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2026年カスハラ対策義務化で何が変わる?派遣会社が今すぐ取り組むべきこと   2025.10.15

### 1. はじめに:カスハラ防止が「企業の義務」になる時代へ 

 

2026年中に施行予定の「改正労働施策総合推進法」によって、 

企業は「カスタマーハラスメント(カスハラ)」防止のための措置を講じることが義務化されます。 

 

これまでは、パワーハラスメント(パワハラ)やセクシャルハラスメント(セクハラ)など、 

社内で起きるハラスメントに対して企業の防止義務が定められていました。 

しかし、「顧客から従業員に対するハラスメント」に関しては、明確な法的義務は存在していませんでした。 

 

つまり、「お客様からの暴言」「過度なクレーム対応」「人格を否定するような要求」など、 

従業員が日常的に受けていた精神的負担に対して、企業として守るための仕組みが不十分だったのです。 

 

改正法の成立により、カスハラはようやく法の下で正式に「防止義務の対象」となりました。 

これは、職場におけるメンタルヘルスや安全配慮義務の観点からも、非常に大きな一歩です。 

 

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### 2. カスハラとは?その定義と派遣現場の実情 

 

「カスタマーハラスメント(カスハラ)」とは、 

顧客が企業やその従業員に対して、社会通念を超える不当な言動を行うことを指します。 

 

典型的な事例としては、次のようなケースが挙げられます。 

 

- 暴言や威圧的な態度を繰り返す 

- 不当な要求を執拗に続ける 

- 長時間にわたってクレーム対応を強要する 

- SNSなどでの誹謗中傷 

- 人格を否定するような言葉を投げつける 

 

派遣スタッフの現場では、特に「派遣先の顧客」からこうした行為を受けるケースが少なくありません。 

しかし、多くのスタッフは「お客様だから仕方ない」「派遣先との関係を悪くしたくない」といった理由から、 

我慢してしまう傾向にあります。 

 

結果として、心身の不調や離職につながるケースもあり、 

企業にとっては“見えないコスト”として大きな損失となっています。 

 

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### 3. 改正法の概要:企業に求められる対応 

 

今回の改正では、以下の3点が企業に求められます。 

 

#### ① 防止方針の明確化 

カスハラに対する企業の基本的な考え方を明文化し、 

全従業員が理解できる形で共有する必要があります。 

社内ポリシーや就業規則に明記し、派遣先企業とも共有することが望まれます。 

 

#### ② 相談体制・窓口の整備 

被害を受けた従業員が安心して相談できる窓口を設けることが義務化されます。 

担当者は守秘義務を持ち、適切な対応・助言を行う体制を整えることが求められます。 

 

#### ③ 実効性の確保 

単に「方針を掲げただけ」では不十分です。 

教育・研修・マニュアル整備などを通じて、実際に防止策が機能するように運用することが必要です。 

 

罰則規定は設けられていませんが、行政指導や公的評価、さらには取引先からの信用など、 

実質的な社会的リスクを考えれば「やらない理由はない」と言えるでしょう。 

 

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### 4. 同時改正:女性活躍推進法・男女雇用機会均等法 

 

今回の法改正では、「女性活躍推進法」や「男女雇用機会均等法」に関しても重要な変更が行われました。 

 

#### 女性活躍推進法の改正 

従業員101人以上の企業に対し、 

「女性管理職比率」と「男女の賃金差異」の公表が義務付けられます。 

施行は2026年4月1日。 

 

企業の透明性がより一層求められ、 

「人材の見える化」を進めることが社会的責任となっていきます。 

 

#### 男女雇用機会均等法の改正 

採用活動中の学生に対するセクハラ防止も義務化されました。 

特に採用担当者や面接官に対しては、明確なルールや教育体制の整備が必要です。 

 

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### 5. 派遣会社が取るべき3つの実務対応 

 

派遣会社にとって、今回の改正は“自社内の体制整備”だけでなく、 

“派遣先との協力体制”が極めて重要になります。 

 

#### ステップ①:現場の声を聞く 

まずは、派遣スタッフ・営業担当・管理職などから、 

現場で実際にどのような顧客対応が行われているかをヒアリングします。 

「カスハラを受けたけど報告しなかった」というケースがないか確認することが第一歩です。 

 

#### ステップ②:方針とマニュアルの整備 

カスハラの定義や対応手順、報告ルート、派遣先への連絡方法などを具体的に文書化します。 

派遣契約書には「カスハラ防止における協力条項」を盛り込むことで、 

派遣元・派遣先双方の責任範囲を明確にできます。 

 

#### ステップ③:教育と啓発 

派遣スタッフ・営業担当・派遣先責任者など、立場ごとに適切な研修を実施します。 

「我慢する」文化から「報告・相談する」文化へ。 

相談しやすい環境をつくることで、問題の早期発見・再発防止につながります。 

 

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### 6. カスハラ対策のポイント:派遣先との連携が鍵 

 

派遣会社単独での対応には限界があります。 

実際にカスハラが発生する現場は、派遣先企業であることがほとんどです。 

 

そのため、派遣契約時や定例ミーティングなどを活用し、 

派遣先と共に「カスハラ防止方針」を共有することが不可欠です。 

 

派遣スタッフが安心して働ける環境を整えることは、 

派遣先にとっても定着率の向上や生産性の向上につながるメリットがあります。 

 

企業同士の協働で、より良い就労環境を築いていくことが理想です。 

 

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### 7. カスハラ対策を「義務」から「企業文化」へ 

 

今回の改正は単なる法令対応ではありません。 

「従業員を守ること」が「企業を守ること」に直結する時代が来ています。 

 

カスハラ防止を経営課題として位置づけることで、 

企業のブランド価値や採用力も確実に向上します。 

 

従業員が安心して働ける環境を整えることは、 

結果的に顧客満足度やサービス品質の向上にもつながります。 

 

「法に従う」だけでなく、「人を守る文化をつくる」ことが、 

今後の企業経営における重要な視点になるでしょう。 

 

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### 8. フリーランス保護にも広がる議論 

 

改正法の付則には、「フリーランスとして働く人の保護を検討する」と明記されています。 

働き方の多様化が進む中で、雇用関係にない立場の人たちに対しても、 

ハラスメント防止や安全配慮が求められるようになる可能性があります。 

 

派遣会社としても、業務委託契約を結ぶ外部人材への対応を見直すきっかけになるでしょう。 

 

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### 9. 社労士の視点:法令対応と現場運用の“橋渡し”を 

 

社会保険労務士として感じるのは、制度ができても「現場で機能しない仕組み」が多いということです。 

たとえば、「相談窓口を設けたけれど、誰も使わない」「報告しても対応が遅い」など、 

運用面での課題が必ず発生します。 

 

大切なのは、“制度を現場で活かすこと”。 

 

そのためには、 

- 実際の相談対応フローを明確にする 

- 担当者教育を継続的に行う 

- 相談内容を匿名で共有し、再発防止に生かす 

といった地道な仕組みづくりが必要です。 

 

社労士としては、 

就業規則・派遣契約・研修・相談体制の整備など、 

「制度設計+運用支援」の両面から企業をサポートしていくことが求められます。 

 

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### 10. まとめ:2026年に向けた「守るための準備」を今から 

 

2026年のカスハラ防止義務化は、 

すべての企業に「従業員を守る経営」を求める流れの象徴です。 

 

派遣会社にとっては、 

スタッフの安全と働きやすさを守ることが、 

結果的にクライアント企業の信頼や自社の成長にもつながります。 

 

「お客様は神様」という時代から、 

「お客様も従業員も大切にする時代」へ。 

 

今こそ、自社の現場を見直し、 

相談体制や方針整備をスタートさせるタイミングです。 

 

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👩‍💼 社労士として、現場実務と法令の間に立ち、 

派遣会社の皆さまが安心して対応できるようお手伝いします。 

制度対応はもちろん、「現場で機能する仕組みづくり」を一緒に進めていきましょう。 

 

当ホームページのお問合せ・相談フォームから、お気軽にお声がけください。

初回のご相談は無料です。

 

【関連記事】

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA027PU0S5A600C2000000/

 

【参考】

厚生労働省「令和7年の労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(労働施策総合推進法)等の一部改正について」

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/zaitaku/index_00003.html

管理職の7割が“育成に悩む”時代へ──派遣業界に求められる次世代マネジメントとは   2025.10.14

## 1. はじめに:管理職の悩みは「部下育成」がトップに

 

「部下の育成が難しい」。 

最近、企業の管理職の方からよく耳にする言葉です。 

 

リクルートマネジメントソリューションズが2025年に実施した調査によると、 

人事担当者・管理職層のいずれも**7割以上が「管理職に課題を感じている」**という結果が出ました。 

その中でも最も多く挙げられたのが、**「メンバー育成」**です。 

 

※参照記事)https://jinjibu.jp/news/detl/25574/?newstop=cate

 

この結果は、多くの業界で起きている「管理職の過重負担」や「育成ノウハウの不足」を 

如実に示しているといえます。 

 

そしてこの傾向は、派遣業界にも深く関係しています。 

現場スタッフを支え、クライアントと信頼関係を築く“マネジメント力”が、 

今、派遣会社の競争力を左右しているのです。 

 

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## 2. 調査が明かす「人事と管理職のギャップ」

 

調査の結果を詳しく見ると、 

人事担当者と管理職の間で、課題に対する視点の違いが浮き彫りになりました。 

 

人事は「管理職候補の不足」「育成の不十分さ」「女性管理職の割合」を問題視。 

一方、現場の管理職は「業務負担の増大」「チームのモチベーション維持」に悩んでいます。 

 

つまり、**人事が求める理想のマネジメントと、現場が直面する現実にはギャップがある**ということ。 

 

派遣会社でも同様の現象が見られます。 

本社の人事部門は「教育制度」「評価制度」の整備に力を入れていても、 

現場のコーディネーターや営業担当者は「日々の業務に追われて実施できない」と感じている。 

 

このズレが続くと、管理職のモチベーションは下がり、 

育成文化が根づかないまま、現場力が低下していくリスクがあります。 

 

