ブログ

NEW 派遣会社倒産が過去最多ペースに。中小企業が生き残るための3つのポイント   2026.03.01

【2026年最新】派遣会社倒産が過去最多ペース!中小派遣会社が今すぐ取り組むべき生き残り戦略とは

 

派遣業界に激震が走っています。東京商工リサーチが発表した調査によると、2025年5月の労働者派遣業の倒産数は15件と、前年同月比で400.0%もの急増を記録しました。この数字は、派遣業界が直面する厳しい現実を如実に物語っています。

 

派遣会社の経営者として、また人事担当者として、「うちの会社は大丈夫だろうか」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。実際、倒産している派遣会社の多くは中小規模の事業者です。大手には真似できない強みを持ちながらも、資金力や人材確保の面で苦戦を強いられているのが実情です。

 

私はこれまで70社以上の派遣会社を支援してきた社労士として、また厚生労働省指定の派遣元責任者講習の主任講師として13年間、延べ10,000人以上を指導してきました。その経験から断言できるのは、「今、適切な対策を打てば、中小派遣会社でも十分に生き残れる」ということです。

 

この記事では、派遣会社の倒産が増加している背景と、中小派遣会社が今すぐ取り組むべき具体的な生き残り戦略を、実務に即した形で解説します。

 

 

なぜ今、派遣会社の倒産が急増しているのか

 

 派遣業界を取り巻く3つの構造的課題

 

派遣会社の倒産が急増している背景には、3つの大きな構造的課題があります。

 

**1. 人材確保の困難化**

派遣業界そのものが深刻な人手不足に陥っています。帝国データバンクの調査では、非正社員の不足を感じている業界として「人材派遣・紹介」が60.0%でトップとなっています。派遣先企業からの需要は旺盛なのに、肝心の派遣スタッフを確保できない。この需給ギャップが、特に中小派遣会社の経営を圧迫しています。

 

**2. 派遣料金と人件費の逆ザヤ問題**

派遣スタッフの時給は上昇を続けています。2026年1月時点で派遣社員の平均時給は1,714円と過去最高を更新し、40カ月連続で前年同月を上回っています。一方で、派遣先企業との料金交渉は思うように進まず、マージン率が圧迫されている派遣会社が少なくありません。

 

**3. コンプライアンス対応コストの増加**

同一労働同一賃金への対応、労使協定方式の運用、派遣先への説明義務の強化など、法令遵守のための事務負担とコストが年々増加しています。特に中小派遣会社では、専任の法務担当者を置く余裕がなく、経営者や営業担当者が片手間で対応せざるを得ない状況が続いています。

 

 

中小派遣会社が生き残るための3つの戦略

 

では、こうした厳しい環境の中で、中小派遣会社はどのように生き残っていけばよいのでしょうか。私がこれまで支援してきた派遣会社の成功事例から、3つの重要な戦略をご紹介します。

 

 戦略1: 特化型ビジネスモデルへの転換

 

「何でもできます」という総合型のビジネスモデルは、もはや大手企業の独壇場です。中小派遣会社が勝ち残るには、特定の業界や職種に特化し、その分野では誰にも負けない専門性を確立することが不可欠です。

 

**具体的なアプローチ**

- 特定業界(製造業、物流、介護、ITなど)に絞り込む

- 特定職種(フォークリフトオペレーター、CADオペレーター、経理など)の専門家集団になる

- 地域密着型で、地元企業との強固な関係を構築する

 

私が支援したある製造業特化型の派遣会社は、工場の生産管理システムにも精通したコーディネーターを育成し、「単なる人材供給」ではなく「生産性向上のパートナー」として派遣先企業から信頼を得ています。この結果、派遣料金も適正水準を維持でき、利益率の改善に成功しました。

 

 

 戦略2: 法令遵守体制の徹底と「安心」の提供

 

派遣先企業が派遣会社に求めているのは、単に人材を供給することだけではありません。「法的リスクのない、安心して任せられるパートナー」であることが、今や最重要の選定基準となっています。

 

**具体的なアプローチ**

- 労使協定方式の適正運用(職種ごとの賃金水準の定期的な見直し)

- 派遣先への待遇情報提供の確実な実施

- 労働・社会保険の完全加入と適正な手続き

- 定期的な社内研修による法令知識のアップデート

 

ここで重要なのは、「法令を守っている」という事実だけでなく、それを派遣先企業に対して明確に示すことです。定期的なコンプライアンスレポートの提出、監督官庁の監査実績の開示など、「見える化」が信頼獲得の鍵となります。

