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NEW 派遣社員の社会保険加入基準と加入漏れを防ぐ実務フロー【社労士解説】   2025.12.16

派遣会社にとって、派遣社員の社会保険加入は単なる事務手続きではありません。加入漏れは、遡及保険料や行政指導といった直接的なリスクだけでなく、派遣社員からの信頼低下、派遣先企業からの評価低下にもつながります。近年は働き方の多様化により判断がより難しくなっており、社会保険対応は経営課題の一つと言っても過言ではありません。

 

本記事では、社会保険労務士の立場から、派遣社員の社会保険加入基準を整理するとともに、加入漏れを防ぐための実務フローについて、派遣会社の現場で実際に役立つ形で解説します。

 

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■ なぜ派遣社員の社会保険加入は難しいのか

 

派遣社員の社会保険加入判断が難しい最大の理由は、雇用形態と就業実態が一致しにくい点にあります。派遣社員は派遣元と雇用契約を結び、実際の勤務は派遣先で行います。そのため、派遣元が勤務時間や残業状況、シフト変更をリアルタイムで把握できないケースが少なくありません。

 

また、派遣契約は1か月や2か月といった短期更新が一般的です。その結果、「短期契約=社会保険不要」と誤解されがちですが、社会保険では契約期間そのものではなく「2か月を超えて使用される見込み」が重要になります。この“見込み要件”を正しく理解していないことが、加入漏れの温床となっています。

 

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■ 派遣社員の社会保険加入の基本基準(全国共通)

 

まず押さえておきたいのが、派遣社員にも一般の短時間労働者と同じ社会保険加入基準が適用されるという点です。派遣会社が特定適用事業所である場合、以下の条件をすべて満たすと原則として社会保険加入が必要になります。

 

・週の所定労働時間が20時間以上

・雇用期間が2か月を超える見込みがある

・月額賃金が88,000円以上

・学生でないこと

・派遣元が特定適用事業所であること

 

ここで重要なのは「見込み」で判断するという点です。契約書上は1か月であっても、更新が繰り返されることが合理的に想定される場合は、初回から加入対象となる可能性があります。

 

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■ よくある誤解①「1か月契約だから加入不要」

 

派遣会社で最も多い誤りが、この考え方です。社会保険は契約期間の長さではなく、実態と見込みで判断します。実務では「更新の可能性があるか」「業務が継続的か」「派遣先の受入計画はどうなっているか」などを総合的に見て判断する必要があります。

 

この判断を現場任せにすると、営業担当ごとに基準がバラバラになり、結果として加入漏れが発生します。

 

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■ 派遣先との情報共有が加入漏れを防ぐ鍵

 

派遣社員の社会保険管理で欠かせないのが、派遣先との情報共有です。派遣元が把握すべき情報には、次のようなものがあります。

 

・実際の勤務時間

・残業・休日勤務の有無

・シフト変更

・契約更新の予定

・配置転換や業務内容の変更

 

これらを把握せずに所定労働時間だけで判断してしまうと、繁忙期に週20時間を超えていたケースを見落とすことになります。

 

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■ 契約更新時は必ず社会保険を再チェック

 

派遣契約の更新は、社会保険加入を再判定する絶好のタイミングです。更新によって「2か月超の見込み」が明確になった場合、その時点で加入義務が発生します。

 

そのため、派遣会社では「契約更新=社会保険チェック」というルールを明文化し、必ず労務部門が確認する体制を整えることが重要です。

 

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■ 実際にあった加入漏れ事例

 

ある派遣会社では、1か月更新を理由に社会保険に加入させていなかった派遣社員が、結果的に1年以上継続勤務していました。年金事務所の調査で加入漏れが発覚し、2年分の遡及保険料を負担することになりました。

 

別のケースでは、週15時間の予定だった派遣社員が、繁忙期に週25時間働いていたにもかかわらず、派遣元が把握していなかった事例もあります。いずれも仕組みがあれば防げたケースです。

 

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■ 属人管理から脱却するための実務フロー

 

加入漏れを防ぐためには、次のような仕組み化が有効です。

 

・契約締結時に見込み要件をチェック

・契約更新時に必ず再判定

・派遣先から月次で勤務実態報告を受ける

・社会保険の最終判断は労務部門が行う

 

このフローを整えることで、担当者が変わっても同じ判断ができる体制になります。

 

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■ まとめ|派遣社員の社会保険加入は仕組みで守る

 