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## 3. 派遣業界のマネジメント構造と「プレイングマネジャー」の現実

 

派遣会社では、管理職がプレイヤー業務を兼ねるケースが多くあります。 

営業も担当しながら、スタッフ面談、クライアント対応、契約管理…と、 

“やることリスト”が尽きません。 

 

こうした「プレイングマネジャー」体制では、 

部下の育成やチームの関係性づくりが後回しになりがちです。 

 

さらに、派遣スタッフの入れ替わりも多いため、 

「せっかく育ててもすぐに辞めてしまう」という無力感を抱える管理職も少なくありません。 

 

この状況を放置すれば、 

現場のリーダーが疲弊し、結果としてスタッフ定着率やクライアント満足度にも影響が及びます。 

 

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## 4. “管理しすぎない”組織へ──「自律共創型組織」の台頭

 

調査によれば、60%以上の管理職が、 

「会社から自律共創型組織への移行を求められている」と回答しました。 

 

自律共創型組織とは、 

「チームで考え、柔軟に価値を生み出す組織」を指します。 

 

これまでのように上司がすべてを管理するのではなく、 

メンバー自身が目的を理解し、自ら動くことを重視します。 

 

このスタイルに移行した企業では、 

・チームワークの向上 

・メンバーの主体性向上 

といった成果が報告されています。 

 

派遣業界においても、 

現場スタッフ一人ひとりが自律的に考え、行動できる環境を作ることが重要です。 

そのためには、「管理職が指示を減らし、対話を増やす」ことが鍵になります。 

 

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## 5. 新時代のリーダー像──「創造革新タイプ」の管理職

 

今回の調査の大きな特徴は、 

今後求められる管理職のタイプが明確に変化している点です。 

 

従来主流だったのは「組織管理タイプ」「実務推進タイプ」。 

しかし、今後増やすべきとされたのは「企画開発タイプ」や「創造革新タイプ」でした。 

 

「創造革新タイプ」とは、変化を恐れず、 

新しい価値を生み出すリーダーのこと。 

 

彼らは現場の課題をチャンスに変え、 

組織に新しい風を吹き込む存在です。 

 

派遣会社でいえば、 

クライアントと協働して新たな人材提案を行ったり、 

スタッフのキャリア支援を通じて現場の信頼を高めたりする管理職が該当します。 

 

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## 6. 管理職が抱える「任せることの不安」

 

しかし、創造革新タイプのリーダーを育てるためには、 

まず“任せる文化”を根づかせる必要があります。 

 

調査では、「自律共創型組織の難しさ」として、 

「仕事の割り当て」「新しいやり方へのチャレンジ」「自発的な情報共有」が上位に挙がりました。 

 

つまり、任せることの難しさを多くの管理職が感じているのです。 

 

派遣現場では、スタッフのスキルや勤怠に関する不安があり、 

どうしても上司が細かく管理しがち。 

しかし、それではメンバーの自律は育ちません。 

 

“失敗を恐れず任せる”ことで、 

初めて現場に成長の芽が生まれます。 

 

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## 7. 人事と現場の「目線合わせ」が育成の出発点

 

育成において最も重要なのは、 

**人事と現場の目線を合わせること**です。 

 

人事は制度・仕組みを整える立場。 

現場は実際に人を動かす立場。 

 

どちらか片方だけでは、育成は機能しません。 

 

たとえば派遣会社であれば、 

「どんな人材を管理職にしたいのか」 

「どんな育成行動を評価するのか」 

といった基本方針を、人事と現場で共有することが欠かせません。 

 

この“合意形成”こそが、育成文化を支える土台になります。 

 

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## 8. 社会保険労務士が見る「管理職育成の三本柱」

 

社会保険労務士として多くの派遣会社を支援してきた経験から、 

管理職育成を機能させるための“三本柱”を提案します。 

 

### ① 現場起点のマネジメント研修

一般的な座学ではなく、現場の事例を用いた「ケーススタディ型研修」が効果的です。 

実際の派遣トラブルや育成の難しいケースをもとに、 

どう対話し、どう支援するかを体感的に学びます。 

 

### ② 「育てる行動」を評価に組み込む

売上や稼働率などの数字だけでなく、 

部下育成・チーム貢献を評価項目に含めることで、 

マネジメント意識が自然に高まります。 

 

### ③ 管理職のメンタルケア

管理職は“支える側”であるがゆえに孤立しがちです。 

社労士や外部コンサルタントが第三者的に相談を受ける仕組みを作ることで、 

リーダーが安心してマネジメントに専念できるようになります。 

 

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## 9. 「創造革新タイプ」を育てる組織文化とは

 

「創造革新タイプ」を育てるには、 

スキルよりも**文化の醸成**が重要です。 

 

失敗を責めない文化、 

アイデアを歓迎する文化、 

意見を交わす場が日常的にある文化。 

 

こうした土壌が整えば、 

自然と挑戦する人が増え、組織に活気が生まれます。 

 

派遣業界のようにスピードが求められる現場こそ、 

“挑戦できる安全な環境”が成果につながります。 

 

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## 10. まとめ:マネジメントの再定義を

 

これまでの管理職像は「業務を遂行する人」でした。 

これからの管理職像は、「人の成長を支援する人」へと変わります。 

 

派遣会社においても、 

スタッフや営業担当者の成長を支えるリーダーこそが、 

真に価値を生み出す存在になるでしょう。 

 

リクルートの調査が示すように、 

「創造革新タイプ」の管理職を増やすことは、 

単にマネジメントスタイルの転換ではなく、 

企業文化を変える第一歩でもあります。 

 

社会保険労務士として、 

私たちは制度設計や研修の支援だけでなく、 

経営者・人事・現場の“橋渡し役”として、 

育成が自然に回る仕組みづくりをサポートしていきたいと考えています。 

 

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### 最後に──派遣会社の皆さまへ

 

もし今、 

「現場のマネジメントがうまくいかない」 

「人を育てる仕組みが機能していない」と感じているなら、 

まずは“管理職の育成の仕方”を見直してみてください。 

 

管理職が変われば、現場が変わります。 

現場が変われば、組織全体の風土が変わります。 

 

そしてその変化の中心にいるのが、 

「人の成長に寄り添うリーダー」── 

まさに“創造革新タイプ”の管理職なのです。 

 

当ホームページのお問合せ・相談フォームから、お気軽にお声がけください。

初回のご相談は無料です。

 

#マネジメント #人材育成 #派遣業界 #社会保険労務士 #組織開発 #働き方改革

2026年度派遣同一労働同一賃金労使協定セミナー(10/15)に登壇します   2025.10.11

### 1. はじめに:2026年度に向けた「労使協定見直し」のタイミングが到来

 

2020年4月から始まった「同一労働同一賃金」制度。 

派遣会社の皆さまにとっては、すでに毎年の更新業務の一部として定着していることと思います。 

 

ただ、2026年度に向けて、今まさに「見直しのタイミング」を迎えています。 

なぜなら、制度がスタートしてから5年以上が経ち、 

一般賃金の上昇や市場環境の変化により、 

初期に策定した労使協定の前提がずれてきているケースが多いからです。

 

たとえば、次のようなお悩みを感じていませんか?

 

- 一般賃金の上昇率が高く、賃金テーブルの整合性が取れなくなっている 

- 派遣料金が上げられず、協定上の水準との差が広がっている 

- 職種区分や比較対象労働者の設定に迷いがある 

- 労働局からの調査や是正指導が気になる 

 

これらは、ほぼすべての派遣会社で共通して起きている課題です。 

「うちは制度対応できている」と思っていても、 

細かい部分で制度とのズレが蓄積していることが多いのです。

 

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### 2. 同一労働同一賃金とは?改めて基本を整理

 

「同一労働同一賃金」とは、 

派遣社員であっても、同じ仕事をしている正社員と 

不合理な待遇差があってはならないという考え方に基づく制度です。

 

派遣会社においては、次の2つの方式のどちらかで対応する必要があります。

 

1. **労使協定方式**:派遣元(派遣会社)が労使協定を締結し、賃金水準を自社で決める方式 

2. **派遣先均等・均衡方式**:派遣先企業の正社員と比較し、同等の待遇を保証する方式 

 

多くの派遣会社では「労使協定方式」を採用しています。 

理由は、派遣先との情報共有負担が軽く、 

運用を自社で完結できるためです。

 

しかし、この方式は「自社で正しく設計し、定期的に見直すこと」が大前提。 

ここが難しく、現場の実務で悩まれる方が多いポイントです。

 

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### 3. 2026年度改定に向けた背景と国の動き

 

2026年度に向け、厚生労働省では「一般賃金水準」の見直しを予定しています。 

具体的には、職業分類や賃金構造基本統計調査(賃金構造基本統計調査・いわゆる「賃構統計」)の更新が進められ、 

新たな基準値が発表される見込みです。

 

これにより、2020年や2021年に策定した労使協定の賃金テーブルが 

現行の水準よりも低く設定されているケースが増えることが予想されます。 

 

つまり、**現行の協定をそのまま更新すると「法の趣旨に合わない」状態になるリスク**があるのです。

 

また、2024年以降、労働局による立ち入り・書面調査が強化されており、 

労使協定の整合性や比較対象の妥当性を厳しく確認される傾向にあります。 

 

したがって、「2026年度改定」は、単なる年次更新ではなく、 

**制度全体を再設計する大きな節目**になると言えるでしょう。

 

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### 4. 現場でよくある「5つの課題」

 

私が派遣会社様のサポートをしていて、特に多いご相談がこちらです。

 

1️⃣ **賃金テーブルの設計が複雑化している** 

→ 各職種・地域・勤続年数を反映するとパターンが膨大になり、管理が難しい。 

 

2️⃣ **一般賃金水準の上昇に派遣料金が追いつかない** 

→ 顧客交渉が難しく、協定水準とのギャップが発生。 

 

3️⃣ **事業所間で運用にばらつきがある** 

→ 本社と支店で協定解釈が異なり、是正指導のリスクが生じる。 

 

