採用・求人
内定辞退率は増加傾向。新卒採用はさらに長期化・農耕型へ 2024.09.01
昨年に続き、「売り手市場」と言われる25年卒学生の採用活動もピークをすぎました。企業の好業績に加えて今後の人口減少を危惧しての人材確保も相まって、多くの企業が採用枠を増やし、しばらくこの状況は続くと見られています。
25卒採用のここまでの動向とともに、さらに早期化する新卒採用の動きについてお伝えします。
◾️【25卒:企業】主要企業の「選考終了」21.1%。「質は満足」だが「充足率は5割」
株式会社キャリタスは、全国の有力企業を対象に、2025卒の採用活動状況について調査しました。
まず、エントリー数、そこからの応募者数について、過半数の企業が「前年より減った」と答えており、母集団の形成がより深刻になっていることが伺えます。
選考を終了した企業は全体の 21.1%。採用予定数に対しての充足率の平均は 54.0%にとどまりました。内定者の質には満足する企業が多いものの、予定数に届かず、量を確保できていない企業が多いようです。また今後も採用活動を継続する企業の 6 割近くが「充足は難しい」と考えており、これは年々増加する傾向にあります。
また、同調査では、26卒以降の採用施策についても聞いています。それによると、「インターンシップ」を実施すると回答した企業は昨年より10ポイント高い76.8%。またそのインターンシップについて、大手企業では「受け入れ枠を増やす」「プログラム内容の拡充を図る」、中小企業では「参加者募集のための広報を強化する」との回答が最多でした。
26卒向けインターンシップの開始はすでにこの8月・9月というところがほとんどで、25卒の採用活動を継続しつつ、26卒に向けて母集団確保の先手を打つ流れがさらに一般化していきそうです。
◾【26卒:学生】夏休みは「インターンシップや仕事体験をしたい」
「早めにスタートして、じっくり決める」就活スタイルが希望
実際、学生も企業の実施する、そういったインターンシップや仕事体験プログラムには、積極的に参加したい意向は強いようです。
株式会社マイナビは、この7月、2026年3月卒業見込みの全国の大学3年生、大学院1年生を対象に、インターンシップや就職活動準備の実態を調査しました。
それによると、学生が夏季休暇中に特に時間を取りたいことは「インターンシップ・仕事体験への参加」(73.0%)がトップでした。またその内容を聞いてみると、約4割の学生が半日〜3日程度と短期間の就業体験のあるプログラムを希望しており、8月についても同様のプログラムで効率的に多くの企業での就業体験を積みたいといった回答が最多でした。
また、今後の就活については、「就職活動を早く始めて、就職先をじっくり決めたい(早型・長期)」が54.4%。
自由回答に寄せられたその理由には「自分の将来に関することは、じっくり決めて後悔のないようにしたいから」「早く始めて内定を取って、安心をしたいのと、自分の納得いく選択ができるよう最後まで頑張りたいから」などが挙がり、ミスマッチを減らしたいという意識が表れています。
◾「大学1,2年生との接点が必要」76.1%。“中長期の関係構築”は今後の就活のポイント
こういった学生の「早期スタート・長期間」の就活のニーズについて、人材確保のために対応をしていこうという企業も増えつつあります。
株式会社ベネッセ i-キャリアは、「『大学1,2年生向けのキャリア形成』に関する企業担当者の意識・実態調査」を実施しました。
採用担当者に、キャリア形成に関わる施策を通じた「大学1,2年生との接点づくり」の必要性について聞いたところ、「大いに感じる」(36.4%)と「やや感じる」(39.7%)と、76.1%の担当者がその必要性を感じているこということです。
実際に、オープンカンパニー(会社説明会、職場見学など)、キャリア教育(学生の自己分析をサポートするイベントやセミナーなど)を行った企業の66.3%が「成果が出ている」と答え、「エントリー率が上がった」「人柄を知っているので選考しやすい」といった具体的な記述もありました。
また、大学1,2年生向けに、就業体験・機会提供を目的としたアルバイトを実施している企業も21.9%。「今後実施予定」も合わせると4割を超えています。
「卒業前年度の3月に会社説明会、6月から面接や選考が解禁」といういわば表看板はあるものの、それ以前に学生への認知を高めたり、企業理解をしてもらう、ラポールを築くことは可能です。
むしろ、学生にとっても、受験のように緊張感を持って短期間でのぞむよりも自然な形で自分のキャリア、仕事、企業と向き合う機会を持てた方が、納得のいく就活につながり、お互いのミスマッチを防ぐことにつながることでしょう。
みなとみらい人事コンサルティングでは、人事・労務に関わる最新情報を元に、貴社の状況に合わせたご相談に応じています。
また、新卒採用・フォローについても、アドバイスが可能です。
