2026年1月度 派遣社員の平均時給は1714円 前月から過去最高を維持
2026.03.01
【2026年最新データ】派遣社員の平均時給1714円が示す派遣業界の新潮流と経営戦略
派遣業界に携わる経営者の皆様、重要なデータが発表されました。エン・ジャパンの調査によると、2026年1月度の派遣社員の募集時平均時給は1,714円と、前月から過去最高水準を維持しています。しかも、これで40カ月連続で前年同月を上回る結果となっています。
「また時給が上がったのか」と頭を抱える経営者の方もいらっしゃるかもしれません。しかし、この数字が示しているのは、単なるコスト増加だけではありません。派遣業界全体の構造変化、そして派遣会社が取るべき新しい経営戦略のヒントが、このデータには隠されているのです。
派遣業界に特化し70社以上を支援してきた社労士として、また厚生労働省指定の派遣元責任者講習の主任講師として13年間業界を見続けてきた立場から、この数字の意味と、派遣会社が今後取るべき戦略を徹底解説します。
派遣時給1714円が示す3つの重要なシグナル
シグナル1: 労働市場の構造的な人手不足
平均時給が40カ月連続で上昇しているという事実は、一時的な現象ではなく、構造的な人手不足を示しています。少子高齢化による労働人口の減少、正社員採用の拡大による派遣労働市場への人材流入の減少、そして派遣という働き方に対する労働者の選択眼の厳しさ──これらが複合的に作用した結果です。
この状況は、今後も継続すると見られます。つまり、「人材を確保するためには、適正な時給を提示しなければならない」という市場原理が、これまで以上に強く働くということです。
シグナル2: 派遣先企業の人材確保への本気度
派遣時給の上昇は、派遣先企業側の人材確保への本気度の表れでもあります。「派遣スタッフでいいや」という軽い気持ちではなく、「必要な人材を確保するためには適正な費用を支払う」という認識が、派遣先企業の間で広がっているのです。
これは派遣会社にとって、派遣料金の適正化交渉を進めやすい環境が整いつつあることを意味します。
シグナル3: 派遣労働の価値の再評価
平均時給の上昇は、派遣という働き方の価値が社会的に再評価されていることの証でもあります。「派遣=低賃金」というイメージは過去のものとなり、専門性や柔軟性を持った働き方として、正当な対価が支払われるようになってきているのです。
職種別・地域別の時給動向から見える経営のヒント
エン・ジャパンの調査では、職種別や地域別の詳細なデータも公開されています。このデータを読み解くことで、派遣会社が注力すべき分野が見えてきます。
高時給職種への注目
特に高い時給を示している職種は、以下のような傾向があります。
- IT・エンジニア系
- 専門的な事務職(経理、人事、法務など)
- 医療・介護系の専門職
これらの職種では、専門性の高さが時給に反映されています。派遣会社としては、こうした高付加価値職種に特化することで、利益率の向上を図ることができます。
地域格差の実態
三大都市圏(東京、大阪、名古屋)の平均時給には依然として差がありますが、その差は徐々に縮小傾向にあります。これは地方でも人手不足が深刻化していることを示しています。
地方で派遣事業を展開している会社にとっては、「地方だから時給を抑えられる」という発想はもはや通用しない時代になったと認識すべきです。
時給上昇時代の派遣会社経営戦略
平均時給が上昇し続ける中で、派遣会社はどのような経営戦略を取るべきでしょうか。私がこれまで支援してきた派遣会社の成功事例から、3つの重要な戦略をご紹介します。
戦略1: 高付加価値職種へのシフト
時給が高くても、それに見合った派遣料金を派遣先企業から得られるのであれば、マージン率を維持することができます。そのためには、高付加価値職種、つまり専門性が高く派遣先企業が「この人材には適正な対価を払う価値がある」と認識する職種に注力することが重要です。
**具体的なアプローチ**
- 派遣スタッフのスキルアップ研修の充実
- 特定分野の資格取得支援
- 専門性の高い人材のヘッドハンティング
- 派遣先企業への提案型営業の強化
ある派遣会社では、経理専門の派遣スタッフに対して簿記1級取得支援を行い、「単なる入力業務」ではなく「財務分析までできる専門人材」として派遣先企業に提案することで、高い派遣料金を実現しています。
戦略2: 派遣料金の適正化交渉の徹底
時給が上がっているのに派遣料金が据え置きでは、マージン率が圧迫され経営が成り立ちません。派遣先企業との料金交渉は、もはや避けて通れない経営課題です。