4️⃣ **職種設定や区分の判断が難しい** 

→ 職務内容が多岐にわたり、統計上どの職種に当てはめるか分からない。 

 

5️⃣ **労働局の是正指導に対応できていない** 

→ 提示資料の整備や協定書の説明が不十分で、改善指導を受けるケースも。

 

これらは、決して一部の企業だけの問題ではありません。 

むしろ「制度を真面目に運用している会社ほど悩みが深い」と言っても過言ではありません。

 

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### 5. 厚労省ガイドライン改定の方向性

 

2026年度に向けて検討が進むガイドラインでは、次のような変更が焦点になると考えられます。

 

- 職種区分の再整理(特に事務・製造・技術系の境界明確化) 

- 一般賃金水準の上方修正 

- 教育訓練・福利厚生の均衡に関する指針強化 

- 賃金テーブルの公開方法・説明義務の明確化 

 

これらが確定すれば、労使協定書のフォーマット自体を 

一部修正する必要が出てくる可能性があります。

 

つまり、「いまの協定をそのまま更新」では済まないということです。 

セミナーでは、最新のガイドライン改定動向も詳しく解説いたします。

 

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### 6. 格差是正とコストのバランスをどう取るか

 

「賃金水準を引き上げたいけれど、料金改定が難しい」 

これは、どの派遣会社様からも共通して聞かれるお悩みです。 

 

現実的には、 

**待遇改善(=コストアップ)と経営の安定性**をどう両立するかがポイントです。

 

このバランスを取るためには、 

・地域別・職種別の統計を正確に把握する 

・段階的な昇給モデルを設定する 

・派遣先との料金改定交渉に根拠を持たせる 

 

といった“データに基づく運用”が欠かせません。 

「制度を守ること」が「経営リスクを防ぐこと」に直結します。

 

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### 7. 実際に起きやすいトラブル事例

 

いくつかの実例を挙げましょう。

 

- **事例①:協定更新時の賃金差異指摘** 

→ 一般賃金との差が広がり、労働局から是正を求められたケース。 

 

- **事例②:比較対象労働者の選定ミス** 

→ 派遣先の正社員ではなく、契約社員を比較にしていた。 

 

- **事例③:派遣先からのクレーム** 

→ 協定内容を十分説明しておらず、派遣料金交渉でトラブルに発展。 

 

- **事例④:労働者代表の選任手続きの不備** 

→ 代表選出が形式的で、労働局に認められなかった。 

 

これらは、少しの確認不足から起きやすいものですが、 

是正指導になると、他の契約にも影響を及ぼすことがあります。

 

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### 8. 労使協定方式は“経営戦略”の一部

 

労使協定方式は、単なる法令遵守のための仕組みではありません。 

**「人材定着」「顧客信頼」「ブランド価値向上」**に直結する経営戦略の要です。

 

賃金水準を明確にし、合理的に説明できることは、 

派遣社員から見ても「安心して働ける会社」である証拠になります。 

 

また、派遣先企業にとっても、制度を理解し対応できている派遣会社は、 

「信頼できるパートナー」として長期契約につながりやすくなります。

 

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### 9. セミナーの概要と見どころ

 

そんな実務課題を踏まえ、 

ユニテックシステム株式会社主催のオンラインセミナーにて、 

私、社会保険労務士・泉文美が登壇いたします。

 

**テーマ**:2026年度の労使協定方式見直しポイントと実務対応 

🗓 日時:2025年10月15日(水)14:00~14:45(オンライン開催) 

💰 参加費:無料 

🔗 お申し込みはこちら: 

[セミナー詳細・申込ページ](https://www.cocripo.co.jp/webinar/94644a2f-3a26-424f-84ef-05086207015c/detail)

 

内容は、 

・厚労省ガイドラインの最新情報 

・協定書の再設計で見落としがちなポイント 

・派遣料金・コストのバランスの取り方 

・労働局対応の実務ヒント 

 

など、すぐに実務に活かせる形でお伝えします。

 

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### 10. まとめ:2026年に向け、今こそ「見直しの一歩」を

 

2026年度改定は、派遣会社にとって大きな転換点です。 

「まだ先の話」と思っているうちに、 

見直し作業や料金交渉の準備期間が足りなくなるケースも少なくありません。 

 

今のうちに協定内容を棚卸しし、 

最新のデータ・基準に沿って再設計することが、 

リスク回避と信頼向上の第一歩です。 

 

👩‍🏫セミナーでは、 

「明日から使える実務ヒント」を具体的にお伝えいたします。 

 

派遣業界の皆さま、ぜひこの機会に一緒に学びを深め、 

2026年度を安心して迎えましょう。

 

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#同一労働同一賃金 #派遣会社 #労使協定方式 #社会保険労務士 #人事労務 #ユニテックシステム #2026年度改定 #セミナー情報

【令和7年版】派遣会社が賃上げと人材育成を両立できる「業務改善助成金」解説   2025.10.10

### はじめに:派遣業界に求められる“持続可能な賃上げ”

 

令和7年に入り、派遣業界を取り巻く環境は大きく変化しています。 

人材不足の加速、採用コストの上昇、そしてクライアント企業からの「スキルの高い人材を」という要望。 

 

こうした中で、派遣会社にとって避けて通れないテーマが**「賃上げ」と「人材育成」**です。 

 

しかし、現実的には次のような課題を抱える会社が多いのではないでしょうか。

 

- 時給アップの原資をどう確保するか 

- 教育研修にかけるコスト負担が重い 

- 労務管理・人材マッチングに手間がかかり生産性が上がらない 

 

こうした悩みをサポートするために、厚生労働省が令和7年9月に**「業務改善助成金」**を拡充しました。 

本記事では、この助成金の仕組みと、派遣会社がどのように活用できるのかを、社会保険労務士の視点で詳しく解説します。

 

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### 1. 「業務改善助成金」とは?──賃上げと生産性向上を同時に支援

 

「業務改善助成金」は、事業場内最低賃金を一定額以上引き上げ、 

そのうえで**生産性向上に資する設備投資や人材育成を行った企業に対し、費用の一部を助成**する制度です。 

 

つまり、「賃上げ+改善投資」を行う企業を支援する仕組み。 

賃上げのみならず、企業が中長期的に“生産性を上げながら持続的な賃上げを実現する”ことを目的としています。

 

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### 2. 令和7年度の拡充ポイント

 

今回の拡充(令和7年9月改定)では、次の3点が大きく見直されました。

 

1. **助成率・上限額の引き上げ** 

   小規模事業者を中心に、助成率が最大90%に引き上げ。 

   上限額も従来より高く設定されています。

 

2. **対象範囲の拡大** 

   生産性向上に寄与する「外部コンサルティング費用」や「教育訓練費用」も対象として明確化。 

   派遣業でも利用しやすくなりました。

 

3. **申請手続きの簡素化** 

   電子申請やテンプレート化された様式が導入され、事務負担が軽減。 

 

これにより、「申請が面倒そう」と感じていた中小企業・派遣会社も、活用しやすくなっています。

 

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### 3. 助成対象となる具体的な取組内容

 

派遣会社の場合、業務改善助成金の対象になる取組は多岐にわたります。 

以下のようなケースが代表的です。

 

- **人材育成・教育訓練費** 

  派遣スタッフや営業担当へのスキルアップ研修、キャリア形成支援、コンプライアンス研修など。

 

- **外部コンサルティング費用** 

  業務プロセス改善、人事制度設計、派遣先との契約見直しなどを目的とした専門家への依頼費。

 

- **システム導入・IT投資** 

  勤怠管理システム、マッチング支援ツール、労務管理クラウドなど、生産性を高めるシステム導入。

 

- **設備投資** 

  オフィス機器やデジタル化に関連する備品導入(※業務効率化に関連していることが条件)。

 

いずれも「業務の効率化」「人への投資」「労働環境の改善」に資する内容であれば対象になります。

 

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### 4. 助成金の支給までの流れ

 

助成金は「申請前に賃上げ・投資計画を立てる」ことが前提です。 

以下の流れで手続きを進めます。

 

1️⃣ **計画の策定** 

賃上げ額、対象従業員、投資内容、費用見積もりを明確にします。 

 

2️⃣ **申請書の提出** 

都道府県労働局へ申請。交付決定通知を受け取るまで実施はできません。 

 

3️⃣ **事業の実施** 

計画通りに賃上げと投資を行います。 

 

4️⃣ **実績報告と支給申請** 

報告書類を提出後、審査を経て助成金が支給されます。 

 

※ポイントは「計画前に動かない」こと。 

すでに導入済み・実施済みの投資は対象外です。

 

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### 5. 助成金額と助成率の目安

 

助成金の金額は、 

「生産性向上のための投資額 × 助成率(最大90%)」または「上限額」のいずれか低い方となります。

 

令和7年度の一般的な上限は以下のとおりです。

 

| 引上げ額 | 上限額(中小企業) | 助成率 |

|------------|----------------|-----------|

| 30円以上 | 50万円〜200万円 | 4/5〜9/10 |

| 60円以上 | 200万円〜400万円 | 4/5〜9/10 |

| 90円以上 | 300万円〜600万円 | 4/5〜9/10 |

 

つまり、**中小の派遣会社でも最大600万円近くの助成が可能**です。

 

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### 6. 賃上げの定義と注意点

 

業務改善助成金の「賃上げ」は、単に給与を上げることではありません。 

具体的には「事業場内最低賃金」を一定額以上引き上げることが条件です。 

 

たとえば、 

- 派遣スタッフの時給単価を引き上げる 

- 内勤社員の基本給を見直す 

- 契約更新時に新しい賃金規定を適用する 

 

といった形で「全社的に最低賃金を底上げ」することが求められます。 

 

一時的な手当やボーナスではなく、「恒常的な賃金の引上げ」がポイントです。

 

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### 7. 派遣会社が活用すべき理由

 

派遣業界では、他業種と比べて「教育訓練費」が助成対象になりやすい特徴があります。 

なぜなら、派遣スタッフのスキルアップが事業全体の生産性向上に直結するからです。

 

📌 例えばこんなケース:

 

