026年1月16日)

 

 処分内容と法的根拠

 

厚生労働省は、労働者派遣法第14条第1項第4号の規定に基づき、2026年1月16日付で労働者派遣事業の許可を取り消しました。

 

**労働者派遣法第14条第1項第4号とは**

「労働者派遣事業を的確に遂行するに足りる能力を有しない者と認められるとき」に、許可を取り消すことができるという規定です。

 

 処分理由の詳細

 

処分理由は、以下の3段階の違反が認定されました。

 

**【第1段階】提出義務違反**

労働者派遣法第23条第3項において、「関係派遣先派遣割合報告書」を提出しなければならないとされているにもかかわらず、労働者派遣法施行規則第17条の2に規定する提出期限を経過してもこれを提出しなかった。

 

**【第2段階】行政指導に従わず**

提出義務違反に対する労働者派遣法第48条第1項に基づく「指導」に従わなかった。

 

**【第3段階】行政指示にも従わず**

さらに、同法第48条第3項に基づく「指示」を行ったにもかかわらず、関係派遣先派遣割合報告書を提出しなかった。

 

この結果、労働者派遣法第23条第3項の規定に違反したことから、労働者派遣法第14条第1項第4号に該当し、**許可の取消が相当である**と判断されました。

 

【重要】関係派遣先派遣割合報告書とは何か

 

 関係派遣先派遣割合報告書の目的

 

「関係派遣先派遣割合報告書」とは、派遣会社が特定の派遣先企業(いわゆる「関係派遣先」)への派遣に偏っていないかを監視するための報告書です。

 

**関係派遣先とは**

派遣会社の親会社、子会社、関連会社など、資本関係や役員の兼任関係がある企業を指します。

 

**規制の趣旨**

派遣会社が関係派遣先に派遣労働者を集中させると、実質的に「労働者供給事業」となり、派遣法の趣旨に反します。そのため、関係派遣先への派遣割合には上限(原則として8割以下)が設けられています。

 

 提出義務と提出期限

 

**提出義務者**

関係派遣先がある派遣会社

 

**提出先**

事業所所在地を管轄する都道府県労働局

 

**提出期限**

事業年度終了後3か月以内

 

**提出内容**

・派遣労働者の総数

・関係派遣先への派遣労働者数

・関係派遣先派遣割合(派遣労働者数のうち、関係派遣先への派遣が占める割合)

 

 

 違反のペナルティ

 

関係派遣先派遣割合報告書の提出義務違反に対しては、以下の段階的な処分が科されます。

 

**【第1段階】指導**

労働者派遣法第48条第1項に基づく「指導」が行われます。これは行政指導であり、法的拘束力はありませんが、速やかに従うことが求められます。

 

**【第2段階】指示**

指導に従わない場合、労働者派遣法第48条第3項に基づく「指示」が行われます。これは行政処分であり、法的拘束力があります。

 

**【第3段階】事業停止命令**

指示にも従わない場合、労働者派遣法第14条第2項に基づく「事業停止命令」が発令される可能性があります。

 

**【最終段階】許可取消**

事業停止命令にも従わない、または違反が悪質な場合、労働者派遣法第14条第1項に基づく「許可取消」が行われます。

 

今回の事例では、第2段階の「指示」の時点でも従わなかったため、最も重い処分である「許可取消」に至りました。

 

許可取消がもたらす致命的な影響

 

 許可取消の法的効果

 

労働者派遣事業の許可が取り消されると、以下の法的効果が生じます。

 

**即座に派遣事業ができなくなる**

許可取消の効力は即日発生し、派遣事業を継続することができなくなります。

 

**現在の派遣契約も終了せざるを得ない**

既に派遣中の派遣労働者についても、派遣契約を終了させる必要があります。派遣先企業に多大な迷惑をかけることになります。

 

**派遣労働者の雇用が危機に**

派遣労働者は、派遣会社との雇用契約を解除されるか、別の業務に配置転換される必要があります。しかし、派遣事業ができなくなった派遣会社に他の業務がない場合、事実上の解雇となる可能性があります。

 

**再許可の取得が困難**

許可取消後、一定期間(通常5年間)は再度の許可申請ができません。また、取消処分を受けた役員がいる場合、その役員が在籍する限り、新たな許可は困難です。

 

 

 経営への影響

 

**事業継続が不可能**

派遣事業が企業の主力事業である場合、許可取消は事業継続が不可能となることを意味します。実質的に廃業せざるを得ない状況に追い込まれます。

 

**取引先からの信用失墜**

許可取消の事実は厚生労働省のウェブサイトで公表されるため、取引先からの信用は完全に失墜します。

 

**損害賠償リスク**

派遣先企業や派遣労働者から、損害賠償を請求されるリスクがあります。

 

**金融機関からの信用喪失**

金融機関からの融資が受けられなくなり、資金繰りが悪化します。

 

 

派遣会社が絶対に守るべき書類提出義務

 

関係派遣先派遣割合報告書以外にも、派遣会社には多くの書類提出義務があります。以下、主要な提出書類を整理します。

 

 1. 事業報告書(年次報告)

 

**提出義務者**:すべての派遣会社 

**提出先**:事業所所在地を管轄する都道府県労働局 

**提出期限**:事業年度終了後3か月以内 

**提出内容**:

・派遣労働者数

・派遣先数

・労働者派遣契約の状況

・派遣労働者の待遇に関する事項

・教育訓練の実施状況

 

**違反のペナルティ**:指導→指示→事業停止命令→許可取消

 

 2. 関係派遣先派遣割合報告書

 

前述の通り、関係派遣先がある派遣会社に提出義務があります。

 

 3. 労働者派遣契約書・派遣元管理台帳の保管

 

**保管義務者**:すべての派遣会社 

**保管期間**:契約終了後3年間 

**保管内容**:

・労働者派遣契約書(派遣先企業との契約書)

・派遣元管理台帳(派遣労働者ごとの管理台帳)

・労働条件通知書

 

**違反のペナルティ**:指導→指示→事業停止命令→許可取消

 

 4. 派遣労働者の個人情報・マイナンバーの適切な管理

 

**管理義務者**:すべての派遣会社 

**管理内容**:

・個人情報保護法に基づく適切な管理

・マイナンバー法に基づく安全管理措置

 

**違反のペナルティ**:個人情報保護委員会からの行政処分、罰則

 

 5. 労使協定の締結・届出(労使協定方式の場合)

 

**義務者**:労使協定方式を採用する派遣会社 

**届出先**:不要(ただし、労働基準監督署への届出が必要な場合あり) 

**保管期間**:協定期間中および終了後3年間

 

**違反のペナルティ**:指導→指示→事業停止命令→許可取消

 

 

書類管理の実務:ミスを防ぐためのチェックリスト

 

派遣会社の経営者・人事担当者が、書類管理のミスを防ぐための実務チェックリストをご紹介します。

 

 年間スケジュール管理

 

✅ **提出書類の一覧表を作成**

すべての提出書類について、提出期限、提出先、担当者を一覧表にまとめましょう。

 

✅ **リマインダーの設定**

提出期限の3か月前、1か月前、2週間前にリマインダーを設定しましょう。複数の担当者でリマインダーを共有することで、見落としを防げます。

 

✅ **カレンダーへの登録**

社内の共有カレンダーに、提出期限を登録しましょう。

 

 書類作成プロセスの標準化

 

✅ **作成マニュアルの整備**

各書類の作成方法をマニュアル化し、誰でも作成できるようにしましょう。

 

✅ **ダブルチェック体制**

作成担当者とは別の者が内容をチェックする「ダブルチェック体制」を構築しましょう。

 

✅ **上司の承認プロセス**

提出前に上司が最終承認する仕組みを作りましょう。

 

 保管管理の徹底

 

✅ **保管場所の明確化**

書類の保管場所を明確にし、誰でもすぐに取り出せるようにしましょう。

 

✅ **保管期限の管理**

書類ごとに保管期限を記載し、期限が来たら適切に廃棄しましょう。

 