**交渉のポイント**
- 市場データ(今回のような平均時給データ)を活用した客観的な説明
- 日本人材派遣協会の要請文書を活用
- 段階的な料金改定の提案
- 提供価値の可視化
「派遣スタッフの時給は市場平均で○円です。当社としても適正な時給を支払わなければ人材確保ができません。つきましては、派遣料金についてもご理解をいただきたく……」という形で、客観的なデータに基づいて交渉することが重要です。
戦略3: 派遣スタッフの定着率向上によるコスト削減
時給が上がっている中で、頻繁に人材を入れ替えていては、採用コストが膨大になります。派遣スタッフの定着率を向上させることで、採用コストを削減し、トータルでの収益性を改善することができます。
**定着率向上の施策**
- 定期的な面談によるフォロー体制の構築
- キャリアパスの明示と昇給制度の整備
- 福利厚生の充実
- 派遣先企業との連携による就業環境の改善
派遣スタッフが「この派遣会社で長く働きたい」と思える環境を作ることが、結果的に経営の安定化につながります。
時給データから読み解く2026年の派遣業界トレンド
今回発表された平均時給1,714円というデータは、2026年の派遣業界がどのような方向に向かっているかを示す重要な指標です。
**トレンド1: 「質」重視へのシフト**
単に人数を揃えるのではなく、質の高い人材を適正な対価で提供する──これが派遣業界の新しいスタンダードになりつつあります。
**トレンド2: 派遣先企業との対等なパートナーシップ**
「言われたから派遣する」という受け身の関係ではなく、「人材活用についてともに考えるパートナー」としての関係性が求められています。
**トレンド3: 法令遵守と適正な労働環境の重要性**
同一労働同一賃金、労使協定方式の適正運用など、法令遵守は今や派遣会社の生命線です。これができていない派遣会社は、淘汰される時代になっています。
派遣会社が今すぐチェックすべき3つの経営指標
平均時給が上昇している中で、自社の経営が健全かどうかを判断するために、以下の3つの指標を定期的にチェックしてください。
**指標1: マージン率の推移**
時給が上がっているのに派遣料金が据え置きの場合、マージン率は低下しているはずです。業界平均と比較して、自社のマージン率が適正な水準にあるかを確認してください。
**指標2: 派遣スタッフの定着率**
採用コストを抑えるためには、定着率の向上が不可欠です。6カ月定着率、1年定着率などを測定し、業界平均と比較してください。
**指標3: 派遣先企業あたりの売上高**
既存の派遣先企業との取引を深耕できているかを示す指標です。新規開拓だけでなく、既存顧客との関係強化も重要な経営戦略です。
まとめ: 時給上昇は脅威ではなく、業界成熟のシグナル
派遣社員の平均時給が1,714円と過去最高を維持し、40カ月連続で上昇している──この事実を、単なる「コスト増加」と捉えるのか、「業界の成熟と価値の再評価」と捉えるのかで、今後の経営は大きく変わります。
私は派遣業界に特化した社労士として、また厚生労働省指定の派遣元責任者講習の主任講師として、13年間で延べ10,000人以上を指導してきました。その経験から断言できるのは、「適正な時給を支払い、適正な派遣料金を得る」という健全な経営サイクルを回せる派遣会社こそが、今後も成長し続けるということです。
東京大学卒という論理的思考力、年金事務所・労基署・ハローワークでの勤務経験による行政対応力、そして何より70社以上の派遣会社を支援してきた実績──これらを活かし、現場で本当に使える実務支援を提供し続けています。
「時給上昇にどう対応すればいいかわからない」「派遣料金の交渉方法を知りたい」「自社の経営指標が適正かどうか判断してほしい」といったご相談がございましたら、どうぞお気軽にお声がけください。
派遣業界の未来は明るい。そう信じて、ともに前進していきましょう。
【参考】
元記事URL: https://corp.en-japan.com/newsrelease/2026/44726.html
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派遣会社向け社労士業務
サービス内容・料金について(4万円~)
- 1) 派遣に関する役所への書類作成・提出代行
- 2) 派遣許可の初回申請・更新申請
- 3) 派遣事業報告書の書類作成・提出代行
- 4) 派遣契約関連書類の作成
- 5) 派遣労働者の雇用契約に関連する書類作成