お問合せ・相談フォームから、お気軽にお声がけください。初回の相談は無料です。
ご参考:
■株式会社キャリタス:2025卒・新卒採用に関する企業調査-中間調査(2024年7月)
https://www.career-tasu.co.jp/wp/wp-content/uploads/2024/07/2025_chukanchosa_k.pdf
■株式会社マイナビ:2026年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(2024年7月)
https://career-research.mynavi.jp/reserch/20240820_83997/
■株式会社ベネッセ i-キャリア:「大学1,2年生向けのキャリア形成」に関する企業担当者の意識・実態調査(2024年7月)
https://www.persol-career.co.jp/newsroom/news/research/2024/20240719_1545/
(文責:コラム担当/金田千和)
「配属ガチャ」はなぜ起きる? 退職代行サービスに依頼殺到の背景 2024.04.30
この4月は「配属ガチャ」という言葉がより一般的になり、「退職代行サービス」への問い合わせが急増していることがニュースにもなりました。
「配属ガチャ」とは、新入社員が希望する勤務地や職種に配属されるか分からないことを、ソーシャルゲームの「ガチャ」になぞらえた言葉です。自分の希望はあるものの、辞令が下りるまではわからず、想定外の配属部署・勤務地もありうる、そんなことへの不安感や、希望が外れた場合の失望感も含んでいます。
今、その配属ガチャによって早期退職につながるケースが増えています。
◾️新人配属先の決定通知は「入社後・研修後」は、終身雇用時代のシステム
多くの40代以降の世代にとって、「配属ガチャ」は、肌感覚として思いもよらない概念かも知れません。
というのも、自分たちの新入社員時代には、初めての配属先とは、入社式や新人研修終了時に「辞令」を受け取るものだったからです。
そしてその内容についても、「会社次第」「運次第」だったのではないでしょうか。また、希望通りでなかったと退職、というケースも耳にすることはごく稀でした。
それは、採用自体が終身雇用を前提とした「メンバーシップ型採用」であることが、広く暗黙の了解となっていたからと言えます。
人材活用も入社してから、その時々に適性や能力をみながら配属・異動し、社内でのキャリアを積み、会社の求めるパフォーマンスをあげていくように会社がマネジメントするものでした。
言ってみれば、ほぼ一生の会社員人生を会社が面倒をみてくれるのであれば、配属も受け入れていくものという意識が常識となっていたということです。
◾️キャリアを真剣に考えるZ世代は「配属先は自分で選びたい」が大半
しかし、今の学生の意識は大きく変わってきています。マイナビの大学生活動実態調査によると、従前の「勤務地・職種ともに会社で適性を判断して決めてほしい」はわずか7.4%。最も多かったのは「勤務地・職種ともに自分で適性を判断して、選びたい」で54.9%でした。
終身雇用が崩れ、共働きがスタンダードになるなかで、キャリアも自分の生活も両立していきたいと考える世代にとって、会社に一任する選択が減っていくのは当然のことかもしれません。
◾配属先通知の半数は入社前。しかし学生との微妙なズレが
では、実際、配属先の決定の現状はどのようになっているのでしょうか。
株式会社リクルートの就職みらい研究所は、2024年卒業の大学生・大学院生に「就職プロセス調査」を実施しました。それによると、自分の配属先が卒業時点で決まっていたのは46.9%でした。半数以上の新人が入社してから自分の配属を知る状態です。
ただ、入社前に配属が確定している企業も全てがよりジョブ型採用に近い「配属確約での応募」ということではないようです。
内訳を見ていくともっとも多かったのは「入社を決めた後~入社前まで」が29.8%、ついで
「配属確約での応募」9.5%「選考時」6.3%、「内々定・内定取得時 」「内々定・内定取得後 ~入社を決める前まで」と続きます。
学生が最も希望している時期は同じく「入社を決めた後~入社前まで」で、33.8%でした。それにつぐ希望は「内々定・内定取得後 ~入社を決める前まで」11.8%と「内々定・内定取得時 」10.0%となっています。
会社としては、入社確定してから入社前までになんとか決めれば、ということなのでしょう。しかし、学生はより細やかな対応を望んでいると言えます。
◾️配属先希望ヒアリングや通知タイミングに工夫で採用率も定着率もアップを
多くの早期退職者の声として業者に寄せられるのは「配属先に納得できなかった」ということと同時に「思っていたのと業務内容や職場の雰囲気が違った」ということだそうです。
