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「ハラ萎縮」に悩む上司。 アサーティブコミュニケーションに解消のカギ   2024.05.28

世の中の「ハラスメント」への意識の高まりと共に、各社とも様々な取り組みがなされ、個人の意識も変わってきていることが言われています。

 

その一方で、若手へのマネジメントや指導に悩む管理職も多いようです。「部下に強く言えなくて困っている」「ハラスメント扱いされそうで、指導が徹底しづらく感じる」……40代50代を中心に、そんな上司たちの「ハラ萎縮」の声が聞こえてきます。

 

今回はその現状と解決のヒントを探ります。



◾️ハラ扱いされそうで若手社員に言いたいことが言えない……萎縮経験者は8割

 

株式会社Voicyは、2024年4月、20代~50代の会社員および会社役員・経営者645名を対象に行った「若手社員への育成に関する意識調査」の結果を発表しました。

 

それによると、「ハラスメントを意識して、若手社員へ厳しいことを言うのを躊躇したことがあるか」という質問に対し、「どちらかといえば躊躇している」が41.2%「躊躇している」が18,6%、「よく躊躇している」が15.7%という回答でした。

 

実に約8割の人が、ハラスメントを意識して厳しいことを言うことに萎縮している「ハラ萎縮」経験をしていることになります。

 

年代別に見ていくと「よく躊躇する」の割合は年代が高くなるほど多くなり、50代がもっとも多くなっています。逆に「あまり躊躇しない」の割合が高かったのは20代でした。



◾️本人のため、会社のため、指導したいが「言えない」上司の葛藤

 

同調査では「若手社員に厳しくできないことで考えられる弊害」についても聞いています。上司としては「若手が成長しない」(59.5%「組織運営がうまくいかない」(41.4%)「事業が伸びない」(38.3%)など、多くの危機感・課題を感じているようです。

 

「ハラスメント」の概念が浸透して一般化したのは平成の30年間。その間にマネジメントのスタイルも大きく変化しました。特に「躊躇する」の割合が多かった50代は、危機感を感じながらも、自分の受けてきたマネジメントや上司とのコミュニケーションスタイルとの違いに戸惑い、指導に悩んでいることが推察できます。

 

ちなみに、「若手社員に伝えたいけど、ハラスメントを気にして言えないこと」は、「嫌なこともやらなきゃいけない」(47.3%)、「納得いかなくてもまずやってみて」(45.3%)「まずは質より量である」(25.9%)でした。



◾注目されるアサーティブコミュニケーション

こういった膠着状況を改善するには、コミュニケーションの改善が大切なことはいうまでもありません。

 

ここで注目したいのは「アサーティブコミュニケーション」です。ご存知の方も多いと思いますが、アサーティブコミュニケーションとは一言で言うと「自分の言い分ばかりを押し通すのではなく、相手の言い分と自分の言い分の双方を尊重した自己表現」です。

 

詳細は省きますが、

描写(Describe)➡︎表現(Explain)➡︎提案(Specify)➡︎選択(Choose)

のステップを踏んで行います。(参考リンクを参照ください)

 

これに対して、非アサーティブなコミュニケーションとしては、

・「攻撃的タイプ(アグレッシブ)」相手の気持ちを配慮せず一方的に主張する

・「受け身タイプ」相手から・悪く思われることを避けるため言いたいことを伝えられない

・「作為的タイプ」相手に対する不満を直接に伝えず

                        態度や陰で非難することで伝わるようにしようとする

という形があります。



◾️アサーティブコミュニケーションの実例

 

例えば、部下の業務の進捗が遅れている・危うい際に「明日が期限だけど、ちゃんと提出してね」では、上司にとって「正しく」はありますが、アグレッシブなコミュニケーションになってしまいます。

 

そうではなくて「明日提出予定の資料だけど、何か困っていることはある?よければ聞くよ。私としては、明日中にもらえると助かるな」というように、相手の状況・心情を聞く姿勢を示しながら、こちらの要望をアイメッセージで伝えることが1つのポイントになります。

また、相手の状況を聞きながら、「それなら〜はできるかな」「〜については優先しようか」など細かく「提案」していくことが大切です。

 

どちらかというとアグレッシブなコミュニケーションに比べて、アサーティブなコミュニケーションはより細やかで手順を追ったもののため、慣れない、面倒に感じる人も多いかもしれません。

 

だだ、広くダイバーシティなマネジメントを求められる今、対若手に限らず必要なコミュニケーションスタイルと言えるでしょう。ぜひ取り入れていきたいものです。



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ご参考:

■株式会社Voicy:若手社員への育成に関する意識調査https://corp.voicy.jp/2024/04/09/10695/



■株式会社シーベース:アサーティブ・コミュニケーションとは?実践のポイントは何?わかりやすく解説!

https://www.cbase.co.jp/column/article632/#i-5



(文責:コラム担当/金田千和)


 

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一般社団法人 港湾労働安定協会 様 主催
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  • 社会保険労務士による内容を次回もお願いしたい。
  • メンタルヘルス関係で初めて面白い(役に立つ)情報が聞けたと思います。
  • 大変に良い研修ですので、これからも続けて貰えるとありがたいです。
  • 中間管理職として守るべきというか、部下に対してどのような人事労務管理をすればよいのか、中小企業向けに別途講習会をやってほしいと思った。
  • 株式会社LEC 様 主催
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  • 株式会社フィールドプランニング 様 主催
    「派遣元・派遣先責任者講習」業務委託主任講師
  • 神奈川韓国商工会議所様 主催
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  • 日本経営開発協会様 御紹介
    株式会社根布工業様 主催
    安全大会「入ってないと、どうなっちゃうの?社会保険のこわ~いお話」
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「近代中小企業」2月号

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ハローワークを始め、社会保険事務所(現:年金事務所)、労働基準監督署でも勤務経験を持ち、「お役所の裏事情に詳しい社労士」として定評のある我がみなとみらい人事コンサルティング代表。

ハローワークでの勤務経験を買われ、日本法令様出版の「SR 9月号」に記事を執筆しました。

(第27号 2012年8月6日発売)

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