 

東京大学で培った論理的思考力と、年金事務所・労基署・ハローワークでの勤務経験を持つ私だからこそ言えるのは、「行政の視点を理解した対応」こそが、長期的な企業価値を高めるということです。

 

 

 戦略3: 派遣スタッフの定着率向上による収益性改善

 

派遣スタッフの確保が困難な今、「採用」と同じくらい重要なのが「定着」です。定着率が向上すれば、採用コストの削減、派遣先との信頼関係強化、そして何より派遣スタッフの満足度向上という好循環が生まれます。

 

**具体的なアプローチ**

- 定期的な面談による悩みの早期発見

- キャリアアップ支援制度の整備(資格取得支援、研修制度)

- 福利厚生の充実(健康診断の充実、レクリエーション、表彰制度)

- 派遣先とのコミュニケーション強化による就業環境の改善

 

ある派遣会社では、派遣スタッフ全員に対して月1回の面談を実施し、小さな不満や不安を早期に解消する体制を構築しました。この結果、離職率が前年比30%減少し、採用コストの大幅な削減に成功しています。

 

 

今すぐ始めるべき具体的なアクション

 

理論だけでは会社は変わりません。明日から、いや今日から始められる具体的なアクションをご紹介します。

 

**アクション1: 自社の強みを再定義する**

まずは経営陣とマネージャー層で、「自社が本当に強い分野」「お客様から評価されている点」を洗い出してください。そこに経営資源を集中投下する決断をするのです。

 

**アクション2: コンプライアンスチェックリストの作成**

労使協定、派遣契約書、就業条件明示書など、法定書類が適正に整備されているか、チェックリストを作成して確認してください。不備があれば、すぐに是正することです。

 

**アクション3: 派遣スタッフとの対話の場を設ける**

形式的な面談ではなく、本音で話せる雰囲気作りが大切です。「会社として何ができるか」を一緒に考える姿勢が、スタッフの心をつかみます。

 

 

まとめ:危機は転機、今こそ経営の質を高めるチャンス

 

派遣会社の倒産が過去最多ペースという事実は、確かに厳しい現実です。しかし、これは同時に「経営の質が問われる時代」に入ったということでもあります。

 

表面的な対応ではなく、本質的な経営改善に取り組んだ企業こそが、この困難な時期を乗り越え、さらなる成長を遂げることができるのです。

 

私はこれまで600回以上の派遣元責任者講習に登壇し、10,000人以上の派遣業界関係者と向き合ってきました。その経験から確信を持って言えるのは、「正しい知識と正しい実践」があれば、中小派遣会社でも必ず道は開けるということです。

 

顧問先の90%超が派遣会社という専門性の高さを活かし、現場で本当に使える実務支援を提供し続けています。もし、この記事を読んで「自社の状況について相談したい」「具体的なアドバイスが欲しい」と感じられた経営者様がいらっしゃいましたら、お気軽にお声がけください。

 

派遣業界の未来は、決して暗くありません。今、正しい選択をすることで、あなたの会社は必ず生き残り、成長できます。

 

【参考】

元記事URL: https://hrog.net/knowledge/134132/

お問い合わせフォームはこちら

ブログ最新記事

カテゴリ別

月別記事

サービス案内

派遣会社向け社労士業務

サービス内容・料金について(4万円~)

  1. 1) 派遣に関する役所への書類作成・提出代行
  2. 2) 派遣許可の初回申請・更新申請
  3. 3) 派遣事業報告書の書類作成・提出代行
  4. 4) 派遣契約関連書類の作成
  5. 5) 派遣労働者の雇用契約に関連する書類作成
  6. 6) 労働局調査対応(資料準備、当日の同席)
  7. 7) 同一労働同一賃金対応の助言・書類作成
  8. 8) 教育訓練計画に関する助言・報告書書式提供
  9. 9) 「マージン率等の情報提供」の用紙作成
  10. 10) 派遣法・労基法等諸法令に関する相談、助言