✅ **電子化の推進**

紙の書類は紛失や劣化のリスクがあります。可能な限り電子化し、バックアップを取りましょう。

 

 外部専門家の活用

 

✅ **社会保険労務士との顧問契約**

派遣法に精通した社会保険労務士と顧問契約を結び、定期的にアドバイスを受けましょう。

 

✅ **年次チェックの依頼**

年に1回、社会保険労務士に書類の保管状況をチェックしてもらいましょう。

 

もし提出を忘れてしまったら:早期対応の重要性

 

万が一、書類の提出を忘れてしまった場合、どのように対応すればよいのでしょうか。

 

 1. 速やかに労働局に連絡

 

提出期限を過ぎていることに気づいたら、すぐに管轄の労働局に連絡しましょう。

 

**連絡時のポイント**

・提出が遅れた理由を正直に説明する

・いつまでに提出できるかを明確に伝える

・謝罪の姿勢を示す

 

 2. 可能な限り早く提出

 

連絡後、可能な限り早く(できれば当日中に)書類を作成して提出しましょう。

 

 3. 再発防止策の実施

 

提出忘れが発生した原因を分析し、再発防止策を講じましょう。労働局から再発防止策の提出を求められることもあります。

 

 4. 社会保険労務士に相談

 

提出忘れが発覚した時点で、社会保険労務士に相談することを強くお勧めします。適切なアドバイスを受けることで、行政処分を最小限に抑えられる可能性があります。

 

 

行政指導・行政指示を受けたら:絶対に無視してはいけない

 

今回の事例では、行政指導、行政指示のいずれにも従わなかったことが、許可取消という最悪の結果を招きました。

 

 行政指導と行政指示の違い

 

**行政指導(労働者派遣法第48条第1項)**

・法的拘束力はない(任意の協力を求めるもの)

・しかし、従わない場合は行政指示に移行する

 

**行政指示(労働者派遣法第48条第3項)**

・法的拘束力がある(行政処分)

・従わない場合は事業停止命令や許可取消の対象となる

・指示の内容は公表される

 

 行政指導・指示を受けた場合の対応

 

✅ **即座に対応する**

行政指導・指示を受けたら、即座に対応しましょう。「後で対応しよう」と先延ばしにすることは絶対に避けてください。

 

✅ **担当者任せにしない**

経営者自身が状況を把握し、対応を指揮しましょう。担当者任せにして放置することは、最悪の結果を招きます。

 

✅ **専門家に相談**

社会保険労務士や弁護士に相談し、適切な対応方法をアドバイスしてもらいましょう。

 

✅ **労働局との丁寧なコミュニケーション**

労働局の担当者と丁寧にコミュニケーションを取り、誠実に対応する姿勢を示しましょう。

 

✅ **再発防止策の実施**

違反の原因を分析し、再発防止策を実施しましょう。その内容を労働局に報告することで、処分が軽減される可能性があります。

 

 

派遣会社のコンプライアンス体制構築の実務

 

許可取消のような最悪の事態を防ぐためには、日頃からのコンプライアンス体制の構築が不可欠です。

 

 1. コンプライアンス責任者の明確化

 

派遣会社内で、コンプライアンスを統括する責任者を明確にしましょう。通常は、派遣元責任者がこの役割を担います。

 

 2. 定期的な社内研修の実施

 

派遣法や関連法令について、定期的に社内研修を実施しましょう。

 

**研修の内容例**

・派遣法の基本

・提出書類の種類と期限

・書類管理の方法

・行政指導・指示への対応

・コンプライアンス違反事例の共有

 

 3. 内部監査の実施

 

年に1回程度、内部監査を実施し、書類の保管状況や業務プロセスをチェックしましょう。

 

**監査のチェックポイント**

・提出書類が期限内に提出されているか

・労働者派遣契約書・派遣元管理台帳が適切に保管されているか

・派遣労働者の待遇が適正に決定されているか

・教育訓練が適切に実施されているか

 

 4. 外部専門家による定期チェック

 

社会保険労務士に依頼して、定期的に(年1~2回)コンプライアンスチェックを受けましょう。第三者の目で確認してもらうことで、見落としを防げます。

 

 5. 従業員からの内部通報窓口の設置

 

コンプライアンス違反を早期に発見するため、従業員からの内部通報窓口を設置しましょう。匿名での通報も受け付ける仕組みが望ましいです。

 

まとめ:「たかが書類」ではなく「事業の生命線」

 

今回の許可取消事例は、「関係派遣先派遣割合報告書の提出忘れ」という、一見すると軽微に思えるミスが原因でした。しかし、その結果は「事業継続不可能」という致命的なものでした。

 

派遣会社の経営者は、「たかが書類の提出」と軽く考えてはいけません。書類の提出義務は、派遣事業を継続するための「生命線」です。

 

**今すぐ実践すべきアクション**

 

✅ 提出書類の一覧表を作成し、提出期限を確認する

✅ リマインダーを設定し、提出忘れを防ぐ仕組みを作る

✅ 書類の保管状況をチェックし、不備があれば即座に是正する

✅ 社会保険労務士と顧問契約を結び、定期的にアドバイスを受ける

✅ 社内研修を実施し、全従業員のコンプライアンス意識を高める

✅ 内部監査を実施し、定期的に業務プロセスをチェックする

 

派遣事業は、派遣労働者の雇用と生活を支える重要な社会的役割を担っています。その責任を果たすためにも、コンプライアンスの徹底は欠かせません。

 

「自社は大丈夫だろう」という油断が、最悪の事態を招きます。今回の事例を他山の石として、自社のコンプライアンス体制を今一度見直しましょう。

 

派遣労働者、派遣先企業、そして社会からの信頼を守るために、コンプライアンスを最優先に考える経営を実践していきましょう。

 

【参考情報】

・厚生労働省「労働者派遣事業の許可を取り消しました」(令和8年1月16日報道発表)

・労働者派遣法、労働者派遣法施行規則

・厚生労働省「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律関係条文」

 

【記事URL】

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67432.html

 

【2026年度版・完全ガイド】派遣会社経営者が押さえるべき人事労務の法改正まとめ|年金・女性活躍・障害者雇用・労働安全衛生法の実務対応   2026.02.22

2026年は、人事労務分野において「法改正の当たり年」と言われています。年金制度改正、女性活躍推進法、子ども・子育て支援法、障害者雇用促進法、労働安全衛生法など、派遣会社の経営に直接影響する複数の重要な法改正が同時に施行されます。

 

これらの改正は、少子高齢化の進行や働き方の多様化という社会的背景を受けたものであり、企業には迅速かつ適切な対応が求められています。本記事では、派遣会社の経営者が必ず押さえておくべき2026年度の法改正を網羅的に解説し、具体的な実務対応のポイントをお伝えします。

 

【目次】2026年度の主要法改正一覧

 

2026年度に施行・適用される主な法改正は以下の通りです。

 

**2026年4月施行の法改正**

・年金制度改正法(被用者保険の適用拡大、在職老齢年金の見直し)

・女性活躍推進法(情報公表義務の対象拡大)

・子ども・子育て支援法(子ども・子育て支援金制度の開始)

・労働安全衛生法(高年齢者・個人事業者等の労働災害防止)

 

**2026年7月施行の法改正**

・障害者雇用促進法(法定雇用率2.7%への引き上げ)

 

**2026年10月施行予定の法改正**

・年金制度改正法(パート・短時間労働者の社会保険適用拡大)

 

**2028年頃施行予定の法改正**

・労働安全衛生法(ストレスチェック義務化の全事業場への拡大)

 

それでは、各法改正について詳しく見ていきましょう。

 

【1】年金制度改正法:派遣会社が直面する社会保険料負担増への対応

 

 1-1. 被用者保険の適用拡大(2026年10月~)

 

**改正の概要**

 

現行制度では、パート・短時間労働者が社会保険(厚生年金・健康保険)に加入するためには、以下の要件を満たす必要があります。

 

