日本全国の派遣会社が見落とす「同一労働同一賃金」の運用ミスによる返金トラブル
2025.12.26
― 今すぐ点検しないと“数百万円の返金”が現実になる理由 ―
その運用、本当に「今も」適法ですか?
「同一労働同一賃金には対応済みです」
日本全国の派遣会社から、社会保険労務士として最も多く耳にする言葉です。
しかし、その直後に労働局の是正指導が入り、
過去に遡って数百万円〜1,000万円超の返金が発生するケースが後を絶ちません。
問題なのは、
制度を知らないことではなく、“間違ったまま運用し続けている”ことです。
特に近年は、
- 労働局による派遣事業の重点調査
- 派遣スタッフ側の権利意識の高まり
- SNS・口コミによる情報拡散
これらが重なり、「見逃されていた運用ミス」が一気に表面化しています。
「一度も指摘されたことがない」
「これまで問題なかった」
この認識こそが、最大のリスクです。
日本全国で問題となる「同一労働同一賃金」運用ミスの重要ポイント
日本全国の派遣会社の多くは、労使協定方式を採用しています。
しかし、労使協定方式は「協定を結べば終わり」ではありません。
次の3点が少しでもズレていると、即アウトになる可能性があります。
- 一般賃金水準の職種選定
- 最新統計データの反映
- 実際の賃金・手当への反映状況
特に危険なのが、「前年踏襲」です。
毎年労使協定を更新していても、中身が古いままでは意味がありません。
日本全国の派遣会社で実際に起きた返金トラブル(社会保険労務士の視点)
ある中堅派遣会社(全国対応)では、
事務系派遣について労使協定方式を採用していました。
ところが、
- 実際の業務内容は「高度なOA・顧客対応あり」
- 使用していた一般賃金水準は「単純事務レベル」
というズレがありました。
労働局の調査後、
- 対象者:約60名
- 対象期間:2年
- 返金総額:約900万円
という結果に。
この会社の担当者は
「社労士に相談せず、ネット情報で作った労使協定だった」
と後悔されていました。
👉 このようなケースは、今この瞬間も全国で発生しています。
日本全国の派遣会社が特に見落としやすい注意点
① 職種選定は“仕事内容ベース”で見られる
「派遣先からは事務と言われている」
これは通用しません。
実際には、
- 顧客対応
- 判断業務
- 複数業務の兼務
などがあれば、上位職種に該当する可能性があります。
👉 職種選定を誤ると、過去分すべてが是正対象になります。
② 賃金だけでなく「手当・退職金相当額」も対象
同一労働同一賃金は、
基本給だけを見ていれば良い制度ではありません。
- 賞与の扱い
- 通勤手当
- 退職金相当額
これらが労使協定に適切に反映されていない派遣会社は、非常に多いです。
「そこまでは見ていなかった」
その一言が、返金トラブルの引き金になります。
社会保険労務士が受ける“危険な相談”ベスト3
Q1:労使協定は毎年更新していますが、確認は必要ですか?
→ 必須です。 更新=適法ではありません。
Q2:派遣料金が上がらないので賃金を上げられません
→ 理由になりません。 法令遵守が優先です。
Q3:今まで指摘がないので大丈夫ですよね?
→ 最も危険な考え方です。 調査は突然来ます。
日本全国で正しく運用できている派遣会社が得ているメリット
適正な運用をしている派遣会社は、
「トラブルを避けている」だけではありません。
- 労働局調査でも指摘ゼロ
- 派遣スタッフの定着率向上
- 派遣先との価格交渉がしやすくなる
つまり、守りと攻めの両立が可能になります。
一方、運用を放置している会社は、
「いつ返金トラブルが起きてもおかしくない状態」
で走り続けているのと同じです。
日本全国の派遣会社が今すぐやるべき実務チェック
最低限、次の点は即確認してください。
- 最新年度の一般賃金水準を使用しているか
- 職種が実態と合っているか
- 賃金・手当・退職金相当額が反映されているか
👉 ひとつでも不安があれば、専門家チェックが必要です。
まとめ:問題が起きてからでは「遅い」のが同一労働同一賃金
同一労働同一賃金の返金トラブルは、
起きてから対処する制度ではありません。
- 是正指導後に相談
- スタッフから訴えられてから相談
この段階では、
「できること」が大きく限られます。
日本全国対応|派遣会社専門の社会保険労務士に今すぐ相談を
同一労働同一賃金のチェックは、
派遣業務を理解している社会保険労務士でなければ意味がありません。
- 労使協定の適法性チェック
- 一般賃金水準・職種選定の確認
- 将来の返金リスク診断
これらを事前に行うことが、最大の防御策です。
✅ 労働局調査が不安
✅ 労使協定を見直した記憶がない