- IT派遣スタッフにプログラミング基礎研修を導入 

- オフィス派遣スタッフにExcel・ビジネスマナー研修を実施 

- 営業担当に労務コンプライアンス研修を実施 

 

これらはいずれも助成対象に含まれる可能性があります。 

 

教育投資は「短期的な費用」ではなく「長期的な資産」。 

派遣会社こそ、人材育成を助成金で支える好機です。

 

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### 8. よくある誤解と落とし穴

 

助成金の相談を受けていると、次のような誤解が少なくありません。

 

❌ 「すでに導入したシステムも対象になる」 

→ 対象は**申請後に実施するもののみ**です。 

 

❌ 「個人研修も全部助成される」 

→ 助成対象は「全体の生産性向上につながる」研修。特定社員だけでは難しい場合も。 

 

❌ 「派遣スタッフが少ないから関係ない」 

→ 正社員・契約社員を含む「労働者」がいれば対象。少人数でも申請可能です。 

 

手続きや要件を誤解すると、せっかくのチャンスを逃してしまうこともあります。

 

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### 9. 成功するための実践ポイント

 

社労士として助成金活用を支援してきた経験から、 

成功する会社に共通する3つのポイントを挙げます。

 

1️⃣ **「目的」を明確にする** 

助成金を“もらうこと”が目的ではなく、“人材育成や業務効率化”という目的を明確に。 

 

2️⃣ **「経営と現場をつなぐ」** 

賃上げを経営判断として掲げ、現場の社員にも意義を共有する。 

 

3️⃣ **「継続的に改善を行う」** 

一度きりの投資ではなく、毎年の改善サイクルを仕組み化する。 

 

この3つを意識することで、助成金の効果は長期的な経営改善へとつながります。

 

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### 10. まとめ:賃上げを「コスト」ではなく「投資」に変える

 

派遣会社にとって、賃上げは避けて通れないテーマです。 

しかし、それを単なるコストとして捉えるのではなく、 

**「人材育成と生産性向上のための投資」**として位置づけることで、経営の質は確実に高まります。 

 

「業務改善助成金」は、その実現を後押しする強力な制度です。 

 

賃上げ、人材育成、システム投資――これらを一体として考え、 

国の支援を上手に取り入れることで、派遣業の競争力を次のステージへ引き上げましょう。

 

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📎 **参考リンク:** 

厚生労働省「業務改善助成金」 

👉 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/zigyonushi/shienjigyou/03.html

 

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💡 **社労士としてのひとこと**

 

助成金の申請は「正確な計画づくり」が最も重要です。 

「自社の計画は対象になる?」「賃上げ額はどの程度が妥当?」 

そんな疑問をお持ちの派遣会社様は、ぜひ専門家に一度ご相談ください。 

 

私たち社会保険労務士は、制度を“現場で活かす”ための具体的な支援を行っています。 

当ホームページのお問合せ・相談フォームから、お気軽にお声がけください。

初回のご相談は無料です。

 

 

#業務改善助成金 #派遣会社 #人材育成 #賃上げ支援 #生産性向上 #社労士ブログ

マージン率等の情報提供」は作成して終わりじゃない!派遣会社が押さえるべき公開義務とは   2025.10.08

今回は、派遣会社の皆さまにとって毎年欠かせない業務、 

「派遣事業報告書」および「マージン率等の情報提供」について、 

特に“インターネットでの公開義務”をテーマにお話しします。

 

実務の現場では、「マージン率等の情報提供書を作ったから終わり」と思っている方がまだまだ多いのが現状です。 

しかし、実はそれだけでは義務を果たしたことにはなりません。 

今回は、その理由と、正しい対応方法を具体的に解説します。

 

---

 

## 1. 「マージン率等の情報提供」って何のためにあるの?

 

まず最初に、「マージン率等の情報提供」とは何かをおさらいしましょう。

 

派遣会社は毎年、派遣労働者の数や派遣料金などをまとめた「派遣事業報告書」を労働局に提出します。 

その内容の一部を基に、「マージン率」や「教育訓練の実施状況」などをまとめた資料を社外に公開する義務があります。 

 

この「情報提供」は、派遣労働者や派遣先企業に対して、 

派遣会社がどのような運営をしているのかを透明に示すための仕組みです。 

 

たとえば、 

・派遣料金のうちどれくらいが派遣スタッフ本人の賃金として支払われているのか 

・教育訓練や福利厚生の内容はどうなっているのか 

といったことを、社会に対して明らかにするためのものです。

 

つまり「情報提供」は“信頼の証”。 

これを正しく行うことで、派遣会社としての信用力が上がり、 

結果的に派遣先・派遣スタッフから選ばれる会社になっていくのです。

 

---

 

## 2. 「作って終わり」はNG!“提供”とは「広く一般に公開すること」

 

では、「情報提供」を作成したあと、どうすればいいのでしょうか。 

「派遣報告書控えと一緒に保管しておけばいいのでは?」 

そう思っている方も少なくないはずです。

 

しかし、それでは“情報提供”とは言えません。

 

厚生労働省の定義する「情報提供」とは、 

単に資料を作成して持っているだけではなく、 

「誰でも自由に見られるようにすること」を意味します。 

 

つまり、「広く一般に」公開することが求められます。

 

具体的には、 

・自社社員だけが閲覧できる共有フォルダ 

・派遣先への限定メール送信 

・社内掲示板への掲載 

――これらはいずれも「情報提供」とはみなされません。 

 

対象は“世の中のすべての人”。 

派遣スタッフ、派遣先企業、求職者、そして第三者までも、 

誰もが自由に閲覧できるようにする必要があるのです。

 

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## 3. 「インターネットでの公開」が原則になった理由

 

ここでポイントとなるのが、「どのように情報を提供するか」です。

 

以前は、 

「自社オフィスに書類を備え付ける」など、紙での提供も認められていました。 

しかし現在は、厚生労働省の方針として「原則インターネットによる公開」が求められています。

 

派遣報告書の控え(第5面)にも、 

「情報提供の方法」として次の3つの選択肢があります。

 

- インターネット 

- 書類の備え付け 

- その他 

 

一見、どれを選んでもよいように見えますが、 

実際には「原則としてインターネットの利用による情報提供が必要」と明記されています。 

 

つまり、この欄はアンケートではなく“正解のある問題”。 

「インターネット」に〇を付けるのが正しい対応なのです。

 

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## 4. 「HPがない会社はどうすればいいの?」という疑問

 

「うちはホームページを持っていない。公開のためにHPを作らなきゃいけないの?」 

――そんな疑問を持つ方も多いと思います。

 

結論から言うと、ホームページがなくても大丈夫です。 

厚生労働省が提供している「人材サービス総合サイト」を使えば、 

無料でインターネット上に情報を掲載することができます。

 

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## 5. 「人材サービス総合サイト」での掲載手順

 

では、その具体的な方法を見ていきましょう。

 

① まずは、厚生労働省の「人材サービス総合サイト」にアクセスします。 

👉 https://jinzai.hellowork.mhlw.go.jp/JinzaiWeb/

 

② トップページにある「掲載の申込を行う場合」から、 

「労働者派遣・職業紹介事業共通」をクリックします。

 

③ 画面が開いたら、 

「マージン率等の情報提供」の内容を入力します。 

あるいは、PDF化した資料をアップロードする方法も可能です。 

(PDF添付のほうが簡単でおすすめです。)

 

④ 会社の情報(派遣許可番号、派遣元責任者氏名など)を入力し、「申込」をクリック。

 

⑤ 厚生労働省の職員が内容を確認し、問題がなければ公開されます。 

ただし、即日反映ではなく、反映まで数週間~数か月かかることもあるため、余裕を持って申請しておきましょう。

 

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## 6. 掲載後の確認方法

 

公開されたかどうかは、次の手順で確認できます。

 

1️⃣ 「人材サービス総合サイト」のトップページで「検索を行う場合」をクリック 

2️⃣ 「労働者派遣事業」を選択 

3️⃣ 県名や社名を入力して検索 

4️⃣ 検索結果に自社名が表示されたら「詳細情報」をクリック 

 

ここに、自社が申請した「マージン率等の情報提供」が掲載されていれば完了です。

 

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## 7. 自社HPで公開する場合の注意点

 

もちろん、自社ホームページで公開する方法もOKです。 

ただし、注意が必要なのは「誰でも見られる状態」にしておくこと。 

 

たとえば、 

- IDやパスワードを入力しないと見られない 

- 社員専用ページに掲載している 

といったケースは「情報提供」として認められません。

 

一番確実なのは、 

① 自社HPに掲載する 

② 人材サービス総合サイトにもそのURLを登録する 

この2ステップです。 

 

実際に、労働局から「自社HPだけでなく、人材サービス総合サイトにも掲載してほしい」と依頼されることもあります。 

URLを入力するだけで済むので、両方やっておくのが安心です。

 

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## 8. 情報更新を忘れないで!

 

「一度掲載したら終わり」と思っていませんか? 

