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2024年の人事労務関係の主な法改正。早めの対応が吉!   2023.12.26

2023年は、コロナ禍後のオンライン&リアル勤務や育休推進などを経て、仕事や生活の捉え方の大きな変化を目の当たりにした1年でした。


2024年はより細やかにその変化に対応する法令が、春先から試行されていく1年と言えそうです。


注目したい3大改正について取り上げます。




①労働条件の明示が、より詳しくより細やかに必要に

(改正労働基準法:2024年4月1日施行)


労働条件の明示は今や常識になってきていますが、今回の改正はさらに入社後のトラブルを減らすための事項が4項目追加されています。煩雑にはなりますが、労働者との良い関係を構築・維持していくために対応をしていきたいですね。



(1)就業場所・業務の「変更の範囲」の明示


今までは入社時・最初の労働契約締結時に就業場所や業務内容・範囲を説明すれば良しとされていました。


今後は、すべての労働契約の締結と有期労働契約の更新のタイミングごとに、その変更の範囲、つまり将来の異動による就業場所・業務範囲を示すことが求められます。


これによって、入社後に言われていた仕事でないところに異動になった、というトラブルの未然防止にもありますし、労働者にとっても安心してキャリア形成やワーク・ライフ・バランスを図りやすくなる狙いがあります。



(2)更新上限(通算契約期間または更新回数の上限)の有無と内容


有期労働契約の締結と契約更新のタイミングごとに、更新上限(通算契約期間または更新回数の上限)の有無と内容の明示が必要になります。またそれを変更する(新設・短縮など)場合、理由も合わせた説明も求められることになりました。


有期労働契約の更新が何回できるのか、いつまで契約を続けられるか上限を設けることは、違法ではありません。ただ、その回数・期間が不明確であったり、急に変更されることは労働者にとっては大きな不安・不信につながることでもありました。



(3)無期転換申込機会の明示


「無期転換申込権」が発生する更新のタイミングごとに、無期転換を申し込むことができる旨(無期転換申込機会)を明示することが義務付けられます。


実は、無期転換ルールの認知度が低いために、自分に無期転換申込権が発生してもそれを行使しない労働者の割合が高いことが、厚生労働省の調査でも指摘されています。



(4)無期転換後の労働条件の明示


上記に加えて、使用者はその「無期転換申込権」が発生する更新のタイミングごとに、無期転換後の労働条件も明示することが必要になります。


具体的には「業務の内容、責任の程度、異動の有無・範囲などで、これも、労働者が無期転換するかどうかを判断しやすくする配慮となっています。




②障害者の法定雇用率が引き上げに。障害のある人への合理的配慮の提供も義務化

(障害者の雇用の促進等に関する法律施行規則等:2024年4月1日施行)


障害者の法定雇用率は現在2.3%ですが、2024年4月より2.5%、2026年7月より2.7%へと段階的に引き上げられます。


また、障害者差別解消法も改正され、事業者も障害のある人への合理的配慮の提供が義務化されます。合理的配慮の提供とは、障害者から「社会的なバリアを取り除いてほしい」という声があった場合、それを実施する上での負担が可能であれば、必要かつ合理的な配慮をするということです。(詳細は、下部の参考リンクを参照ください)




③社会保険の適用拡大。より小さい企業・短時間労働者も対象に

(改正厚生年金保険法:2024年10月1日施行)


2020年に成立した「年金制度改正法」により、短時間労働者が社会保険の加入対象となる企業規模が段階的に引き下がっていますが、2024年10月からは従業員数が51~100人の中小企業も社会保険の適用範囲拡大の対象になります。


また、それに加えて「短時間労働者」の要件も変わります。10月からは以下の条件を満たす人が対象になります。


・所定労働時間が週20時間以上

・雇用期間が2ヶ月以上の見込み(←以前は1年以上)

・賃金の月額が88000円以上

・学生でない


対象が拡大することもあり、社会保険に入るかどうかで勤務形態の変更を選択する労働者も出てくることが考えられます。今回該当になる企業の方は早めの対応をおすすめします。