上記のデータから見えるのは、学生は実際のところ、決して「職種・勤務地」のスペックだけで就職先を決めてはいないということです。働く場として企業を選び、その企業と自分の希望を擦り合わせる中で、自分の配属先・業務を決めたいというところでしょう。
重要なのは、会社と話しながら、自らも希望を聞いてもらい、自分で選んだという納得感なのかもしれません。
この入社確定までの期間でのコミュニケーションを密にする、本人の希望を聞く機会や実際の現場の情報に触れてもらう機会を設けることで、防げる早期退職も多いことでしょう。さらにいうと、内々定からこぼれ落ちない採用も可能になるのではないでしょうか。
みなとみらい人事コンサルティングでは、人事・労務に関わる最新情報を元に、貴社の状況に合わせたご相談に応じています。
また、人材の採用・育成・定着についても、アドバイスが可能です。
お問合せ・相談フォームから、お気軽にお声がけください。初回の相談は無料です。
ご参考:
■株式会社リクルート 就職みらい研究所:
【2024年卒 就職活動TOPIC】入社後の配属に関する状況(3月卒業時点調査)
https://www.recruit.co.jp/newsroom/pressrelease/assets/20240409_work_01.pdf
■株式会社マイナビ:マイナビ 2023年 大学生活動実態調査(2023年6月)
https://career-research.mynavi.jp/reserch/20220707_31106/
(文責:コラム担当/金田千和)
契約書の注意点 2014.04.15
新年度を迎え、この時期、雇用契約書など、
契約書を交わすことも多いかと思います。
相手の手間を省いてあげようと、住所・氏名等を
予め印字し、印鑑を押すだけになっている契約書を
作っている会社さんもあるようですが、
必ず、面倒でも、自筆してもらうようにすることをお勧めします。
印鑑だけだと、何かトラブルになり、
「これは自分の印では無い、会社が勝手に自分の名前の
印鑑を押した、この契約書は知らない」と
言われたときに、客観的に反論するのが難しいからです。
名前だけでもいいのですが、住所も自筆してもらいましょう。
自筆の文字が多いほど、後で筆跡鑑定しやすくなり、
「確かに貴方がサインしましたよね」と主張できます。
些細なことでも、労使トラブル予防に繋げることができます。
年齢による差別は違法? 2013.12.03
労働基準法では
「国籍、信条、社会的身分によって、
賃金その他の労働条件について差別をしてはならない」
とされています。
これを限定列挙といい、労働基準法では、
この3つだけが禁止事項なのです。
あれ、性別は?と思った方、すばらしい!
それは男女雇用機会均等法という別の法律で、定められています。
つまり、これ以外のことについて、差別しても、法律違反にはなりません。
例えば、学歴。
高卒と大卒で初任給が違うのも認められているし、
「うちは大卒しか採らない」というのも、法律違反ではありません。
従って、年齢による差別も、違法ではありません。
例えば、年齢給。
20代はいくら、30代はいくら、と差をつけても、問題ありません。
例えば、雇用契約。
50代までは1年更新だったが、60代からは本人の健康のこともあるし、
半年更新にする。何ら、問題ありません。
問題になるのは、求人募集をかけるときに、
「20代募集」や、「50代以上お断り」と言った表記ができないことです。
これは入社前の段階ですね。
ひとたび入社してしまえば、先ほどの例のように、年齢によって
労働条件に差を付けることは、違法ではありません。
好評につき、求人&助成金セミナー早くも開催決定! 2012.10.23
ご好評につき、第2回「求人&助成金セミナー」
11月3日(土・祝)に早くも開催決定しました!
詳細はHPのセミナー情報欄をご覧下さい。
今回は業種を問わず、横浜の事業者様が対象です。
お申し込みはお問い合わせフォームからでも受け付けます。
少人数限定セミナーですので、お早めにお申し込み下さい。
第1回求人&助成金セミナー、好評のうち終了しました 2012.10.18
http://mmjinji.com/files/P1000165.JPG
10月16日(火)、飲食店様向け求人&助成金セミナー、ご好評のうち終了致しました!
参加者様からのご感想
「今までは何となくハローワークに求人を出していたが、
これからは自信を持って求人募集ができそうです」
「泉先生は豊富な知識と経験をお持ちなのがよく分かり、
安心して任せられると思いました」
「ぜひうちも、助成金を活用したいと思いました!」
「話も分かりやすくて、とっても引き込まれました。
これまで何となく見ていましたが、
これから他社の求人広告を見る目が変わりそうです!」
http://mmjinji.com/files/P1000166.JPG
今後とも今回のような「求人&助成金セミナー」、
定期的に開催する予定ですので、求人をお考えの会社様は
ご期待下さい!