こちらの「事務所案内」をご参照ください

セミナー、研修、講演開催

料金について

セミナー、研修、講演 【オンライン】
1時間あたり3万円
【オフライン】
1時間あたり5万円

講演内容、業種、出席者数に関わらず、すべて定額の時間単価とさせて頂きます。業界きっての画期的な明朗会計です。 

「予め料金が分かっているので、安心して申し込めます」

 「料金交渉が不要で助かります」

 「時間単価は一定なので、研修時間数を調整すればいいから、予算との折り合いも簡単にできます」

 などなど、多くのお客様に喜ばれております。

セミナーについて

当事務所セミナー会場(27Fスカイラウンジ)で、当事務所が独自にテーマを設定し、お申し込み頂いた、複数の会社様にご参加頂くものです。

セミナー開催実績例
  • 介護事業者様向け「改正介護保険法セミナー」
  • 介護事業者様向け「介護労働環境向上奨励金セミナー」 3回
  • 新規採用をお考えの事業者様向け
    「元ハローワーク職員が教える!求人助成金セミナー」
  • 飲食店様向け「元ハローワーク職員が教える!求人助成金セミナー」

講演について

当事務所代表が会社様や、ご同業者の集まりに訪問し、ご依頼されたテーマ(一般的な課題)について原稿を作成し、講演するものです。

講演実績

日本経営開発協会様 御紹介
市川港開発協議会様 主催 研修

「マイナンバー通知開始!
今知りたいマイナンバー制度の傾向と対策」

【参加者様からのお声】

  • 非常に分かりやすく、90分飽きさせることのない素晴らしいものだった。
  • 非常に役に立ち、興味が持てる内容だった。
  • 普段は講義に集中するのは難儀なのだが、話のスピード、声のトーン、間、どれを取っても感心するばかりだった。
  • マイナンバーが今後いろいろな問題を引き起こす可能性があることがよくわかり、大変勉強になった。早期に確実な運用体制を社内に確立させなければと思った。

一般社団法人 港湾労働安定協会 様 主催
雇用管理者研修「職場のメンタルヘルスに関して(会社を守る職場のメンタルヘルス対策)」

【参加者様からのお声】

  • メンタルヘルス対策は今後も重要になってくると思うので、このような研修会を増やして貰いたい。
  • 社会保険労務士による内容を次回もお願いしたい。
  • メンタルヘルス関係で初めて面白い(役に立つ)情報が聞けたと思います。
  • 大変に良い研修ですので、これからも続けて貰えるとありがたいです。
  • 中間管理職として守るべきというか、部下に対してどのような人事労務管理をすればよいのか、中小企業向けに別途講習会をやってほしいと思った。
  • 株式会社LEC 様 主催
    「介護雇用管理研修」業務委託登録講師
  • 株式会社フィールドプランニング 様 主催
    「派遣元・派遣先・職業紹介責任者講習」業務委託主任講師
  • 神奈川韓国商工会議所様 主催
    経営者セミナー「お役立ち助成金講座
    (雇用の確保と5年ルールへの対応策)」
  • 日本経営開発協会様 御紹介
    株式会社根布工業様 主催
    安全大会「入ってないと、どうなっちゃうの?社会保険のこわ~いお話」
泉文美 講師紹介ページ

講演会の講師紹介・講師派遣なら講演依頼.com

研修について

当事務所代表が、会社様のご依頼に基づき、会社様の具体的な人事労務に関わる内容(個別事案)について、オーダーメイドのプログラムを作成し、社員の皆様に研修するものです。

研修のご依頼例

  • 就業規則を変更したので、わかりやすい説明会を開いてほしい
  • 給与規定を見直したので、従業員に説明をしてほしい
  • 従業員向けの、接客マナー、敬語などのレッスン会をしてほしい

執筆のご依頼

雑誌・メルマガ、HPコラムなど、ご希望に沿ったテーマで記事を執筆いたします。

掲載履歴

HP記事執筆

ハッケン!リクナビ派遣に「働き改革!派遣社員が選べるふたつの雇用とは」と題する記事を執筆しました。

「働き方改革!派遣社員が選べるふたつの雇用とは」

「近代中小企業」2月号

「近代中小企業」2月号

「近代中小企業」2月号に記事を執筆しました。

「元ハローワーク職員が教える!ハローワーク求人&助成金活用法」

「SR」 9月号

SR 9月号

ハローワークを始め、社会保険事務所(現:年金事務所)、労働基準監督署でも勤務経験を持ち、「お役所の裏事情に詳しい社労士」として定評のある我がみなとみらい人事コンサルティング代表。

ハローワークでの勤務経験を買われ、日本法令様出版の「SR 9月号」に記事を執筆しました。

(第27号 2012年8月6日発売)

元職員が指南する!ハローワークの効果的な利用の仕方

ページトップ