**現行の加入要件**

・従業員51人以上の企業等に勤務

・週の所定労働時間が20時間以上

・月額賃金が8.8万円以上

・雇用期間が2か月を超える見込み

・学生でない

 

2026年10月からは、**「月額賃金8.8万円以上」という賃金要件が撤廃**される予定です。これにより、週20時間以上働くパート・短時間労働者は、賃金額にかかわらず社会保険の加入対象となります。

 

さらに、企業規模要件についても段階的に縮小・撤廃され、2027年から2035年にかけて、中小企業における社会保険加入対象者が順次拡大していく見通しです。

 

また、2029年10月からは、個人事業所の取扱いも見直され、常時5人以上を使用する事業所であれば、「法定17業種以外の業種」にも適用範囲が広がる予定です。

 

**派遣会社への影響**

 

派遣会社にとって、この改正は大きなインパクトがあります。

 

**主な影響**

・社会保険加入対象者の増加による保険料負担の増加

・給与計算業務の増加

・派遣労働者への説明・手続き業務の増加

・派遣料金への転嫁の必要性

 

特に、短時間勤務の派遣労働者を多く抱える派遣会社では、社会保険料の会社負担分が大幅に増加する可能性があります。

 

**実務対応のポイント**

 

✅ **対象者の洗い出し**

現在の派遣労働者の中で、新たに社会保険加入対象となる人数と、それに伴う保険料負担増を試算しましょう。

 

✅ **派遣労働者への説明準備**

社会保険に加入することで、派遣労働者にはメリット(将来の年金額増加、傷病手当金の受給資格など)とデメリット(手取り額の減少)があります。丁寧な説明が必要です。

 

✅ **派遣先企業との料金交渉**

社会保険料の会社負担分は派遣料金に転嫁する必要があります。派遣先企業との事前協議を進めましょう。

 

✅ **給与計算システムの対応確認**

社会保険加入者の増加に伴い、給与計算システムの処理能力や設定の見直しが必要になる場合があります。

 

 1-2. 在職老齢年金の支給停止基準の緩和(2026年4月)

 

**改正の概要**

 

在職老齢年金制度は、働きながら年金を受給する高齢者について、賃金と年金の合計額が一定基準を超えると、年金の一部または全部が支給停止される仕組みです。

 

現行制度では、**「賃金と年金の合計額が月50万円を超える場合」**に支給停止となりますが、2026年4月からは、この基準額が**月62万円(2026年度価格)**へ引き上げられます。

 

**派遣会社への影響**

 

この改正により、65歳以上の高齢者が働き続けやすくなり、派遣会社にとっては以下のメリットがあります。

 

**主なメリット**

・経験豊富なシニア人材の確保がしやすくなる

・高齢派遣労働者のモチベーション向上

・人材不足の解消に寄与

 

**実務対応のポイント**

 

✅ **65歳以上の派遣労働者への情報提供**

改正内容を分かりやすく説明し、「働き損」にならないことを伝えましょう。

 

✅ **シニア人材の活用戦略の見直し**

高齢者がより働きやすくなることを踏まえ、シニア人材の採用・活用戦略を強化しましょう。

 

✅ **問い合わせ対応体制の整備**

年金と賃金の関係について質問が増えることが予想されます。社会保険労務士と連携して対応体制を整えましょう。

 

 1-3. 遺族年金の見直し・標準報酬月額上限の引き上げ(2026年4月)

 

**改正の概要**

 

遺族年金の支給要件が見直され、配偶者の死亡時に子がいない場合でも、一定の条件下で遺族年金が支給されるようになります。

 

また、厚生年金保険の標準報酬月額の上限が段階的に引き上げられ、高所得者層の年金額が増加する仕組みとなります。

 

**実務対応のポイント**

 

✅ 派遣労働者への情報提供資料に、年金制度改正の内容を盛り込みましょう。

 

 

【2】女性活躍推進法:情報公表義務の対象拡大への対応

 

 2-1. 改正の概要(2026年4月施行)

 

女性活躍推進法は、2026年3月31日までの時限立法でしたが、**2036年3月31日まで10年間延長**されました。

 

また、2026年4月1日から、情報公表義務の対象となる企業規模が拡大されます。

 

**改正のポイント**

 

**従業員数101人以上の企業に新たに義務化される項目**

・男女間賃金差異の公表

・女性管理職比率の公表

 

これまでは従業員数301人以上の企業のみが対象でしたが、101人以上の企業にも拡大されます。

 

**選択項目の公表(従来通り)**

・従業員数301人以上:2項目以上を公表

・従業員数101人以上:1項目以上を公表

 

選択項目には、男女別の採用倍率、男女別平均勤続年数、育児休業取得率などがあります。

 

**従業員数100人以下の企業**

努力義務の対象となります。

 

 2-2. 派遣会社への影響

 

派遣会社は、派遣労働者を含めた従業員数でカウントされます。従業員数101人以上の派遣会社は、新たに男女間賃金差異と女性管理職比率の公表が義務化されます。

 

**派遣会社特有の課題**

・派遣労働者は女性が多い一方、正社員(営業職など)は男性が多い傾向

・男女間賃金差異が大きく見える可能性

・女性管理職比率が低く見える可能性

 

こうした数字が公表されることで、企業イメージに影響する懸念があります。

 

 2-3. 実務対応のポイント

 

✅ **男女別賃金データの整理**

派遣労働者を含む全従業員の男女別賃金データを集計し、男女間賃金差異を算出しましょう。

 

✅ **女性管理職の人数・割合の把握**

現在の女性管理職の人数と割合を確認し、目標値を設定しましょう。

 

✅ **行動計画の策定・見直し**

女性活躍推進のための行動計画を策定(または見直し)し、具体的な取り組みを進めましょう。

 

✅ **情報公表の準備**

厚生労働省の「女性の活躍推進企業データベース」や自社ウェブサイトでの公表準備を進めましょう。

 

✅ **賃金差異の分析と改善策**

男女間賃金差異が大きい場合、その要因を分析し、改善策を検討しましょう。単に「男女差別」ではなく、職種構成や勤続年数の違いが原因である場合も多いため、データに基づく説明が重要です。

 

【3】子ども・子育て支援法:新たな支援金制度の開始

 

 3-1. 子ども・子育て支援金制度とは(2026年4月開始)

 

2026年4月から、**「子ども・子育て支援金制度」**が運用開始されます。この制度により、すべての世代が加入する健康保険料に一定額を上乗せして拠出する仕組みが導入されます。

 

**支援金の拠出額**

・2026年度:一人当たり月額約250円

・2027年度:一人当たり月額約350円

・2028年度:一人当たり月額約450円

 

支援金は段階的に引き上げられる予定です。

 

**財源の使途**

・児童手当の拡充

・妊婦・子育て世帯への支援給付

・出生後の休業支援給付

・その他の子育て関連施策

 

 3-2. 派遣会社への影響

 

派遣会社は、派遣労働者を含む全従業員の健康保険料に上乗せして支援金を徴収し、健康保険組合等に納付する必要があります。

 

**主な影響**

・給与計算システムの改修

・派遣労働者への説明義務(努力義務)

・給与明細への記載

 

 3-3. 実務対応のポイント

 

✅ **給与計算システムの改修・設定変更**

健康保険料とあわせて支援金を徴収する仕組みをシステムに組み込みましょう。ベンダーに早めに相談することが重要です。

 

✅ **派遣労働者への説明資料の作成**

支援金の目的や金額について、分かりやすく説明する資料を作成しましょう。「なぜ負担が増えるのか」を丁寧に説明することで、理解を得られます。

 

✅ **給与明細への記載**

給与明細に支援金の項目を明記することが推奨されます(努力義務)。

 

✅ **派遣先企業との情報共有**

派遣先企業の人事担当者とも情報を共有し、派遣労働者からの問い合わせに一貫した対応ができるようにしましょう。

 