✅ 派遣スタッフから質問が増えてきた
ひとつでも当てはまる派遣会社様は、派遣特化型社労士事務所の当方へ今すぐご相談ください。
「問題が起きてから」ではなく、
「問題が起きる前」に動くことが、経営を守る最短ルートです。
初回のご相談は無料です。お気軽にホームページお問合せよりご連絡ください。
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セミナー、研修、講演開催
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講演内容、業種、出席者数に関わらず、すべて定額の時間単価とさせて頂きます。業界きっての画期的な明朗会計です。
「予め料金が分かっているので、安心して申し込めます」
「料金交渉が不要で助かります」
「時間単価は一定なので、研修時間数を調整すればいいから、予算との折り合いも簡単にできます」
などなど、多くのお客様に喜ばれております。
セミナーについて
当事務所セミナー会場(27Fスカイラウンジ)で、当事務所が独自にテーマを設定し、お申し込み頂いた、複数の会社様にご参加頂くものです。
セミナー開催実績例
- 介護事業者様向け「改正介護保険法セミナー」
- 介護事業者様向け「介護労働環境向上奨励金セミナー」 3回
- 新規採用をお考えの事業者様向け
「元ハローワーク職員が教える!求人助成金セミナー」 - 飲食店様向け「元ハローワーク職員が教える!求人助成金セミナー」
講演について
当事務所代表が会社様や、ご同業者の集まりに訪問し、ご依頼されたテーマ(一般的な課題)について原稿を作成し、講演するものです。
講演実績
日本経営開発協会様 御紹介
市川港開発協議会様 主催 研修
「マイナンバー通知開始!
今知りたいマイナンバー制度の傾向と対策」
【参加者様からのお声】
- 非常に分かりやすく、90分飽きさせることのない素晴らしいものだった。
- 非常に役に立ち、興味が持てる内容だった。
- 普段は講義に集中するのは難儀なのだが、話のスピード、声のトーン、間、どれを取っても感心するばかりだった。
- マイナンバーが今後いろいろな問題を引き起こす可能性があることがよくわかり、大変勉強になった。早期に確実な運用体制を社内に確立させなければと思った。
一般社団法人 港湾労働安定協会 様 主催
雇用管理者研修「職場のメンタルヘルスに関して(会社を守る職場のメンタルヘルス対策)」
【参加者様からのお声】
- メンタルヘルス対策は今後も重要になってくると思うので、このような研修会を増やして貰いたい。
- 社会保険労務士による内容を次回もお願いしたい。
- メンタルヘルス関係で初めて面白い(役に立つ)情報が聞けたと思います。
- 大変に良い研修ですので、これからも続けて貰えるとありがたいです。
- 中間管理職として守るべきというか、部下に対してどのような人事労務管理をすればよいのか、中小企業向けに別途講習会をやってほしいと思った。
- 株式会社LEC 様 主催
「介護雇用管理研修」業務委託登録講師 - 株式会社フィールドプランニング 様 主催
「派遣元・派遣先・職業紹介責任者講習」業務委託主任講師 - 神奈川韓国商工会議所様 主催
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株式会社根布工業様 主催
安全大会「入ってないと、どうなっちゃうの?社会保険のこわ~いお話」
泉文美 講師紹介ページ
研修について
当事務所代表が、会社様のご依頼に基づき、会社様の具体的な人事労務に関わる内容(個別事案)について、オーダーメイドのプログラムを作成し、社員の皆様に研修するものです。
研修のご依頼例
- 就業規則を変更したので、わかりやすい説明会を開いてほしい
- 給与規定を見直したので、従業員に説明をしてほしい
- 従業員向けの、接客マナー、敬語などのレッスン会をしてほしい
執筆のご依頼
雑誌・メルマガ、HPコラムなど、ご希望に沿ったテーマで記事を執筆いたします。
掲載履歴
HP記事執筆
ハッケン!リクナビ派遣に「働き改革!派遣社員が選べるふたつの雇用とは」と題する記事を執筆しました。
「近代中小企業」2月号
「近代中小企業」2月号に記事を執筆しました。
「元ハローワーク職員が教える!ハローワーク求人&助成金活用法」
「SR」 9月号
ハローワークを始め、社会保険事務所(現:年金事務所)、労働基準監督署でも勤務経験を持ち、「お役所の裏事情に詳しい社労士」として定評のある我がみなとみらい人事コンサルティング代表。
ハローワークでの勤務経験を買われ、日本法令様出版の「SR 9月号」に記事を執筆しました。
(第27号 2012年8月6日発売)