セミナーまで待てない!というお客様は
お問い合わせフォームからお気軽にご連絡下さい。
「求人&助成金」セミナー、飲食以外でも受け付けます 2012.10.05
先日からご連絡しております
「ハローワーク活用!求人&助成金セミナー」、
「うちは飲食じゃ無いんだけど、参加できない?」
というお声にお答えして、
飲食業界以外の経営者様にもご参加頂けるように致しました!
こちらの申込書を印刷してFAX送信するか、
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---|
講演内容、業種、出席者数に関わらず、すべて定額の時間単価とさせて頂きます。業界きっての画期的な明朗会計です。
「予め料金が分かっているので、安心して申し込めます」
「料金交渉が不要で助かります」
「時間単価は一定なので、研修時間数を調整すればいいから、予算との折り合いも簡単にできます」
などなど、多くのお客様に喜ばれております。
セミナーについて
当事務所セミナー会場(27Fスカイラウンジ)で、当事務所が独自にテーマを設定し、お申し込み頂いた、複数の会社様にご参加頂くものです。
セミナー開催実績例
- 介護事業者様向け「改正介護保険法セミナー」
- 介護事業者様向け「介護労働環境向上奨励金セミナー」 3回
- 新規採用をお考えの事業者様向け
「元ハローワーク職員が教える!求人助成金セミナー」 - 飲食店様向け「元ハローワーク職員が教える!求人助成金セミナー」
講演について
当事務所代表が会社様や、ご同業者の集まりに訪問し、ご依頼されたテーマ(一般的な課題)について原稿を作成し、講演するものです。
講演実績
日本経営開発協会様 御紹介
市川港開発協議会様 主催 研修
「マイナンバー通知開始!
今知りたいマイナンバー制度の傾向と対策」
【参加者様からのお声】
- 非常に分かりやすく、90分飽きさせることのない素晴らしいものだった。
- 非常に役に立ち、興味が持てる内容だった。
- 普段は講義に集中するのは難儀なのだが、話のスピード、声のトーン、間、どれを取っても感心するばかりだった。
- マイナンバーが今後いろいろな問題を引き起こす可能性があることがよくわかり、大変勉強になった。早期に確実な運用体制を社内に確立させなければと思った。
一般社団法人 港湾労働安定協会 様 主催
雇用管理者研修「職場のメンタルヘルスに関して(会社を守る職場のメンタルヘルス対策)」
【参加者様からのお声】
- メンタルヘルス対策は今後も重要になってくると思うので、このような研修会を増やして貰いたい。
- 社会保険労務士による内容を次回もお願いしたい。
- メンタルヘルス関係で初めて面白い(役に立つ)情報が聞けたと思います。
- 大変に良い研修ですので、これからも続けて貰えるとありがたいです。
- 中間管理職として守るべきというか、部下に対してどのような人事労務管理をすればよいのか、中小企業向けに別途講習会をやってほしいと思った。
- 株式会社LEC 様 主催
「介護雇用管理研修」業務委託登録講師 - 株式会社フィールドプランニング 様 主催
「派遣元・派遣先責任者講習」業務委託主任講師 - 神奈川韓国商工会議所様 主催
経営者セミナー「お役立ち助成金講座
(雇用の確保と5年ルールへの対応策)」 - 日本経営開発協会様 御紹介
株式会社根布工業様 主催
安全大会「入ってないと、どうなっちゃうの?社会保険のこわ~いお話」
泉文美 講師紹介ページ
研修について
当事務所代表が、会社様のご依頼に基づき、会社様の具体的な人事労務に関わる内容(個別事案)について、オーダーメイドのプログラムを作成し、社員の皆様に研修するものです。
研修のご依頼例
- 就業規則を変更したので、わかりやすい説明会を開いてほしい
- 給与規定を見直したので、従業員に説明をしてほしい
- 従業員向けの、接客マナー、敬語などのレッスン会をしてほしい
執筆のご依頼
雑誌・メルマガ、HPコラムなど、ご希望に沿ったテーマで記事を執筆いたします。
掲載履歴
HP記事執筆
ハッケン!リクナビ派遣に「働き改革!派遣社員が選べるふたつの雇用とは」と題する記事を執筆しました。
「近代中小企業」2月号
「近代中小企業」2月号に記事を執筆しました。
「元ハローワーク職員が教える!ハローワーク求人&助成金活用法」
「SR」 9月号
ハローワークを始め、社会保険事務所(現:年金事務所)、労働基準監督署でも勤務経験を持ち、「お役所の裏事情に詳しい社労士」として定評のある我がみなとみらい人事コンサルティング代表。
ハローワークでの勤務経験を買われ、日本法令様出版の「SR 9月号」に記事を執筆しました。
(第27号 2012年8月6日発売)