派遣社員の社会保険加入対応は、知識だけでなく運用が重要です。属人化した判断では、どうしても漏れが生じます。

 

社労士が関与し、加入判定フローを設計・運用することで、派遣会社は大きなリスクから解放されます。社会保険対応はコストではなく、会社の信用を守るための投資です。今一度、自社の運用を見直してみてはいかがでしょうか。

 

初回のご相談は無料ですので、ホームページお問合せよりお気軽にご連絡ください。

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セミナー開催実績例
  • 介護事業者様向け「改正介護保険法セミナー」
  • 介護事業者様向け「介護労働環境向上奨励金セミナー」 3回
  • 新規採用をお考えの事業者様向け
    「元ハローワーク職員が教える!求人助成金セミナー」
  • 飲食店様向け「元ハローワーク職員が教える!求人助成金セミナー」

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当事務所代表が会社様や、ご同業者の集まりに訪問し、ご依頼されたテーマ(一般的な課題)について原稿を作成し、講演するものです。

講演実績

日本経営開発協会様 御紹介
市川港開発協議会様 主催 研修

「マイナンバー通知開始!
今知りたいマイナンバー制度の傾向と対策」

【参加者様からのお声】

  • 非常に分かりやすく、90分飽きさせることのない素晴らしいものだった。
  • 非常に役に立ち、興味が持てる内容だった。
  • 普段は講義に集中するのは難儀なのだが、話のスピード、声のトーン、間、どれを取っても感心するばかりだった。
  • マイナンバーが今後いろいろな問題を引き起こす可能性があることがよくわかり、大変勉強になった。早期に確実な運用体制を社内に確立させなければと思った。

一般社団法人 港湾労働安定協会 様 主催
雇用管理者研修「職場のメンタルヘルスに関して(会社を守る職場のメンタルヘルス対策)」

【参加者様からのお声】

  • メンタルヘルス対策は今後も重要になってくると思うので、このような研修会を増やして貰いたい。
  • 社会保険労務士による内容を次回もお願いしたい。
  • メンタルヘルス関係で初めて面白い(役に立つ)情報が聞けたと思います。
  • 大変に良い研修ですので、これからも続けて貰えるとありがたいです。
  • 中間管理職として守るべきというか、部下に対してどのような人事労務管理をすればよいのか、中小企業向けに別途講習会をやってほしいと思った。
  • 株式会社LEC 様 主催
    「介護雇用管理研修」業務委託登録講師
  • 株式会社フィールドプランニング 様 主催
    「派遣元・派遣先・職業紹介責任者講習」業務委託主任講師
  • 神奈川韓国商工会議所様 主催
    経営者セミナー「お役立ち助成金講座
    (雇用の確保と5年ルールへの対応策)」
  • 日本経営開発協会様 御紹介
    株式会社根布工業様 主催
    安全大会「入ってないと、どうなっちゃうの?社会保険のこわ~いお話」
泉文美 講師紹介ページ

講演会の講師紹介・講師派遣なら講演依頼.com

研修について

当事務所代表が、会社様のご依頼に基づき、会社様の具体的な人事労務に関わる内容(個別事案)について、オーダーメイドのプログラムを作成し、社員の皆様に研修するものです。

研修のご依頼例

  • 就業規則を変更したので、わかりやすい説明会を開いてほしい
  • 給与規定を見直したので、従業員に説明をしてほしい
  • 従業員向けの、接客マナー、敬語などのレッスン会をしてほしい

執筆のご依頼

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HP記事執筆

ハッケン!リクナビ派遣に「働き改革!派遣社員が選べるふたつの雇用とは」と題する記事を執筆しました。

「働き方改革!派遣社員が選べるふたつの雇用とは」

「近代中小企業」2月号

「近代中小企業」2月号

「近代中小企業」2月号に記事を執筆しました。

「元ハローワーク職員が教える!ハローワーク求人&助成金活用法」

「SR」 9月号

SR 9月号

ハローワークを始め、社会保険事務所(現:年金事務所)、労働基準監督署でも勤務経験を持ち、「お役所の裏事情に詳しい社労士」として定評のある我がみなとみらい人事コンサルティング代表。

ハローワークでの勤務経験を買われ、日本法令様出版の「SR 9月号」に記事を執筆しました。

(第27号 2012年8月6日発売)

元職員が指南する!ハローワークの効果的な利用の仕方

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