このほかにも


・専門業務型裁量労働制の適用対象業務が拡大。導入・継続要件追加(4月1日施行)

・建設業・自動車運転業・医師にも時間外労働の上限規制(4月1日施行)

・マイナンバーカードと健康保険証の一体化(秋頃)


などが行われます。




みなとみらい人事コンサルティングでは、人事・労務に関わる最新情報を元に、貴社の状況に合わせたご相談に応じています。法令改正への対応についてのご相談もたまわります。お問合せ・相談フォームから、お気軽にお声がけください。初回の相談は無料です。



ご参考:


■厚生労働省/令和4年度労働政策審議会労働条件分科会報告を踏まえた労働契約法制の見直しについて(無期転換ルール及び労働契約関係の明確化)https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_32105.html


■厚生労働省/障害者の法定雇用率引上げと支援策の強化についてhttps://www.mhlw.go.jp/content/001064502.pdf


◼️内閣府/令和6年4月1日から合理的配慮の提供が義務化されます!

https://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/sabekai_leaflet-r05.html


■厚生労働省/年金制度改正法(令和2年法律第40号)が成立しました

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000147284_00006.html




(文責:コラム担当/金田千和)


 

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セミナー開催実績例
  • 介護事業者様向け「改正介護保険法セミナー」
  • 介護事業者様向け「介護労働環境向上奨励金セミナー」 3回
  • 新規採用をお考えの事業者様向け
    「元ハローワーク職員が教える!求人助成金セミナー」
  • 飲食店様向け「元ハローワーク職員が教える!求人助成金セミナー」

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講演実績

日本経営開発協会様 御紹介
市川港開発協議会様 主催 研修

「マイナンバー通知開始!
今知りたいマイナンバー制度の傾向と対策」

【参加者様からのお声】

  • 非常に分かりやすく、90分飽きさせることのない素晴らしいものだった。
  • 非常に役に立ち、興味が持てる内容だった。
  • 普段は講義に集中するのは難儀なのだが、話のスピード、声のトーン、間、どれを取っても感心するばかりだった。
  • マイナンバーが今後いろいろな問題を引き起こす可能性があることがよくわかり、大変勉強になった。早期に確実な運用体制を社内に確立させなければと思った。

一般社団法人 港湾労働安定協会 様 主催
雇用管理者研修「職場のメンタルヘルスに関して(会社を守る職場のメンタルヘルス対策)」

【参加者様からのお声】

  • メンタルヘルス対策は今後も重要になってくると思うので、このような研修会を増やして貰いたい。
  • 社会保険労務士による内容を次回もお願いしたい。
  • メンタルヘルス関係で初めて面白い(役に立つ)情報が聞けたと思います。
  • 大変に良い研修ですので、これからも続けて貰えるとありがたいです。
  • 中間管理職として守るべきというか、部下に対してどのような人事労務管理をすればよいのか、中小企業向けに別途講習会をやってほしいと思った。
  • 株式会社LEC 様 主催
    「介護雇用管理研修」業務委託登録講師
  • 株式会社フィールドプランニング 様 主催
    「派遣元・派遣先責任者講習」業務委託主任講師
  • 神奈川韓国商工会議所様 主催
    経営者セミナー「お役立ち助成金講座
    (雇用の確保と5年ルールへの対応策)」
  • 日本経営開発協会様 御紹介
    株式会社根布工業様 主催
    安全大会「入ってないと、どうなっちゃうの?社会保険のこわ~いお話」
泉文美 講師紹介ページ

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「近代中小企業」2月号

「近代中小企業」2月号

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SR 9月号

ハローワークを始め、社会保険事務所(現:年金事務所)、労働基準監督署でも勤務経験を持ち、「お役所の裏事情に詳しい社労士」として定評のある我がみなとみらい人事コンサルティング代表。

ハローワークでの勤務経験を買われ、日本法令様出版の「SR 9月号」に記事を執筆しました。

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