実は、ここにも落とし穴があります。

 

マージン率等の情報提供は、毎年の派遣事業報告書に基づいて作成するもの。 

したがって、毎年の更新が必要です。 

 

実際、数年前のデータをそのままにしている会社も少なくありません。 

しかし、これは労働局の調査で指摘されることがあります。 

 

報告書の作成・提出後は、 

「控えの返却」→「マージン率等の情報提供作成」→「公開」までを 

一連の流れとして、スケジュールに組み込んでおきましょう。

 

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## 9. 派遣スタッフへの周知も忘れずに

 

インターネットに掲載しただけでは、“社内周知”としては不十分です。 

派遣スタッフに対しても、 

「公開した旨」と「URL」をメール等で伝えることが望ましいです。

 

「どこに載っているかわからない」では意味がありません。 

スタッフの方々にとっても、 

「自分の働いている会社は透明性がある」と感じられることが大切です。 

 

これは単なる義務対応ではなく、 

企業イメージや信頼性を高めるうえで非常に有効です。

 

---

 

## 10. まとめ:「公開」までが業務。透明性こそ信頼の第一歩

 

ここまでを整理すると、派遣報告書関連の流れは次のようになります。

 

1️⃣ 派遣報告書に必要な情報を集計(5月頃まで) 

2️⃣ 派遣事業報告書を労働局へ提出(6月1日〜30日) 

3️⃣ 労働局からの照会に対応 

4️⃣ 控え返却後、「マージン率等の情報提供」を作成 

5️⃣ 人材サービス総合サイトまたは自社HPで公開 

 

この「⑤」までが一連の業務です。 

ここまで完了して、ようやく「派遣報告書業務が終わった」と言えます。

 

---

 

派遣業務は年に一度の定期的な対応ですが、 

ちょっとした勘違いや見落としが「法令違反」につながることもあります。 

しかし、手順を理解してしまえば決して難しくはありません。

 

「マージン率等の情報提供」を正しく公開することは、 

単なる義務ではなく、 

「誠実に事業を運営しています」という会社の姿勢を社会に示すチャンスです。 

 

透明性を大切にし、 

派遣スタッフ・派遣先・行政のすべてから信頼される会社を目指しましょう。

 

お困りの際は、当ホームページのお問合せ・相談フォームから、お気軽にお声がけください。

初回のご相談は無料です。

 

 

※参照記事リンク)

https://jinzai-biz.com/private_article/10741/

 

※参照)厚生労働省「派遣会社のマージン率等について」

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000077386_00013.html

 

#派遣業界 #マージン率 #社会保険労務士 #人材サービス総合サイト #労働局対応 #コンプライアンス #派遣事業

厚労省が発表!ストレスチェック義務化の対象拡大で派遣会社が注意すべき3つの点   2025.10.06

## はじめに:ストレスチェック義務化がすべての企業へ

 

厚生労働省は、従業員のメンタルヘルス状態を調べる「ストレスチェック制度」を、 

**全ての企業に義務化する方針**を正式に打ち出しました。

 

これまでストレスチェックの実施が義務付けられていたのは「従業員50人以上」の企業のみ。 

一方、50人未満の事業所、いわゆる零細企業や個人事業主を中心とした小規模事業所については、 

努力義務にとどまっていました。

 

しかし、今回の制度改正によって状況は一変します。 

厚労省によれば、新たに義務化の対象となる事業所は**約364万カ所**、 

対象労働者は**およそ2,893万人**にものぼります。 

日本の企業の大半を占める中小・零細事業所が、新たに対応を迫られることになります。

 

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## 背景:なぜ今、義務化なのか?

 

ストレスチェック義務化の背景には、 

「職場におけるメンタル不調の急増」という深刻な課題があります。

 

厚労省によると、**精神障害による労災認定件数はこの10年間で約2倍に増加**。 

2023年度には883件にのぼり、過労やハラスメント、長時間労働による心理的負担が 

依然として多くの職場に存在していることが分かります。

 

また、2022年11月から2023年10月の間に「メンタル不調で退職や1か月以上の休業者が出た」 

と答えた事業所は**13.5%**に達し、年々増加傾向です。 

特に小規模事業所ほど、職場内の人間関係や仕事の偏りによるストレスが蓄積しやすく、 

それに対するケア体制が整っていないのが現状です。

 

この状況を受けて厚労省は、ストレスチェック制度を「努力義務」から「義務化」へと 

一段階引き上げる方針を決定。 

今後、**労働安全衛生法の改正案**として国会提出が検討されています。

 

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## 派遣業界にとっての意味:複雑な構造が浮き彫りに

 

この制度改正、派遣業界にとっては特に重要な意味を持ちます。 

なぜなら、派遣労働者は「派遣元」と「派遣先」という**二重の職場環境**の中で働いているからです。

 

通常、ストレスチェックの実施主体は「雇用主」である派遣元事業主。 

しかし、実際に日々の業務を行うのは派遣先企業であり、 

ストレスの多くは派遣先の環境や人間関係、労働条件から生じます。

 

このため、制度の運用にあたっては次のような課題が想定されます。

 

- 派遣元がどのように派遣先の職場環境に関する情報を把握するか 

- チェック結果をどの範囲で共有できるのか(個人情報・プライバシーの扱い) 

- ストレスチェック結果を踏まえた「職場改善」をどちらの責任で行うのか 

 

これらの点を明確にしないまま制度が動き出すと、 

派遣元・派遣先間でトラブルや責任の押し付け合いが生じる可能性もあります。 

 

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## 注意すべき3つのポイント

 

では、派遣会社が今回の義務化を前に、具体的に注意すべきポイントは何でしょうか。 

ここでは、社労士としての実務経験から「3つの観点」で整理します。

 

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### ① 実施体制の整備【キーワード:ストレスチェック 体制構築】

 

まず最初のポイントは、「誰が」「どのように」実施するのかという体制づくりです。

 

ストレスチェックは、医師・保健師・看護師・公認心理師など、 

専門職による実施が求められます。 

しかし零細規模の派遣会社では、社内に専門職を配置するのは難しいため、 

多くの場合は外部委託となります。

 

委託先を選ぶ際は以下を確認しましょう。

 

- 派遣労働者の就業形態に理解があるか(多様な職場に派遣されている点) 

- オンライン対応が可能か(拠点が分散している場合) 

- 結果の管理・保管が適切に行われるか(個人情報保護法への対応) 

 

さらに、実施後の「高ストレス者への医師面接指導」や「結果のフィードバック」まで含めた 

運用フローを社内で整備することが重要です。

 

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### ② 派遣先との協力体制【キーワード:派遣先 情報共有】

 

次に大切なのは、派遣先との連携です。

 

ストレスチェックは個人のプライバシーに関わる情報であるため、 

結果をそのまま派遣先に共有することはできません。 

しかし、派遣先の職場環境に起因するストレスが多い場合、 

派遣元だけでの改善は難しいのが現実です。

 

したがって、派遣契約書や労働者派遣契約に以下のような条項を追加・明確化しておくことが望まれます。

 

- 健康管理・安全衛生に関する協定書の締結 

- ストレスチェック実施に関する情報共有ルール 

- メンタル不調者発生時の対応フロー 

 

こうしたルールが明文化されていないと、 

「派遣先の環境が原因で体調を崩した場合、どちらが責任を負うのか?」という問題が 

曖昧になりがちです。

 

今後の法改正を見据え、契約段階で「健康管理に関する取り決め」を盛り込むことが、 

派遣元にとってのリスクヘッジになります。

 

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### ③ 結果を活かす“職場改善”への取り組み【キーワード:職場環境 改善】

 

ストレスチェックは「やったら終わり」ではありません。 

むしろ本質は、「チェック結果をどのように活かすか」にあります。

 

チェックの結果、特定の職場や部署で高ストレス者が多い場合、 

その背景には「業務量の偏り」や「コミュニケーション不足」など、 

構造的な問題が隠れていることが多いです。

 

派遣会社としては、以下のような取り組みを行うことが効果的です。

 

- 派遣スタッフ向けアンケートによる定期的な職場満足度調査 

- 派遣先担当者へのフィードバックと職場環境改善の提案 

- メンタルヘルス研修・カウンセリング窓口の設置 

 

これにより、派遣スタッフが安心して働ける職場環境を維持でき、 

結果的に定着率や派遣先からの信頼にもつながります。

 

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## 厚労省の支援と今後のスケジュール【キーワード:労働安全衛生法 改正】

 

厚労省は、零細事業所の対応を支援するため、 

ストレスチェックの運用マニュアルや事例集を作成する方針を示しています。 

特に「プライバシー保護の方法」や「結果の管理体制」については、 

今後明確なガイドラインが提示される見通しです。

 

労働政策審議会の安全衛生分科会で議論が進められ、 

**2025年度中にも労働安全衛生法改正案が国会提出される可能性**があります。 

つまり、実施は早ければ**2026年度以降**になる見込みですが、 

準備には時間がかかるため、今のうちから体制づくりを始めておくことが得策です。

 

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## 義務化をチャンスに変える「健康経営」の視点【キーワード:健康経営 派遣スタッフ】

 

ストレスチェックの義務化を「負担」と感じる企業も多いでしょう。 

しかし、視点を変えればこれは**企業の魅力を高めるチャンス**でもあります。

 

職場の心理的安全性を高めることは、 

派遣スタッフの定着率向上・ミスマッチの減少・生産性の向上に直結します。 

いわば「人を大切にする企業文化」の形成です。

 

また、ストレスチェックの結果を定期的に分析し、 

「派遣スタッフが働きやすい職場ランキング」などの指標を作ることで、 

採用力の向上にもつながります。

 

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## 社会保険労務士がサポートできること【キーワード:社労士 ストレスチェック 支援】

 

社会保険労務士としては、以下のような支援が可能です。

 

- ストレスチェック制度の設計・運用支援 

- 派遣元・派遣先の役割分担に関する協定書の作成 

- 結果を活用した職場改善施策の提案 

- 高ストレス者対応や復職支援に関する助言 

 

特に中小・零細の派遣会社では、限られた人員で制度運用を行うため、 

「外部の専門家との連携」が実効性を高めるカギになります。

 

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## まとめ:ストレスチェックを「義務」ではなく「投資」に

 

今回の義務化拡大は、 

単なる法令遵守の話ではなく、企業の持続可能性に関わるテーマです。

 

人が定着し、安心して働ける環境を整えることは、 

これからの時代の“企業競争力”そのもの。

 

派遣会社としては、 

「法対応をいち早く整える企業」ではなく、 

「制度を上手に活かして人を守る企業」になることが求められています。

 

ストレスチェックを「やらされる義務」ではなく、 

「人と組織を成長させる投資」として捉える。 

その一歩を、今から踏み出すことが大切です。

 

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📘 **まとめポイント**

 

- 厚労省がストレスチェックの義務化対象を全企業に拡大 

- 派遣会社は「体制整備」「派遣先との協定」「職場改善」が3大テーマ 

- 義務化は2026年頃の見込み。今から準備を進めることが重要 

- ストレスチェックは“健康経営”への第一歩 

- 社労士による制度設計・運用支援を活用し、安心して対応を 

 

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社会保険労務士として、派遣会社の皆さまが安心して制度対応を進められるよう、 

実務に即したサポートを行っています。 

 

お困りの際は、当ホームページのお問合せ・相談フォームから、お気軽にお声がけください。

初回のご相談は無料です。

 

 

※参照記事)

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA1132D0R11C24A0000000/

 

※参照リンク)厚生労働省「ストレスチェック等の職場におけるメンタルヘルス対策・過重労働対策等」

https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/index.html

 

教育訓練休暇給付金とは?派遣会社が知っておくべき制度のポイントと活用法   2025.10.03

### はじめに 

2025年10月1日、新たにスタートした「教育訓練休暇給付金」。 

これは労働者が会社を辞めずに無給の休暇を取り、その間に学習や訓練に専念できるよう支援する制度です。休暇中には雇用保険から賃金の一定割合が支給され、生活費の不安を抱えずにリスキリング(学び直し)に挑戦できるという画期的な仕組みです。 

 

特に派遣会社にとって、この制度は「社員のキャリア支援」「人材定着」「派遣先からの信頼獲得」に直結する重要な制度となり得ます。今回は、派遣会社の経営者・人事担当者に向けて、教育訓練休暇給付金の内容やメリット、実務上の注意点を解説していきます。 

 

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### 1. 教育訓練休暇給付金とは? 