【4】障害者雇用促進法:法定雇用率2.7%への引き上げ

 

 4-1. 改正の概要(2026年7月施行)

 

障害者雇用促進法では、企業に一定割合以上の障害者を雇用することを義務付けています。この法定雇用率が、**2026年7月1日から2.5%から2.7%へ引き上げ**られます。

 

**法定雇用率の推移**

・2024年4月~:2.5%

・2026年7月~:2.7%

 

**対象企業の範囲拡大**

 

法定雇用率の引き上げに伴い、雇用義務の対象となる企業の範囲も拡大します。

 

**対象企業**

・現行(2.5%):常用労働者40人以上

・2026年7月~(2.7%):常用労働者37.5人以上(概ね38人規模)

 

これまで対象外だった小規模な派遣会社も、新たに義務を負うことになります。

 

 4-2. 派遣会社への影響

 

派遣会社は、派遣労働者を含めた常用労働者数でカウントされます。法定雇用率を達成できない場合、以下のペナルティがあります。

 

**法定雇用率未達成のペナルティ**

・障害者雇用納付金の支払い(常用労働者100人超の企業)

・企業名の公表(行政指導に従わない場合)

・助成金の受給制限

 

 4-3. 実務対応のポイント

 

✅ **自社の常用労働者数の確認**

派遣労働者を含む常用労働者数を確認し、法定雇用率引き上げ後に何人の障害者を雇用すべきかを試算しましょう。

 

**計算例**

常用労働者50人の派遣会社の場合

・50人 × 2.7% = 1.35人 → 2人(端数切り上げ)

 

✅ **障害者を受け入れ可能な業務・ポジションの検討**

障害の種類や程度に応じて、どのような業務であれば対応可能かを検討しましょう。

 

**受け入れやすい業務例**

・データ入力

・軽作業

・清掃業務

・事務補助

 

✅ **採用計画の策定**

ハローワークの障害者専門窓口や、障害者就業・生活支援センター、民間の人材紹介会社などを活用して、採用活動を進めましょう。

 

✅ **職場環境の整備**

バリアフリー化、支援機器の導入、短時間勤務制度の整備など、障害者が働きやすい環境を整えましょう。

 

✅ **受け入れ部署の研修**

障害者を受け入れる部署の社員に対して、障害理解や配慮のポイントについて研修を実施しましょう。

 

✅ **助成金の活用**

障害者雇用に関する各種助成金(特定求職者雇用開発助成金、障害者雇用安定助成金など)を活用しましょう。

 

【5】労働安全衛生法の改正:ストレスチェック義務化の拡大

 

 5-1. ストレスチェックの全事業場への義務化(2028年頃施行予定)

 

**改正の概要**

 

現在、ストレスチェック制度は「常時50人以上の労働者を雇用する事業場」にのみ義務付けられていますが、**2028年頃(法改正公布後3年以内)を目途に、全事業場への義務化**が予定されています。

 

これにより、これまで努力義務とされていた従業員数50人未満の事業場でも、ストレスチェックの実施が必須となります。

 

**背景・目的**

 

労働者のメンタルヘルス不調が年々増加しており、特に小規模事業場では専門的な対策が不十分であることが課題となっています。全事業場への義務化により、早期発見・予防体制を構築することが目的です。

 

 5-2. 派遣会社への影響

 

派遣会社は、事業場ごとに従業員数をカウントします。本社、支社、営業所など、各事業場が50人未満であっても、2028年以降はストレスチェックの実施が義務化されます。

 

**主な影響**

・ストレスチェック実施のコスト増加

・産業医や保健師の確保

・高ストレス者への面接指導の実施

・職場環境改善の取り組み

 

 5-3. 実務対応のポイント

 

✅ **ストレスチェックの実施体制の整備**

外部機関への委託、または社内での実施体制を検討しましょう。

 

✅ **産業医・保健師の確保**

高ストレス者への面接指導を行うため、産業医または保健師を確保しましょう。小規模事業場では、複数の企業で共同して産業医を確保することも可能です。

 

✅ **ストレスチェックツールの選定**

厚生労働省が提供する無料のツール、または民間の有料ツールを比較検討しましょう。

 

✅ **プライバシー保護の体制整備**

ストレスチェックの結果は個人情報であり、厳格な管理が必要です。閲覧権限の設定、保管方法などを明確にしましょう。

 

✅ **職場環境改善の計画策定**

ストレスチェックの集団分析結果に基づき、職場環境改善の計画を策定しましょう。

 

✅ **予算の確保**

ストレスチェックの実施には費用がかかります。2028年施行に向けて、予算を確保しましょう。

 

 5-4. 高年齢者・個人事業者等の労働災害防止(2026年4月施行)

 

2026年4月からは、高年齢者や個人事業者等の労働災害防止のための措置も強化されます。

 

**主な内容**

・高年齢者の身体機能の低下を踏まえた安全配慮

・個人事業者等(フリーランスなど)への安全衛生教育の努力義務

 

派遣会社は、高齢の派遣労働者に対して、安全配慮を強化する必要があります。

 

【6】その他の重要な法改正・動向

 

 6-1. 労働基準法の大改正は見送り

 

2026年に向けて、約40年ぶりとなる労働基準法の大改正が検討されていましたが、現時点では見送りとなっています。

 

**検討されていた主な内容**

・勤務間インターバル制度の義務化

・連続勤務の上限規制

・法定休日の明確化

・有給休暇の賃金算定方法の見直し

 

ただし、今後再び議論が活発化する可能性があるため、動向を注視する必要があります。

 

 6-2. 「つながらない権利」の議論

 

勤務時間外の業務連絡を制限する「つながらない権利」についても議論が進んでいます。現時点では法制化には至っていませんが、企業の自主的な取り組みが推奨されています。

 

派遣会社としても、派遣労働者の勤務時間外の連絡について、ルールを明確にすることが望ましいでしょう。

 

【7】法改正対応の優先順位とスケジュール管理

 

複数の法改正が同時に進行する中、派遣会社はどのように対応を進めればよいのでしょうか。優先順位とスケジュール管理のポイントをお伝えします。

 

 7-1. 優先順位の考え方

 

**【最優先】2026年4月施行の法改正**

・女性活躍推進法(101人以上の企業)

・子ども・子育て支援金制度

・年金制度改正(在職老齢年金)

 

**【優先】2026年7月施行の法改正**

・障害者雇用促進法(法定雇用率引き上げ)

 

**【計画的対応】2026年10月以降の法改正**

・年金制度改正(被用者保険の適用拡大)

 

**【中長期的対応】2028年頃施行の法改正**

・労働安全衛生法(ストレスチェック義務化)

 

 7-2. 法改正対応のスケジュール例

 

**2026年1月~3月**

・女性活躍推進法:男女間賃金差異・女性管理職比率のデータ集計

・子ども・子育て支援金:給与計算システムの改修準備

・障害者雇用:採用計画の策定、受け入れ準備

 

**2026年4月**

・女性活躍推進法:情報公表

・子ども・子育て支援金:徴収開始

・年金制度改正:在職老齢年金の基準変更

 

**2026年4月~6月**

・障害者雇用:採用活動の本格化、職場環境整備

 

**2026年7月**

・障害者雇用:法定雇用率2.7%の適用開始

 

**2026年7月~9月**

・年金制度改正(10月施行分):対象者の洗い出し、派遣労働者への説明準備

 

**2026年10月**

・年金制度改正:被用者保険の適用拡大(賃金要件撤廃)

 

まとめ:法改正を成長の機会に変える

 

2026年度は、人事労務分野において多岐にわたる法改正が施行される「変革の年」です。派遣会社の経営者にとって、これらの法改正への対応は大きな負担となる可能性があります。しかし、視点を変えれば、これは企業の体質を強化し、競争力を高める絶好の機会でもあります。

 

**法改正対応を成長の機会に変えるポイント**

 

