人材派遣会社に初の事業停止命令|社会保険未加入が招く重大リスク
2026.01.08
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はじめに:ついに「是正指導」では終わらなくなった
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2019年2月、大阪労働局は人材派遣会社に対し、**社会保険未加入を理由とする事業停止命令**を出しました。
これは、労働者派遣法に基づく行政処分として「初の事例」です。
これまで派遣会社の社会保険未加入については、多くの場合「是正指導」や「改善報告」で対応が終わっていました。しかし今回、ついに**4か月間の事業停止**という極めて重い処分が下されたことで、状況は大きく変わったと言えるでしょう。
派遣会社にとって社会保険の適正加入は、もはや「分かってはいるけど後回し」にできるテーマではありません。本記事では、今回の行政処分の内容を整理しつつ、派遣会社が直面する重大なリスクと、今後取るべき対応について社会保険労務士の視点から解説します。
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今回の行政処分の概要
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今回、行政処分を受けた派遣会社は、**労働者派遣法第9条第1項**に基づき厚生労働大臣から付されていた「許可条件」に違反したと判断されました。
その許可条件の一つが、
「労働保険・社会保険の適用基準を満たす派遣労働者について、適正な加入を行うこと」
というものです。
つまり、
✔ 社会保険の加入要件を満たしている派遣社員がいる
✔ にもかかわらず加入させていなかった
この点が明確な違反とされ、**是正ではなく処分**が選択されたのです。
結果として、大阪労働局は
「労働者派遣事業停止命令(4か月)」
を発令しました。
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なぜ「初の行政処分」になったのか
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「これまでと同じように指導で終わると思っていた」
多くの派遣会社が、正直そう感じたのではないでしょうか。
しかし近年、厚生労働省は派遣業界に対し、次のような強い姿勢を示しています。
・派遣社員の処遇改善
・同一労働同一賃金への対応
・社会保険の適正加入の徹底
特に社会保険については、
**「派遣事業の許可を維持するための前提条件」**
という位置づけが明確になっています。
今回は、
「指導を繰り返しても改善が見られない」
「派遣法上の許可条件違反が明白」
と判断された結果、見せしめではなく**本気の処分**が行われたと考えられます。
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社会保険未加入が派遣会社にもたらす重大リスク
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社会保険未加入のリスクは、単に保険料の問題だけではありません。
① 事業停止・許可取消のリスク
今回のように事業停止命令が出れば、売上はゼロになります。さらに悪質と判断されれば、派遣業の許可取消もあり得ます。
② 労働局からの重点監督対象になる
一度問題が表面化すると、その後は定期的に調査が入るケースも少なくありません。
③ 派遣先企業からの信用低下
「コンプライアンスに不安のある派遣会社」と見なされれば、取引停止につながる可能性もあります。
④ 派遣社員とのトラブル増加
後から未加入が判明し、遡及加入や保険料負担を巡って紛争になるケースもあります。
社会保険未加入は、**経営リスクそのもの**と言っても過言ではありません。
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実務で多い「未加入」の典型パターン
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社労士として派遣会社の相談を受ける中で、次のようなケースをよく見かけます。
・週20時間以上だが「短期だから」と未加入
・更新を繰り返しているのに加入させていない
・月収8.8万円超なのに条件を正確に確認していない
・「本人が希望しないから加入させていない」
いずれも、**理由としては通用しません**。
社会保険は「本人の希望制」ではなく「法律上の義務」です。
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今後、全国に波及する可能性が高い理由
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今回の処分は大阪労働局によるものですが、情報は全国の労働局で共有されます。
・同様の事例が他にも存在する
・行政として前例ができた
・「処分できる」という判断基準が明確になった
この3点から考えると、今後は
**「社会保険未加入=行政処分」**
という流れが全国に広がっていく可能性は高いでしょう。