教育訓練休暇給付金は、雇用保険の給付制度の一つです。労働者が自発的に教育や訓練のための休暇を取得する場合、無給であってもその期間の生活を保障するために、失業給付に準じた額が支給されます。 

 

つまり、仕事を辞めなくても「一時的に仕事を離れて学ぶ」ことができるという点が特徴です。従来は「退職してから学び直す」選択肢が中心でしたが、制度によって「在職しながらキャリアを積み直す」ことが現実的になりました。 

 

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### 2. 制度が始まった背景とリスキリングの重要性 

AIやDXの進展により、労働市場は急速に変化しています。これまで必要とされたスキルが数年で不要になる一方、新しいスキルへの需要は高まり続けています。 

 

こうした状況の中で注目されるのが「リスキリング(Reskilling)」です。新しい職務や業務に対応するために、既存の人材が再び学び直すことが企業競争力の鍵になっています。 

 

教育訓練休暇給付金は、こうした社会背景に対応する形で創設されました。労働者が安心してキャリア形成に取り組めるよう支援することで、結果的に企業全体の成長にもつなげる狙いがあります。 

 

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### 3. 対象となる労働者の条件 

給付金を受けるためには、以下の条件を満たす必要があります。 

 

1. **雇用保険の一般被保険者であること** 

   (65歳以上の高年齢被保険者や短期雇用特例被保険者は対象外) 

 

2. **休暇開始前の2年間に12か月以上の被保険者期間があること** 

   ※月に11日以上勤務している必要があります。 

 

3. **雇用保険の加入期間が通算5年以上あること** 

 

4. **本人が自発的に教育訓練休暇を取得していること** 

   (業務命令ではなく、自分の希望での休暇であることが必須) 

 

派遣社員も、派遣元の雇用契約を通じて雇用保険に加入していれば対象となり得ます。 

 

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### 4. 支給額と給付日数の具体例 

給付額は、失業給付と同じ計算方法で算定されます。 

 

- 月収35万円の労働者 → 約19.5万円/月が支給 

- 給付日数は加入期間によって変動 

  - 5年以上10年未満:90日 

  - 10年以上20年未満:120日 

  - 20年以上:150日 

 

例えば、10年以上勤務している社員が4か月の語学留学に行く場合、最大で約78万円が支給される計算です。 

 

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### 5. 利用できる教育訓練の種類 

対象となる教育訓練は非常に幅広く設定されています。 

 

- 学校教育法に基づく大学・大学院・短大・高専・専修学校など 

- 教育訓練給付金の指定講座(資格取得講座など) 

- 職業安定局長が定める専門的な教育訓練(司法修習、語学留学、海外大学院での修士号取得など) 

 

派遣社員の場合も「資格取得」や「語学研修」といったニーズが多く、現実的に利用しやすい制度と言えます。 

 

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### 6. 手続きの流れと企業側の準備 

制度を利用するには、企業側の準備も欠かせません。 

 

1. **就業規則に教育訓練休暇の規定を整備** 

   → この規定がなければ申請できません。 

 

2. **労働者が「教育訓練休暇取得確認票」を提出** 

   → 事業主が同意した上で進める必要があります。 

 

3. **事業主がハローワークへ書類提出** 

   → 賃金月額証明書などを10日以内に提出。 

 

4. **労働者が申請書類を提出** 

   → ハローワークで審査を受け、受給資格が決定されます。 

 

派遣会社の場合、派遣先との業務調整や代替要員の手配など、現場の調整力も問われます。 

 

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### 7. 派遣会社にとってのメリットと注意点 

教育訓練休暇給付金は、派遣会社にとって大きなメリットがあります。 

 

- 社員のキャリアアップを支援できる 

- 定着率が上がり、人材流出を防げる 

- 「学びを応援する会社」というブランド強化につながる 

 

一方で注意すべき点もあります。 

- 派遣先企業との調整負担 

- 業務の一時的な人員不足 

- 制度利用に伴う就業規則や申請の煩雑さ 

 

このあたりを事前に整備しておくことで、制度活用がスムーズになります。 

 

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### 8. 派遣社員は対象になる?実務での判断ポイント 

派遣社員の場合、雇用契約は派遣元と結んでいるため、給付金の申請も派遣元が対応します。 

 

- **雇用保険に加入していること** 

- **派遣元に教育訓練休暇の規定が整備されていること** 

 

これらが満たされていれば、派遣社員も対象です。 

ただし派遣先との関係調整は不可欠であり、派遣元として「教育訓練休暇取得を認めるかどうか」の判断は重要になります。 

 

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### 9. 不正受給への注意とコンプライアンス体制 

制度利用において最も注意が必要なのが「不正受給」です。 

 

- 実際には教育訓練を受けていないのに申請 

- 書類を偽造して給付を受ける 

- ハローワークへの虚偽報告 

 

こうした行為は、給付金の返還だけでなく「返還額の2倍の追徴」「詐欺罪に問われる可能性」まであります。派遣会社としては、制度を適正に利用するためのコンプライアンス体制を整えておくことが不可欠です。 

 

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### 10. まとめ:社員の学びを応援することが企業の成長につながる 

教育訓練休暇給付金は、単なる給付制度ではなく「人材投資を支える仕組み」です。 

 

派遣会社にとって、社員のリスキリングを応援することは、結果的に企業の競争力を高めることにつながります。 

 

- 社員にとっては安心して学べる環境 

- 企業にとってはスキルアップと人材定着の促進 

- 派遣先にとっては質の高い人材の供給 

 

三者にとってプラスの循環を生み出す可能性を秘めています。 

 

制度は始まったばかり。派遣会社としていち早く理解し、準備を整えることで「社員の未来」と「会社の成長」を同時に支援できるのではないでしょうか。 

 

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※制度の詳細や適用可否は個別の状況によって異なります。導入を検討される場合は、専門家である社会保険労務士にご相談ください。

 

お困りの際は、当ホームページのお問合せ・相談フォームから、お気軽にお声がけください。

初回のご相談は無料です。

 

 

※参照記事)yahooニュース

https://news.yahoo.co.jp/articles/fa4866fb67ca873507a8f59dbb772b34f3183751

 

※参照)厚生労働省「教育訓練休暇給付金」

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/koyouhoken/kyukakyufukin.html

 

厚労省が注意喚起したスキマバイト問題、派遣ビジネスへの影響とは?   2025.09.29

#### 1. スキマバイト問題とは?最新の動向を整理 

近年、急速に広がっている「スキマバイト(スポットワーク)」。 

アプリを通じて手軽に単発で働ける仕組みとして、学生や副業ワーカーに人気が高まっています。 

 

しかし今、その“便利さ”の裏側で深刻な問題が浮上しています。 

それが「企業都合による直前キャンセル」です。 

 

労働者側が働く準備を整えていたにもかかわらず、企業が一方的にキャンセルを行い、結果として休業補償が支払われないケースが相次いでいるのです。 

 

厚生労働省は2024年、この問題に関して注意喚起を行いました。 

業界団体も新しいガイドラインをまとめていますが、過去の休業補償をどう扱うかについては、最大手のタイミーと厚労省の見解が食い違い、いまだ議論は続いています。 

 

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#### 2. 厚労省と事業者の見解のズレ 

タイミー側は「過去にさかのぼって休業手当を支払う必要はない」と主張しています。 

一方、厚労省は「従前からの留意事項を整理したものにすぎない」とし、ケースによっては支払い義務が生じる可能性を否定していません。 

 

最終的な判断は司法に委ねられるものの、企業側が「支払わなくても大丈夫」と楽観視するのは非常に危険です。 

裁判や労働基準監督署の調査に発展すれば、経済的・社会的コストは計り知れません。 

 

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#### 3. 企業キャンセルが招く具体的リスク 

スキマバイトをキャンセルした企業は、次のようなリスクを抱えることになります。 

 

- **未払賃金債務の発生**:財務諸表に反映が必要 

- **遅延損害金の積み上がり**:14.6%の利率で年々増加 

- **集団訴訟のリスク**:同様のケースが積み重なれば大規模訴訟に発展 

- **労基署の立ち入り調査**:コンプライアンス違反が疑われる 

- **企業価値の棄損**:人材確保や取引先への信頼に影響 

- **役員責任の追及**:任務懈怠責任を問われる可能性 

 

つまり、目先の小さなコストを回避したつもりが、結果的に大きな負担となって返ってくる危険性があるのです。 

 

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#### 4. 「24時間前ならキャンセル可能」の誤解 

業界団体は「労働開始の24時間前であればキャンセル可能」とするガイドラインを示しました。 

しかし、弁護士からはこの基準に対して強い疑問が呈されています。 

 

そもそも「24時間前」という数字に法的な根拠はありません。 

労基法上、使用者の責任で仕事をさせられなかった場合には休業手当の支払い義務があるため、キャンセル理由が企業側にある限り、時間に関係なく補償が必要になるのです。 

 

ホテル予約のように「前日までなら無料キャンセル」という感覚を、労働契約にそのまま持ち込むのは危険だといえます。 

 

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#### 5. 労働者が声を上げにくい構造 

問題をさらに複雑にしているのが、スキマバイトの労働者が「声を上げにくい環境」にあることです。 

 

- 苦情を言えば「評価が下がる」と不安になる 

- 次の仕事が見つかりにくくなる恐れがある 

- 休業補償の金額が少額で「諦めてしまう」ケースが多い 

 

こうした背景があるため、問題が顕在化しにくく、企業側が改善を後回しにする構造になっています。 

 

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#### 6. 派遣ビジネスに潜む同様のリスク 

では、この問題は「スキマバイト特有の話」なのでしょうか? 