✅ **コンプライアンス体制の強化**

法改正に適切に対応することで、コンプライアンス体制が強化され、行政指導や労働トラブルのリスクが低減します。

 

✅ **人材確保力の向上**

女性活躍、障害者雇用、高齢者雇用など、多様な人材が活躍できる環境を整えることで、人材確保力が向上します。

 

✅ **企業イメージの向上**

法令を遵守し、働く人を大切にする企業として、社会的評価が高まります。

 

✅ **派遣先企業からの信頼獲得**

適切な法改正対応は、派遣先企業からの信頼獲得につながります。「この派遣会社は信頼できる」と評価されることで、長期的な取引関係が構築されます。

 

**今すぐ始めるべきアクション**

 

✅ 自社の従業員数(派遣労働者含む)を正確に把握する

✅ 各法改正の施行日とスケジュールを一覧表にまとめる

✅ 社会保険労務士など専門家への相談体制を整える

✅ 社内プロジェクトチームを立ち上げ、担当者を明確にする

✅ 必要な予算を確保する

✅ 派遣労働者への説明資料を準備する

✅ 派遣先企業への情報提供を準備する

 

2026年度の法改正は、確かに対応すべき事項が多く、負担に感じられるかもしれません。しかし、計画的に準備を進め、専門家のサポートを受けながら一つひとつ対応していけば、必ず乗り越えられます。

 

派遣労働者、派遣会社、派遣先企業の三方が共に成長できる未来を目指して、法改正への対応を着実に進めていきましょう。

 

【参考情報】

・厚生労働省「2026年度人事労務関連法改正まとめ」

・アデコ株式会社「人事・労務関連の法改正まとめ」

・各種法令(年金制度改正法、女性活躍推進法、子ども・子育て支援法、障害者雇用促進法、労働安全衛生法)

 

【記事URL】

https://www.adecco.com/ja-jp/client/useful/column/law/hr-law-updates-2026

【2026年度最新】派遣「労使協定方式」の一般賃金水準が公表!派遣会社が押さえるべき実務対応と賃金改定のポイント   2026.02.22

派遣会社の経営者・人事担当者の皆様、2026年度適用分の「一般労働者の賃金水準(局長通達)」が厚生労働省から公表されました。労使協定方式を採用している派遣会社(全体の9割以上)にとって、この通達は派遣労働者の賃金を決定する重要な基準となります。

 

2025年度と比較して、通勤手当は73円から79円へ6円増加し、その他の指数も更新されています。本記事では、2026年度の一般賃金水準のポイントと、派遣会社が今すぐ対応すべき実務について詳しく解説します。

 

## 労使協定方式とは:同一労働同一賃金の基本をおさらい

 

### 派遣法における2つの待遇決定方式

 

2020年4月施行の改正派遣法により、派遣労働者の待遇決定方式として、以下の2つが義務化されました。

 

**1. 派遣先均等・均衡方式(派遣先方式)**

派遣先企業の正社員と派遣労働者の待遇を比較し、不合理な待遇差を解消する方式。派遣先企業から詳細な待遇情報を提供してもらう必要があります。

 

**2. 労使協定方式**

派遣元(派遣会社)が労働者代表と労使協定を締結し、一般労働者の賃金水準(職業安定局長通達)以上の賃金を支払う方式。派遣先企業が変わっても、派遣労働者の賃金が安定するメリットがあります。

 

現在、9割以上の派遣会社が「労使協定方式」を選択しています。その理由は、派遣先企業ごとに待遇情報を収集する手間が省けることと、派遣労働者の賃金が派遣先の変更により不安定にならないためです。

 

### 一般労働者の賃金水準(局長通達)の役割

 

労使協定方式を採用する場合、派遣労働者に支払う賃金は「一般労働者の賃金水準」以上でなければなりません。この賃金水準は、厚生労働省の職業安定局長が各都道府県労働局長あてに発令する「局長通達」として、毎年公表されます。

 

一般労働者の賃金水準は、以下の統計データをベースに算出されます。

 

**データソース**

・「職業安定業務統計」(ハローワーク統計):一般労働者の賃金データ

・「賃金構造基本統計調査」(賃構統計):産業別・職種別の詳細な賃金データ

 

これらの最新データ(2024年度のハローワーク統計と2024年の賃構統計)を用いて、2026年度適用分の一般賃金水準が算出されました。

 

## 2026年度の一般賃金水準:主な変更点と注目ポイント

 

### 通勤手当が73円から79円へ6円増加

 

最も注目すべき変更点は、**通勤手当が時給換算で73円から79円へ6円増加**したことです。これは約8.2%の増加率であり、通勤費の実勢を反映したものです。

 

派遣会社は、労使協定方式を採用している場合、派遣労働者への通勤手当を少なくとも79円以上(時給換算)支払う必要があります。

 

**実務上の対応**

・現在の通勤手当が73円未満の派遣労働者については、79円以上に引き上げる

・通勤手当を実費支給している場合でも、時給換算で79円以上となっているかを確認

・派遣労働者への説明資料を準備する

 

### その他の指数の変更点

 

**学歴計初任給との調整:12.5%(0.1ポイント減)**

一般労働者の初任給水準との調整係数です。2025年度の12.6%から0.1ポイント減少しました。これは、経験年数に応じた賃金カーブを反映するための指数です。

 

**退職金割合:5%(変更なし)**

退職金制度を設けていない場合、賃金に上乗せする割合です。2025年度から変更はありません。

 

**賞与指数:0.02(変更なし)**

賞与相当分を時給に換算するための指数です。こちらも2025年度から変更はありません。

 

### 昨今の経済・物価動向を勘案した賃金決定の要請

 

2024年度の局長通達から、本文に以下の文言が追加されており、2026年度も引き続き記載されています。

 

「協定対象派遣労働者の待遇改善を進める観点から、改訂後の一般賃金水準を順守した上で、昨今の経済・物価動向及び賃金動向を勘案して賃金を決定するよう労使で十分に協議すること」

 

これは、局長通達の賃金水準を最低基準として守った上で、さらに物価上昇や賃金動向を踏まえて、より高い賃金を設定するよう求めるものです。

 

つまり、「局長通達の賃金水準さえクリアすれば良い」というわけではなく、経済状況に応じてより手厚い待遇を提供することが期待されています。

 

## 派遣会社が今すぐ対応すべき実務ステップ

 

2026年度の一般賃金水準に対応するため、派遣会社は以下のステップで実務を進める必要があります。

 

### ステップ1:現状の賃金水準の確認

 

まず、自社の派遣労働者の賃金が2026年度の一般賃金水準を満たしているかを確認しましょう。

 

**確認ポイント**

・基本給(時給)が職種別・地域別の一般賃金水準以上か

・通勤手当が79円以上(時給換算)か

・退職金制度がない場合、5%の上乗せがあるか

・賞与に相当する支給があるか、または賞与指数に基づく上乗せがあるか

 

### ステップ2:不足分の賃金改定計画の策定

 

一般賃金水準を下回っている派遣労働者がいる場合、賃金改定が必要です。改定のタイミングと金額を計画しましょう。

 

**改定タイミングの例**

・2026年4月1日(年度の切り替え)

・派遣契約の更新時

・労使協定の改定時

 

一斉に改定する方法と、契約更新時に順次改定する方法がありますが、派遣労働者間の公平性を考えると、一斉改定が望ましいでしょう。

 

### ステップ3:労使協定の改定

 

労使協定方式を採用している場合、労使協定書を2026年度の一般賃金水準に対応した内容に改定する必要があります。

 

**改定が必要な項目**

・基本給・賞与等の決定方法(2026年度の一般賃金水準を参照)

・通勤手当(79円以上)

・その他の手当や福利厚生

 

労使協定は、労働者代表(過半数労働組合または過半数代表者)との協議の上で締結します。労働者代表の選出手続きが適正に行われているかも確認しましょう。

 

### ステップ4:派遣労働者への説明

 

賃金改定を行う場合、派遣労働者に対して丁寧な説明が必要です。

 