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派遣会社が今すぐ行うべき自己点検ポイント
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今すぐ確認していただきたいポイントは以下の通りです。
・加入要件を満たす派遣社員を正確に把握しているか
・契約更新時に加入判定を見直しているか
・短時間・短期間という思い込みで判断していないか
・加入漏れがあった場合の是正フローは決まっているか
「たぶん大丈夫」ではなく、**書類と数字で確認すること**が重要です。
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社労士の視点:社会保険対策は経営防衛
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社会保険への加入は、確かにコストがかかります。
しかし、それ以上に重要なのは、
・事業継続
・許可維持
・取引先からの信用
これらを守るための**経営防衛策**だという点です。
適正加入を前提にした人員計画や料金設計を行うことで、長期的には安定した派遣事業運営が可能になります。
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まとめ:社会保険未加入は「見逃されない時代」へ
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今回の行政処分は、派遣業界全体への強いメッセージです。
「社会保険未加入は、もう見逃されない」
そう受け止めるべきでしょう。
今一度、自社の運用を点検し、必要であれば専門家の力を借りながら、早めに是正していくことが重要です。
派遣事業を長く安定して続けるためにも、社会保険対応を“後回し”にしない経営判断が、これからの時代には求められています。
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などなど、多くのお客様に喜ばれております。
セミナーについて
当事務所セミナー会場(27Fスカイラウンジ)で、当事務所が独自にテーマを設定し、お申し込み頂いた、複数の会社様にご参加頂くものです。
セミナー開催実績例
- 介護事業者様向け「改正介護保険法セミナー」
- 介護事業者様向け「介護労働環境向上奨励金セミナー」 3回
- 新規採用をお考えの事業者様向け
「元ハローワーク職員が教える!求人助成金セミナー」 - 飲食店様向け「元ハローワーク職員が教える!求人助成金セミナー」
講演について
当事務所代表が会社様や、ご同業者の集まりに訪問し、ご依頼されたテーマ(一般的な課題)について原稿を作成し、講演するものです。
講演実績
日本経営開発協会様 御紹介
市川港開発協議会様 主催 研修
「マイナンバー通知開始!
今知りたいマイナンバー制度の傾向と対策」
【参加者様からのお声】
- 非常に分かりやすく、90分飽きさせることのない素晴らしいものだった。
- 非常に役に立ち、興味が持てる内容だった。
- 普段は講義に集中するのは難儀なのだが、話のスピード、声のトーン、間、どれを取っても感心するばかりだった。
- マイナンバーが今後いろいろな問題を引き起こす可能性があることがよくわかり、大変勉強になった。早期に確実な運用体制を社内に確立させなければと思った。
一般社団法人 港湾労働安定協会 様 主催
雇用管理者研修「職場のメンタルヘルスに関して(会社を守る職場のメンタルヘルス対策)」
【参加者様からのお声】
- メンタルヘルス対策は今後も重要になってくると思うので、このような研修会を増やして貰いたい。
- 社会保険労務士による内容を次回もお願いしたい。
- メンタルヘルス関係で初めて面白い(役に立つ)情報が聞けたと思います。
- 大変に良い研修ですので、これからも続けて貰えるとありがたいです。
- 中間管理職として守るべきというか、部下に対してどのような人事労務管理をすればよいのか、中小企業向けに別途講習会をやってほしいと思った。
- 株式会社LEC 様 主催
「介護雇用管理研修」業務委託登録講師 - 株式会社フィールドプランニング 様 主催
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研修のご依頼例
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- 従業員向けの、接客マナー、敬語などのレッスン会をしてほしい
執筆のご依頼
雑誌・メルマガ、HPコラムなど、ご希望に沿ったテーマで記事を執筆いたします。
掲載履歴
HP記事執筆
ハッケン!リクナビ派遣に「働き改革!派遣社員が選べるふたつの雇用とは」と題する記事を執筆しました。
「近代中小企業」2月号
「近代中小企業」2月号に記事を執筆しました。
「元ハローワーク職員が教える!ハローワーク求人&助成金活用法」
「SR」 9月号
ハローワークを始め、社会保険事務所(現:年金事務所)、労働基準監督署でも勤務経験を持ち、「お役所の裏事情に詳しい社労士」として定評のある我がみなとみらい人事コンサルティング代表。
ハローワークでの勤務経験を買われ、日本法令様出版の「SR 9月号」に記事を執筆しました。
(第27号 2012年8月6日発売)