答えは **NO** です。 

 

派遣ビジネスでも、単発派遣や短期契約などにおいて、同様のリスクが存在します。 

たとえば、クライアント企業の都合で直前に派遣依頼がキャンセルされた場合、派遣会社とスタッフとの間に労働契約がすでに成立していれば、休業手当の支払いが必要になる可能性があります。 

 

「スポットワークの問題だから自分たちには関係ない」と捉えるのは危険であり、派遣会社にとっても無視できない教訓が含まれています。 

 

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#### 7. 未払賃金の会計上の扱い 

労働法の観点だけでなく、会計上のリスクも無視できません。 

未払賃金は企業にとって「債務」となり、財務諸表に計上する必要があります。 

 

未払い賃金の消滅時効は、2020年4月1日の民法改正とそれに伴う労働基準法の改正により、2020年4月1日以降に支払期日が到来する賃金については原則3年間(当面は経過措置)です。

 

債務を放置すると、金融機関や投資家からの信用を損ない、資金調達や取引関係に悪影響を与える可能性があります。 

派遣会社にとっても、コンプライアンス体制や会計処理の整備は急務です。 

 

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#### 8. 信頼を守るために派遣会社が取るべき対応 

派遣会社が同様のトラブルを避けるためには、以下の取り組みが有効です。 

 

- **契約成立の定義を明確化**:求人提示から契約成立までのフローを社内で統一 

- **キャンセルポリシーの策定**:どのような場合に補償を行うかをルール化 

- **スタッフへの丁寧な説明**:不安や不満が蓄積しないよう透明性を確保 

- **コンプライアンス教育**:営業担当や現場責任者に労働法の基本を徹底 

 

これらを整備することで、法的リスクを減らすだけでなく、スタッフから「信頼できる派遣会社」として選ばれる基盤を築くことができます。 

 

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#### 9. コンプライアンスは“守るべき義務”から“強み”へ 

多くの企業は「コンプライアンス=守らなければならないもの」と捉えがちです。 

しかし実際には、適切な労務管理は **企業価値を高める武器** になります。 

 

- 安心して働ける環境を整えることで人材確保が容易になる 

- 顧客企業からの信頼が増し、取引拡大につながる 

- トラブルを未然に防ぎ、余計なコストを削減できる 

 

派遣業界の競争環境が厳しくなるなかで、「誠実な労務管理」が差別化の大きなポイントになるでしょう。 

 

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#### 10. まとめ:スキマバイト問題は派遣業界への警鐘 

厚労省の注意喚起を受けて浮き彫りになったスキマバイトの直前キャンセル問題。 

これは単なる“アプリ業界の話題”ではなく、派遣ビジネスにとっても重要な教訓を含んでいます。 

 

・労働契約の成立タイミングを正しく理解する 

・キャンセル対応のルールを整備する 

・スタッフに誠実に対応する 

 

これらを徹底することが、派遣会社のコンプライアンス体制を強化し、長期的な企業価値を守ることにつながります。 

 

今後、派遣ビジネスの現場で「急な変更」や「突発的な依頼」が発生するのは避けられません。 

だからこそ、ルールを守りながら柔軟に対応できる体制を整えることが、業界で生き残るための鍵になるのではないでしょうか。 

 

社会保険労務士として、現場に即した仕組みづくりやリスクマネジメントのご相談を承っています。 

「うちは大丈夫かな?」と少しでも不安に思われたら、ぜひ専門家にご相談ください。 

 

コンプライアンスは“コスト”ではなく“投資”。 

信頼される派遣会社づくりの第一歩は、そこから始まります。 

 

お困りの際は、当ホームページのお問合せ・相談フォームから、お気軽にお声がけください。

初回のご相談は無料です。

 

※参照記事)yahooニュース

https://news.yahoo.co.jp/articles/fbe5d0fff2a5343b9dd1769692bfa004cd5a6aa6

 

業務委託でも労働者性が認められる?派遣会社が押さえるべき最新判例   2025.09.26

#### 1. 判例の概要:河合塾講師の雇い止め訴訟とは 

2024年9月、最高裁判所が大手予備校「河合塾」と講師との間で争われた雇い止め訴訟に関して、同社の上告を受理せず、東京高裁判決を確定させました。 

この判決で注目すべきは、**「業務委託契約であっても労働者性が認められ、不当労働行為に当たる」と判断されたこと**です。 

 

河合塾側は「講師は業務委託契約であり、労働者ではない」と主張しましたが、裁判所は実態に基づき労働者性を認め、さらに労働組合活動を理由とした雇い止めは不当労働行為にあたると判断しました。 

 

この事例は、派遣会社や人材ビジネスに深い示唆を与えるものです。なぜなら「契約形態で安心してはいけない」という教訓を明確に示したからです。 

 

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#### 2. 労働者性を判断する基準とは 

日本の労働法制において「労働者性」の判断は契約書に記載された名称だけでなく、**実際の働き方の実態**に基づきます。 

 

例えば次のような要素が重視されます: 

- 指揮命令関係が存在するか 

- 労務の提供が個人の裁量でなく、会社の都合に依存しているか 

- 就労時間や場所が拘束されているか 

- 報酬が成果ではなく労務の提供に対して支払われているか 

 

今回の判例では、契約書に「業務委託」と記載されていても、実態が労働者に近いと判断されました。 

 

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#### 3. 不当労働行為とは何か 

労働組合法では、労働者が労働組合活動を行ったことを理由に不利益を受けることを「不当労働行為」と定めています。 

典型的な例としては: 

- 労組加入や活動を理由とする解雇・雇い止め 

- 労組活動への妨害 

- 労組との交渉拒否 

 

今回の事案では、講師が同僚に厚労省のリーフレットを配布したことが「組合活動」と位置付けられ、それを理由に雇い止めした行為が不当労働行為に当たると認定されました。 

 

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#### 4. 派遣会社にとっての実務的リスク 

派遣会社は多数の派遣スタッフと契約を結びますが、その中には**派遣契約・業務委託契約・紹介予定派遣など多様な形態**が存在します。 

今回の判決は以下のリスクを示しています: 

 

1. 契約書に「業務委託」と記載しても、実態が雇用に近ければ「労働者」と判断される 

2. 契約更新や終了のプロセスが不透明だと、不当解雇や不当労働行為と認定される可能性がある 

3. 派遣スタッフや委託スタッフが労組を結成し、団体交渉を求める事例が増加する恐れがある 

 

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#### 5. 「形式」と「実態」のギャップに注意 

企業側はしばしば「業務委託だから大丈夫」と思いがちですが、裁判所は常に「実態」を重視します。 

 

例えば: 

- 派遣先から直接的な指揮命令を受けている 

- 勤務時間やシフトを細かく指定される 

- 業務の裁量がなく、単純な労務提供が中心 

 

このようなケースでは、契約名称が「委託」であっても労働者性が認められやすくなります。 

 

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#### 6. 判例が示す今後の傾向 

今回の最高裁の判断は、今後の労務管理や契約スキームに大きな影響を与える可能性があります。 

特に: 

- フリーランスや委託契約者の「労働者性」が認められる範囲が広がる 

- 人材ビジネス業界における契約の見直しが求められる 

- 派遣会社は「契約更新・終了」のプロセスをより慎重に進めざるを得なくなる 

 

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#### 7. 派遣会社が取るべき具体的対策 

1. **契約スキームの点検** 

   契約書の文言だけでなく、実際の就労実態を確認し、労働者性が疑われる契約を放置しない。 

 

2. **更新・終了のルール化** 

   契約終了の際には、合理的な理由と公平な手続きが必要。口頭のやり取りだけではリスクが高い。 

 

3. **労組対応の準備** 

   派遣スタッフや委託スタッフが労組活動を行う可能性を前提に、組織として対応ルールを整備する。 

 

4. **教育と啓発** 

   営業担当や現場管理者が「契約形態=安全」と誤解しないように研修を行う。 

 

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#### 8. 派遣先企業との連携強化 

派遣会社だけでなく、派遣先企業も「実態」に影響を与えます。 

派遣先が直接指示を行ったり、就労環境を拘束したりすれば、労働者性の判断に直結します。 

 

したがって、派遣契約だけでなく、**派遣先との運用ルールを文書化し、徹底すること**が不可欠です。 

 

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#### 9. 信頼関係を守るために 

派遣スタッフや委託スタッフにとって、契約終了や更新の判断は生活に直結します。 

不透明な対応や一方的な判断は、信頼関係を大きく損ない、労働争議や訴訟につながりかねません。 

 

逆に、**誠実で透明性のある運用**を徹底すれば、スタッフとの信頼が強まり、長期的に安定したビジネスにつながります。 

 

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#### 10. まとめ:判例から学ぶ派遣会社の行動指針 

今回の河合塾判例は、派遣会社にとって「契約名称よりも実態が重視される」という厳しい現実を突きつけました。 

 

👉 ポイントは3つ: 

1. 契約書の文言だけでは労務リスクは避けられない 

2. 契約終了・更新には合理性と透明性が不可欠 

3. 労組活動を理由とする不利益取り扱いは即「不当労働行為」となる 

 

派遣会社に求められるのは、契約スキームの再点検と、現場運用の透明化です。 

それが結果的に、クライアント企業の信頼、働く人の安心、そして自社の安定経営につながります。 

 