**説明すべき内容**

・2026年度の一般賃金水準が公表されたこと

・それに伴い、自社の賃金も改定すること

・改定後の具体的な賃金額

・改定のタイミング

・質問や相談がある場合の連絡先

 

説明は、個別の面談、説明会、書面の配布など、複数の方法を組み合わせると効果的です。

 

### ステップ5:派遣先企業との料金交渉

 

派遣労働者の賃金を引き上げる場合、派遣先企業に対して派遣料金の改定を交渉する必要があります。

 

**交渉のポイント**

・厚生労働省の局長通達に基づく賃金改定であることを説明

・派遣料金の適正化に関する政府指針を提示

・派遣労働者の待遇改善が派遣先企業にとってもメリットがあることを強調

 

料金交渉については、前述の「派遣料金の適正化」に関する記事も参考にしてください。

 

### ステップ6:給与計算システムの更新

 

賃金改定に伴い、給与計算システムの更新が必要です。

 

**更新が必要な項目**

・基本給(時給)のマスタ

・通勤手当の計算ロジック

・その他の手当の設定

 

システム更新には時間がかかる場合があるため、早めに着手しましょう。

 

### ステップ7:記録の保管

 

労使協定書、賃金改定の根拠資料、派遣労働者への説明資料などは、適切に保管しましょう。行政指導や監査の際に提示を求められることがあります。

 

**保管すべき記録**

・労使協定書(原本)

・労働者代表の選出に関する記録

・2026年度の一般賃金水準(局長通達)

・賃金改定の決定に関する稟議書

・派遣労働者への説明資料

・派遣先企業との料金交渉の記録

 

## 物価・賃金動向を踏まえた「プラスアルファ」の検討

 

前述の通り、局長通達には「昨今の経済・物価動向及び賃金動向を勘案して賃金を決定する」よう求める文言が記載されています。

 

### 2024〜2026年の経済状況

 

2024年以降、日本経済は以下のような状況にあります。

 

**物価動向**

・消費者物価指数(CPI)は前年比2〜3%の上昇が続いている

・特にエネルギー価格、食料品価格の上昇が顕著

 

**賃金動向**

・2024年の春闘では、大手企業を中心に5%超の賃上げが実現

・中小企業でも3〜4%の賃上げが一般的

・最低賃金も毎年3〜4%のペースで引き上げられている

 

### 局長通達を上回る賃金設定の検討

 

こうした経済状況を踏まえると、局長通達の賃金水準はあくまで「最低基準」であり、物価上昇に見合った賃金改定を行うには、さらに上乗せが必要です。

 

**上乗せの目安**

・物価上昇率(2〜3%)を考慮した賃金改定

・同業他社の賃金動向を参考にした競争力のある賃金設定

・派遣労働者のスキルや経験に応じた適正な評価

 

たとえば、局長通達の賃金水準が時給1,500円だとしても、物価上昇率3%を考慮すれば、1,545円(1,500円×1.03)が適正水準と言えます。

 

### 優秀な人材確保のための戦略的賃金設定

 

人材不足が深刻化する中、優秀な派遣労働者を確保するためには、競合他社よりも魅力的な待遇を提供することが重要です。

 

**戦略的賃金設定のポイント**

・局長通達の賃金水準を基本としつつ、さらに5〜10%上乗せ

・経験年数やスキルレベルに応じた明確な昇給制度

・資格取得やスキルアップに対するインセンティブ

・長期勤続に対する手当や表彰制度

 

「選ばれる派遣会社」になるためには、単に法令を遵守するだけでなく、派遣労働者にとって魅力的な待遇を提供することが不可欠です。

 

## よくある質問:労使協定方式の実務Q&A

 

### Q1. 労使協定の有効期間はどのくらいが適切?

 

**A.** 労使協定には法定の有効期間はありませんが、一般的には1年間とするケースが多いです。毎年、一般賃金水準が更新されるため、それに合わせて労使協定も毎年改定することが推奨されます。

 

### Q2. 労働者代表はどのように選出すればよい?

 

**A.** 労働者代表は、以下のいずれかです。

 

・過半数労働組合(派遣労働者の過半数が加入する労働組合)

・過半数代表者(派遣労働者の過半数を代表する者を、投票・挙手などの民主的な方法で選出)

 

多くの派遣会社では過半数代表者を選出しています。選出プロセスは記録として保管しましょう。

 

### Q3. 派遣労働者ごとに賃金が異なっても問題ない?

 

**A.** はい、問題ありません。労使協定方式では、「一般労働者の賃金水準以上」であることが要件であり、派遣労働者ごとに経験やスキルに応じて賃金を設定することは可能です。むしろ、公正な評価に基づく賃金設定が推奨されます。

 

### Q4. 一般賃金水準を下回っている派遣労働者が見つかった場合、遡って賃金を支払う必要がある?

 

**A.** 法令上、遡及支払いの義務はありませんが、発覚した時点で速やかに是正することが必要です。また、長期間にわたり一般賃金水準を下回っていた場合、行政指導の対象となる可能性があります。

 

### Q5. 派遣先企業が料金改定に応じない場合はどうすればよい?

 

**A.** まず、政府指針や日本人材派遣協会の依頼文書を提示し、労務費の適切な転嫁の必要性を説明しましょう。それでも応じない場合は、都道府県労働局に相談することも検討してください。

 

また、長期的には、適正な対価を支払わない派遣先企業との取引を見直すことも選択肢です。

 

## 派遣労働者とのコミュニケーションが成功の鍵

 

賃金改定を成功させるためには、派遣労働者とのコミュニケーションが非常に重要です。

 

### 派遣労働者の不安を解消する

 

賃金改定の時期には、派遣労働者から様々な質問や不安の声が寄せられます。

 

**よくある質問**

・「私の賃金はいくらになるの?」

・「いつから変わるの?」

・「派遣先が変わっても同じ賃金が保証されるの?」

 

こうした質問に丁寧に対応することで、派遣労働者の信頼を獲得できます。

 

### 定期的な面談の実施

 

賃金改定のタイミングだけでなく、定期的に派遣労働者と面談を行い、キャリアプランや待遇に関する希望をヒアリングすることが重要です。

 

**面談で確認すべき内容**

・現在の仕事の満足度

・スキルアップの希望

・賃金や待遇に関する要望

・キャリアプランの方向性

 

### 派遣労働者の声を経営に反映

 

派遣労働者から寄せられた意見や要望は、経営層に報告し、可能な限り制度改善に反映させましょう。「自分たちの声が届いている」と感じてもらうことが、定着率向上につながります。

 

## まとめ:2026年度の賃金改定は派遣会社の信頼を高めるチャンス

 

2026年度の一般賃金水準の公表に伴い、労使協定方式を採用している派遣会社は、派遣労働者の賃金を見直す必要があります。これは法令遵守のための義務であると同時に、派遣労働者からの信頼を高め、優秀な人材を確保するための絶好の機会でもあります。

 

**今すぐ始めるべきアクション**

✅ 厚生労働省のウェブサイトから2026年度の局長通達を入手

✅ 自社の派遣労働者の賃金が一般賃金水準を満たしているかを確認

✅ 必要に応じて賃金改定計画を策定

✅ 労使協定の改定準備を開始

✅ 派遣労働者への説明資料を作成

✅ 派遣先企業との料金交渉を準備

✅ 物価・賃金動向を踏まえた「プラスアルファ」の賃金設定を検討

 

派遣労働者の待遇改善は、派遣会社の社会的責任であり、同時に企業の競争力を高める投資でもあります。法令を遵守することはもちろん、それを上回る魅力的な待遇を提供することで、「選ばれる派遣会社」を目指しましょう。

 

派遣労働者の笑顔が、派遣会社の成長につながります。2026年度の賃金改定を成功させ、派遣労働者にとっても派遣会社にとっても、より良い未来を築いていきましょう。

 