- 6) 労働局調査対応(資料準備、当日の同席)
- 7) 同一労働同一賃金対応の助言・書類作成
- 8) 教育訓練計画に関する助言・報告書書式提供
- 9) 「マージン率等の情報提供」の用紙作成
- 10) 派遣法・労基法等諸法令に関する相談、助言
セミナー、研修、講演開催
料金について
| セミナー、研修、講演 | 【オンライン】 1時間あたり3万円 |
|---|---|
| 【オフライン】 1時間あたり5万円 |
講演内容、業種、出席者数に関わらず、すべて定額の時間単価とさせて頂きます。業界きっての画期的な明朗会計です。
「予め料金が分かっているので、安心して申し込めます」
「料金交渉が不要で助かります」
「時間単価は一定なので、研修時間数を調整すればいいから、予算との折り合いも簡単にできます」
などなど、多くのお客様に喜ばれております。
セミナーについて
当事務所セミナー会場(27Fスカイラウンジ)で、当事務所が独自にテーマを設定し、お申し込み頂いた、複数の会社様にご参加頂くものです。
セミナー開催実績例
- 介護事業者様向け「改正介護保険法セミナー」
- 介護事業者様向け「介護労働環境向上奨励金セミナー」 3回
- 新規採用をお考えの事業者様向け
「元ハローワーク職員が教える!求人助成金セミナー」 - 飲食店様向け「元ハローワーク職員が教える!求人助成金セミナー」
講演について
当事務所代表が会社様や、ご同業者の集まりに訪問し、ご依頼されたテーマ(一般的な課題)について原稿を作成し、講演するものです。
講演実績
日本経営開発協会様 御紹介
市川港開発協議会様 主催 研修
「マイナンバー通知開始!
今知りたいマイナンバー制度の傾向と対策」
【参加者様からのお声】
- 非常に分かりやすく、90分飽きさせることのない素晴らしいものだった。
- 非常に役に立ち、興味が持てる内容だった。
- 普段は講義に集中するのは難儀なのだが、話のスピード、声のトーン、間、どれを取っても感心するばかりだった。
- マイナンバーが今後いろいろな問題を引き起こす可能性があることがよくわかり、大変勉強になった。早期に確実な運用体制を社内に確立させなければと思った。
一般社団法人 港湾労働安定協会 様 主催
雇用管理者研修「職場のメンタルヘルスに関して(会社を守る職場のメンタルヘルス対策)」
【参加者様からのお声】
- メンタルヘルス対策は今後も重要になってくると思うので、このような研修会を増やして貰いたい。
- 社会保険労務士による内容を次回もお願いしたい。
- メンタルヘルス関係で初めて面白い(役に立つ)情報が聞けたと思います。
- 大変に良い研修ですので、これからも続けて貰えるとありがたいです。
- 中間管理職として守るべきというか、部下に対してどのような人事労務管理をすればよいのか、中小企業向けに別途講習会をやってほしいと思った。
- 株式会社LEC 様 主催
「介護雇用管理研修」業務委託登録講師 - 株式会社フィールドプランニング 様 主催
「派遣元・派遣先・職業紹介責任者講習」業務委託主任講師 - 神奈川韓国商工会議所様 主催
経営者セミナー「お役立ち助成金講座
(雇用の確保と5年ルールへの対応策)」 - 日本経営開発協会様 御紹介
株式会社根布工業様 主催
安全大会「入ってないと、どうなっちゃうの?社会保険のこわ~いお話」
泉文美 講師紹介ページ
研修について
当事務所代表が、会社様のご依頼に基づき、会社様の具体的な人事労務に関わる内容(個別事案)について、オーダーメイドのプログラムを作成し、社員の皆様に研修するものです。
研修のご依頼例
- 就業規則を変更したので、わかりやすい説明会を開いてほしい
- 給与規定を見直したので、従業員に説明をしてほしい
- 従業員向けの、接客マナー、敬語などのレッスン会をしてほしい
執筆のご依頼
雑誌・メルマガ、HPコラムなど、ご希望に沿ったテーマで記事を執筆いたします。
掲載履歴
HP記事執筆
ハッケン!リクナビ派遣に「働き改革!派遣社員が選べるふたつの雇用とは」と題する記事を執筆しました。
「近代中小企業」2月号
「近代中小企業」2月号に記事を執筆しました。
「元ハローワーク職員が教える!ハローワーク求人&助成金活用法」
「SR」 9月号
ハローワークを始め、社会保険事務所(現:年金事務所)、労働基準監督署でも勤務経験を持ち、「お役所の裏事情に詳しい社労士」として定評のある我がみなとみらい人事コンサルティング代表。
ハローワークでの勤務経験を買われ、日本法令様出版の「SR 9月号」に記事を執筆しました。
(第27号 2012年8月6日発売)