【参考情報】

・厚生労働省「同種の業務に従事する一般労働者の賃金水準(2026年度適用)」

・労働者派遣法、同一労働同一賃金ガイドライン

 

【記事URL】

https://www.careerpower.co.jp/topics/2025/09/02/news250902_1/

【2026年春施行予定】派遣法・パート有期法の省令改正で何が変わる?派遣会社経営者が今から準備すべき実務対応   2026.02.22

派遣会社の経営者の皆様、2026年春に重要な法改正が予定されていることをご存知でしょうか。労働政策審議会が約1年間にわたる議論の末に報告書を取りまとめ、厚生労働省は派遣法およびパート有期法の省令・指針を改正する方針を固めました。この改正は、2020年4月に施行された「同一労働同一賃金」のさらなる推進を目指すもので、派遣会社の実務に大きな影響を与えます。本記事では、改正の具体的な内容と、派遣会社が今から準備すべき実務対応について詳しく解説します。

 

法改正の背景:働き方改革から5年、同一労働同一賃金は道半ば

 

 2020年改正派遣法の検証

 

2020年4月、働き方改革関連法の一環として、派遣法とパート有期法が改正され、「同一労働同一賃金」の考え方が導入されました。この改正により、派遣労働者と正社員の間の不合理な待遇差を解消することが求められました。

 

しかし、施行から約5年が経過した現在、「同一労働同一賃金の実現は道半ば」というのが労働者側の評価です。確かに、制度は導入されましたが、運用面での課題や、企業によって取り組みの温度差があることが指摘されています。

 

 労働政策審議会「同一労働同一賃金部会」の議論

 

こうした状況を踏まえ、2026年2月から労働政策審議会「同一労働同一賃金部会」(通称:同一部会)が、派遣法とパート有期法の見直しについて議論を開始しました。約1年間にわたる精力的な議論の末、2025年12月25日に報告書が取りまとめられました。

 

この報告書では、現行制度の課題を整理し、より実効性のある制度とするための改善策が盛り込まれています。厚生労働省は、この報告書に基づき、2026年春をメドに省令・指針の改正案を同部会に諮問し、了承を得た上で施行する方針です。

 

改正の4本柱:派遣会社が押さえるべき重要ポイント

 

今回の改正は、以下の4本柱で構成されています。それぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。

 

 柱1:均等・均衡待遇のさらなる強化

 

**同一労働同一賃金ガイドラインのさらなる明確化**

 

現行の「同一労働同一賃金ガイドライン」は、どのような待遇差が「不合理」とみなされるのかを示していますが、実務上の判断に迷うケースが多いという課題がありました。今回の改正では、ガイドラインがさらに明確化され、具体的な事例が追加される見込みです。

 

派遣会社としては、改正後のガイドラインを熟読し、自社の待遇決定方式(派遣先均等・均衡方式または労使協定方式)が適切に運用されているかを再確認する必要があります。

 

**派遣労働者の意見の反映**

 

派遣労働者やパート・有期雇用労働者の意見を、待遇決定のプロセスに反映させる仕組みの構築が求められます。具体的には、労使協定の締結プロセスにおいて、派遣労働者の代表から意見を聴取する機会を設けることなどが考えられます。

 

派遣会社は、派遣労働者とのコミュニケーションを強化し、現場の声を丁寧に拾い上げる体制を整える必要があります。

 

**労働者派遣制度における待遇決定方式の運用改善**

 

派遣法では、「派遣先均等・均衡方式」と「労使協定方式」の2つの待遇決定方式がありますが、それぞれの運用において課題が指摘されています。

 

たとえば、労使協定方式において、一般労働者の賃金水準(職業安定局長通達)を形式的にクリアしていても、実質的には派遣労働者の待遇が十分でないケースがあるとの指摘があります。今回の改正では、こうした運用面の改善が図られる見込みです。

 

**福利厚生施設の利用機会の提供**

 

派遣先企業が保有する食堂、休憩室、更衣室などの福利厚生施設について、派遣労働者にも利用機会を提供することが求められます。これは、派遣労働者が派遣先で働く上での「一体感」を高め、職場環境を改善するための措置です。

 

派遣会社は、派遣契約を締結する際に、福利厚生施設の利用について派遣先企業と協議し、契約書に明記することが重要です。

 

**いわゆる「立証責任」の明確化**

 

待遇差が「不合理」かどうかが争われた場合、誰がその合理性を立証するのかという「立証責任」の問題が議論されました。報告書では、この点についても一定の整理がなされる見込みです。

 

派遣会社としては、待遇決定の根拠を明確に記録し、必要に応じて説明できるよう、文書化しておくことが重要です。

 

 柱2:労働者に対する待遇に関する説明義務の改善

 

**待遇の相違の内容及び理由等の説明を求めることができる旨の明示**

 

現行法でも、派遣労働者は待遇の相違について説明を求めることができますが、その権利が十分に認知されていないという課題がありました。今回の改正では、労働条件明示事項として、「待遇の相違について説明を求めることができる」旨を追加することが検討されています。

 

派遣会社は、派遣労働者への労働条件通知書に、この権利を明記する必要があります。また、派遣労働者が気軽に質問できる相談窓口を設置することも重要です。

 

**待遇の相違の内容及び理由等の説明の方法**

 

説明の方法についても、より具体的なガイドラインが示される見込みです。単に「法令に基づいて決定しています」という抽象的な説明ではなく、具体的な根拠を示すことが求められます。

 

派遣会社は、待遇決定の根拠となるデータ(派遣先の正社員の待遇情報、一般労働者の賃金水準など)を整理し、分かりやすく説明できる資料を準備しておくべきです。

 

 柱3:公正な評価による待遇改善の促進

 

**公正な評価による待遇改善の促進**

 

派遣労働者の能力やスキルを公正に評価し、それに基づいて待遇を改善する仕組みの構築が求められます。これは、派遣労働者のモチベーション向上とキャリア形成を支援するための措置です。

 

派遣会社は、派遣労働者の評価制度を整備し、定期的な面談やフィードバックを通じて、スキルアップの機会を提供することが重要です。

 

**情報公表の促進**

 

企業の待遇に関する情報公表を促進することで、求職者が企業を選ぶ際の判断材料を提供し、企業間の競争を通じて待遇改善を促す狙いがあります。

 

派遣会社も、自社の待遇情報(平均賃金、福利厚生の内容、キャリアアップ支援など)を積極的に公表することで、優秀な人材を確保しやすくなります。

 

**正社員転換支援・キャリアアップ**

 

派遣労働者が希望する場合に、正社員への転換を支援する仕組みの強化が求められます。また、派遣労働者としてのキャリアアップ(より高度な業務への挑戦、資格取得支援など)も推進されます。

 

派遣会社は、正社員転換制度を整備し、派遣労働者に対してキャリアパスを明示することが重要です。

 

**「多様な正社員」制度の普及促進**

 

いわゆる「限定正社員」(勤務地限定、職種限定、短時間正社員など)の制度を普及させることで、派遣労働者が正社員として働きやすくなる環境を整備します。

 

派遣会社自身が、こうした多様な正社員制度を導入することも検討すべきでしょう。

 

**無期雇用フルタイム労働者への同一労働同一賃金の波及**

 

同一労働同一賃金の考え方は、派遣労働者やパート・有期雇用労働者だけでなく、無期雇用フルタイム労働者にも波及させることが目指されています。

 

 柱4:行政による履行確保

 

**制度周知の強化**

 

厚生労働省は、改正内容について企業と労働者に対して丁寧な周知を行う方針です。説明会の開催、リーフレットの配布、ウェブサイトでの情報提供などが予定されています。

 

派遣会社は、こうした情報を積極的に収集し、社内研修などを通じて担当者に周知することが重要です。

 

**企業の取り組み支援**

 

行政は、企業が改正に対応するための支援策を充実させる方針です。たとえば、社会保険労務士による無料相談、助成金の活用などが考えられます。

 

派遣会社は、こうした支援策を活用し、改正への対応をスムーズに進めるべきです。

 

派遣会社が今から準備すべき実務対応

 

改正の施行は2026年春以降と見込まれていますが、施行後に慌てて対応するのではなく、今から計画的に準備を進めることが重要です。以下、具体的な準備項目を挙げます。

 

 1. 待遇決定方式の再確認と見直し

 

**労使協定方式を採用している場合**

・労使協定の内容が、改正後のガイドラインに適合しているかを確認

・一般労働者の賃金水準が最新のもの(2026年度適用分)に更新されているかを確認

・派遣労働者の代表からの意見聴取プロセスが適切に行われているかを確認

 

**派遣先均等・均衡方式を採用している場合**

・派遣先から提供される待遇情報が十分かつ正確かを確認

・派遣労働者の待遇が派遣先の正社員と比較して不合理な差がないかを確認

 

 2. 労働条件通知書の改定

 

労働条件通知書に、「待遇の相違について説明を求めることができる」旨を明記する必要があります。また、相談窓口の連絡先も記載しましょう。

 

 3. 待遇説明資料の整備

 

派遣労働者から待遇の相違について説明を求められた際に、すぐに対応できるよう、説明資料を準備しておきましょう。

 

**資料に含めるべき内容**

・待遇決定方式(労使協定方式または派遣先均等・均衡方式)の説明

・具体的な待遇の内容(賃金、賞与、手当、福利厚生など)

・待遇差がある場合、その理由と根拠

・キャリアアップの機会や正社員転換制度の説明

 

 4. 評価制度の整備

 

派遣労働者の能力やスキルを公正に評価し、待遇改善につなげる仕組みを整備しましょう。

 

**評価制度のポイント**

・評価基準を明確にする(客観的で公正な基準)

・定期的な面談を実施する(年1~2回)

・評価結果を待遇に反映させる(昇給、スキルアップ研修の機会など)

・派遣労働者にフィードバックを行う

 

 5. 派遣先企業との契約書の見直し

 

派遣先企業との契約書に、福利厚生施設の利用について明記することを検討しましょう。また、派遣先から提供される待遇情報が十分かどうかも確認が必要です。

 

 6. 社内研修の実施

 

人事担当者や営業担当者に対して、改正内容についての研修を実施しましょう。特に、派遣労働者からの質問に適切に対応できるよう、Q&A集を作成しておくと良いでしょう。

 

 7. 情報公表の準備

 

自社の待遇情報を公表する準備を進めましょう。公表する内容としては、以下が考えられます。

 

**公表が推奨される情報**

・平均賃金(職種別、経験年別など)

・福利厚生の内容

・キャリアアップ支援の実績(研修受講者数、正社員転換者数など)

・派遣労働者の定着率

・派遣労働者の満足度調査結果

 

 8. 正社員転換制度の整備

 

派遣労働者が希望する場合に正社員へ転換できる制度を整備しましょう。また、「限定正社員」などの多様な働き方も検討すると良いでしょう。

 

労使の評価と今後の展望

 

 労働者側の評価

 

報告書の取りまとめにあたり、労働者側委員は「働き方改革施行後5年の見直しという点では決して十分とは言えず、同一労働同一賃金の実現は道半ばだ」と指摘しています。しかし一方で、「待遇の説明義務の運用改善など重要な項目が加わるなど、現場が直面している課題や疑問への対応に資する見直しが示されている」と評価しています。

 

つまり、完璧な改正ではないものの、現場の実態に即した改善が盛り込まれているということです。

 

 使用者側の評価

 

使用者側委員は「経営環境が大きく変化する中、企業が付加価値を最大化するためには多様な働き手の労働生産性向上を図っていかなければならない」と強調しています。また、「事業主の対応を求める多くの項目が盛り込まれており、いずれもパート有期と派遣労働者の待遇改善につながるものと考えている」と述べています。

 

使用者側としても、この改正を単なる負担増と捉えるのではなく、人材の有効活用と労働生産性向上の機会と捉えているようです。

 

 今後の施行スケジュール

 

厚生労働省は、2026年3月までに施行日を含む改正要綱案を公表する方針です。その後、パブリックコメント(意見公募)を経て、正式に省令・指針が改正されます。

 

企業と労働者への周知と準備期間を設けた上で施行される見込みですが、施行時期は早ければ2026年秋、遅くとも2027年春になると予想されます。

 

まとめ:今から始める改正対応で差をつける

 

2026年春に予定される派遣法・パート有期法の省令改正は、派遣会社の実務に大きな影響を与えます。しかし、これを単なる「負担」と捉えるのではなく、「派遣労働者の待遇改善と企業の競争力強化を両立させる機会」と捉えることが重要です。

 

改正への対応が早い企業は、以下のメリットを享受できます。

 

**早期対応のメリット**

・派遣労働者からの信頼が高まり、優秀な人材を確保しやすくなる

・派遣先企業からも「コンプライアンスに強い信頼できる派遣会社」として評価される

・行政指導や労働トラブルのリスクが低減する

・業界内での差別化につながり、競争優位性が高まる

 

今から計画的に準備を進め、改正を「成長の機会」として活かしましょう。派遣労働者の笑顔と、派遣会社の持続的成長の両立を目指して、一歩ずつ前進していきましょう。

 

【参考情報】

・厚生労働省「労働政策審議会(職業安定分科会労働力需給制度部会)報告書」

・同一労働同一賃金ガイドライン

・労働者派遣法、パートタイム・有期雇用労働法

 

【記事URL】

https://tsuna-ken.com/news/haken_20251229/

 

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  • メンタルヘルス関係で初めて面白い(役に立つ)情報が聞けたと思います。
  • 大変に良い研修ですので、これからも続けて貰えるとありがたいです。
  • 中間管理職として守るべきというか、部下に対してどのような人事労務管理をすればよいのか、中小企業向けに別途講習会をやってほしいと思った。
  • 株式会社LEC 様 主催
    「介護雇用管理研修」業務委託登録講師
  • 株式会社フィールドプランニング 様 主催
    「派遣元・派遣先・職業紹介責任者講習」業務委託主任講師
  • 神奈川韓国商工会議所様 主催
    経営者セミナー「お役立ち助成金講座
    (雇用の確保と5年ルールへの対応策)」
  • 日本経営開発協会様 御紹介
    株式会社根布工業様 主催
    安全大会「入ってないと、どうなっちゃうの?社会保険のこわ~いお話」
泉文美 講師紹介ページ

講演会の講師紹介・講師派遣なら講演依頼.com

研修について

当事務所代表が、会社様のご依頼に基づき、会社様の具体的な人事労務に関わる内容(個別事案)について、オーダーメイドのプログラムを作成し、社員の皆様に研修するものです。

研修のご依頼例

  • 就業規則を変更したので、わかりやすい説明会を開いてほしい
  • 給与規定を見直したので、従業員に説明をしてほしい
  • 従業員向けの、接客マナー、敬語などのレッスン会をしてほしい

執筆のご依頼

雑誌・メルマガ、HPコラムなど、ご希望に沿ったテーマで記事を執筆いたします。

掲載履歴

HP記事執筆

ハッケン!リクナビ派遣に「働き改革!派遣社員が選べるふたつの雇用とは」と題する記事を執筆しました。

「働き方改革!派遣社員が選べるふたつの雇用とは」

「近代中小企業」2月号

「近代中小企業」2月号

「近代中小企業」2月号に記事を執筆しました。

「元ハローワーク職員が教える!ハローワーク求人&助成金活用法」

「SR」 9月号

SR 9月号

ハローワークを始め、社会保険事務所(現:年金事務所)、労働基準監督署でも勤務経験を持ち、「お役所の裏事情に詳しい社労士」として定評のある我がみなとみらい人事コンサルティング代表。

ハローワークでの勤務経験を買われ、日本法令様出版の「SR 9月号」に記事を執筆しました。

(第27号 2012年8月6日発売)

元職員が指南する!ハローワークの効果的な利用の仕方

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