今回の判例を、単なるニュースとして流すのではなく、**「自社のリスク管理を見直すきっかけ」**としてぜひ活用していただきたいと思います。 

 

お困りの際は、当ホームページのお問合せ・相談フォームから、お気軽にお声がけください。

初回のご相談は無料です。

 

※参照記事)

https://news.yahoo.co.jp/articles/854562e526c9f39e0900bfcf3a91a2119a240957

 

派遣会社が活用すべき確定拠出年金制度改正のポイントとは?   2025.09.24

### 1. はじめに:派遣会社にとって確定拠出年金制度の改正は「チャンス」

 

2024年に予定されている確定拠出年金法等の改正では、企業型DC(企業型確定拠出年金)やiDeCo(個人型確定拠出年金)に大きな見直しが入りました。 

「老後の資産形成」を後押しするための制度改正ですが、派遣会社にとっては単なる年金制度の話ではありません。 

 

なぜなら、この改正は **「人材の確保」「スタッフの定着」「企業のブランディング」** に直結するからです。 

人材不足が深刻化する中で、福利厚生の強化は他社との差別化ポイントになります。特に派遣業界は短期的な雇用関係が多いため、福利厚生が整っているかどうかは応募者に大きな影響を与えます。 

 

今回は、派遣会社が知っておくべき改正内容と、その実務的な活用方法を解説します。 

 

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### 2. 今回の確定拠出年金制度改正のポイント整理

 

まずは改正内容を簡単に押さえておきましょう。 

 

- **企業型DC(会社が導入する年金制度)** 

  拠出限度額が「月額5.5万円 → 6.2万円」へ引き上げ。 

 

- **iDeCo(会社員の個人型年金)** 

  拠出限度額が「月額2.0万円/2.3万円 → 6.2万円」へ大幅引き上げ。 

 

- **自営業者(第1号被保険者)** 

  拠出限度額が「月額6.8万円 → 7.5万円」へ引き上げ。 

 

- **iDeCo加入年齢** 

  60歳未満から最大70歳未満まで拡大。シニア層も加入可能に。 

 

- **マッチング拠出の要件緩和** 

  「従業員の掛金が会社の掛金を超えてはいけない」という制限が撤廃され、柔軟な掛金設定が可能に。 

 

これらの改正により、従業員一人ひとりのライフプランに合わせた資産形成が可能となり、企業もより柔軟な福利厚生設計ができるようになります。 

 

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### 3. 派遣会社が注目すべき理由

 

派遣スタッフは正社員に比べ、福利厚生が手薄と感じられがちです。 

その結果、短期的な就業にとどまり、長期的な定着にはつながりにくいのが現実です。 

 

しかし、確定拠出年金制度を活用すれば、派遣会社も「長期的に安心して働ける環境」を整備できます。 

具体的には―― 

 

- 「派遣会社でも老後資産を積み立てられる」という安心感を与える。 

- 福利厚生が手厚い=他社との差別化になる。 

- 年齢が高いスタッフにも魅力的な制度を用意できる。 

 

つまり、**採用力と定着率を同時に高める武器** となるのです。 

 

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### 4. 企業型DC導入で広がる可能性

 

企業型DCを導入することで、派遣スタッフに「会社が将来の生活をサポートしてくれている」という印象を与えられます。 

特に、近年は求職者が求人票で「福利厚生」を重視する傾向が強まっています。給与水準が同程度なら、福利厚生が整っている会社を選ぶのは自然な流れです。 

 

例えば―― 

- 「派遣会社でも企業型DCを利用できる」ことを求人票に記載すれば、応募者の目を引きやすい。 

- 導入企業としてPRすることで、採用面でのブランド力がアップする。 

- 派遣スタッフの「長期的な関わり」を促すことができる。 

 

一見、年金制度はスタッフ個人の話に見えますが、導入することで **会社の魅力を高める経営戦略** に変わります。 

 

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### 5. iDeCo加入年齢拡大が意味するもの

 

今回の改正で特に注目されるのが、iDeCoの加入可能年齢が70歳未満まで拡大されたことです。 

 

派遣業界では、定年後も働き続ける60代後半のスタッフが増えています。彼らにとって「まだ資産形成できる仕組みがある」というのは大きなメリットです。 

 

派遣会社としては、 

- シニア層を積極的に活用する戦略を取りやすくなる。 

- 長期的な勤務を希望する高齢スタッフに魅力的な環境を用意できる。 

- 「年齢に関係なく安心して働ける会社」という評価につながる。 

 

つまり、今回の改正は「若い人材」だけでなく「シニア人材確保」にもプラスに働きます。 

 

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### 6. マッチング拠出の制限撤廃と派遣会社の活用法

 

従来は、従業員の掛金が会社の掛金を超えることができませんでした。 

しかし、今回の改正でこの制限が撤廃されました。 

 

これにより―― 

- 会社は最低限の負担で制度を導入できる。 

- スタッフは自分の意志で積極的に掛金を拠出できる。 

- 双方にとって柔軟で負担の少ない制度設計が可能。 

 

派遣会社はコストを抑えつつ、スタッフには「福利厚生が整っている」というアピールができるため、非常に実務的なメリットがあります。 

 

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### 7. 定着率向上につながる仕組みづくり

 

福利厚生の充実は、そのままスタッフの定着率につながります。 

特に派遣業界は「数カ月で辞めてしまう」という課題を抱えやすい業種です。 

 

そこで企業型DCやiDeCoを活用すれば、 

- 「長期的に働くとメリットが大きい」と感じてもらえる。 

- 会社に愛着を持ちやすくなる。 

- 無形の安心感が離職防止に直結する。 

 

結果として、採用コスト削減や人材の安定供給にも貢献します。 

 

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### 8. 人材確保競争での差別化

 

人材不足が深刻化する中、派遣会社同士の競争は激化しています。 

その中で「福利厚生の手厚さ」は、応募者が会社を選ぶ大きな判断材料です。 

 

確定拠出年金制度を導入している派遣会社は、 

- 「スタッフを大切にしている会社」というイメージを獲得。 

- 求人広告や説明会でアピールできるポイントが増える。 

- 中長期的には「応募が集まりやすい会社」へと変わる。 

 

福利厚生は単なる「コスト」ではなく、**採用マーケティングの武器** になるのです。 

 

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### 9. 社会保険労務士からの実務アドバイス

 

実際に制度を導入する際には、いくつかの注意点があります。 

例えば、 

- 拠出限度額の設定は適切か? 

- 派遣スタッフの雇用形態に合った制度設計になっているか? 

- 税制上の取り扱いを正しく理解しているか? 

 

これらを誤ると、せっかくの制度が逆に負担になってしまうこともあります。 

導入の可否や制度設計については、必ず専門家に相談しながら進めることをおすすめします。 

 

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### 10. まとめ:制度改正を人材戦略に活かす時代へ

 

今回の確定拠出年金制度の改正は、「老後の安心」を提供するだけではなく、派遣会社にとって **人材戦略の追い風** となります。 

 

- 採用力アップ 

- 定着率の向上 

- シニア層の活用 

- 他社との差別化 

 

これらを同時に実現できる可能性を秘めています。 

 

「うちの会社にも導入できるのか?」 

まずはここからスタートすれば十分です。 

 

派遣業界は今、人材確保の大きな転換期を迎えています。 

制度改正を単なるニュースとして終わらせず、経営に活かす一歩を踏み出すことが、これからの成長につながるでしょう。 

 

お困りの際は、当ホームページのお問合せ・相談フォームから、お気軽にお声がけください。

初回のご相談は無料です。

 

※リンク)厚生労働省「令和7年度税制改正に関する参考資料」

https://www.mhlw.go.jp/content/10600000/001365075.pdf

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派遣会社向け社労士業務

サービス内容・料金について(4万円~)

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  3. 3) 派遣事業報告書の書類作成・提出代行
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セミナー、研修、講演開催

料金について

セミナー、研修、講演 【オンライン】
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講演内容、業種、出席者数に関わらず、すべて定額の時間単価とさせて頂きます。業界きっての画期的な明朗会計です。 

「予め料金が分かっているので、安心して申し込めます」

 「料金交渉が不要で助かります」

 「時間単価は一定なので、研修時間数を調整すればいいから、予算との折り合いも簡単にできます」

 などなど、多くのお客様に喜ばれております。

セミナーについて

当事務所セミナー会場(27Fスカイラウンジ)で、当事務所が独自にテーマを設定し、お申し込み頂いた、複数の会社様にご参加頂くものです。

セミナー開催実績例
  • 介護事業者様向け「改正介護保険法セミナー」
  • 介護事業者様向け「介護労働環境向上奨励金セミナー」 3回
  • 新規採用をお考えの事業者様向け
    「元ハローワーク職員が教える!求人助成金セミナー」
  • 飲食店様向け「元ハローワーク職員が教える!求人助成金セミナー」

講演について

当事務所代表が会社様や、ご同業者の集まりに訪問し、ご依頼されたテーマ(一般的な課題)について原稿を作成し、講演するものです。

講演実績

日本経営開発協会様 御紹介
市川港開発協議会様 主催 研修

「マイナンバー通知開始!
今知りたいマイナンバー制度の傾向と対策」

【参加者様からのお声】

  • 非常に分かりやすく、90分飽きさせることのない素晴らしいものだった。
  • 非常に役に立ち、興味が持てる内容だった。
  • 普段は講義に集中するのは難儀なのだが、話のスピード、声のトーン、間、どれを取っても感心するばかりだった。
  • マイナンバーが今後いろいろな問題を引き起こす可能性があることがよくわかり、大変勉強になった。早期に確実な運用体制を社内に確立させなければと思った。

一般社団法人 港湾労働安定協会 様 主催
雇用管理者研修「職場のメンタルヘルスに関して(会社を守る職場のメンタルヘルス対策)」

【参加者様からのお声】

  • メンタルヘルス対策は今後も重要になってくると思うので、このような研修会を増やして貰いたい。
  • 社会保険労務士による内容を次回もお願いしたい。
  • メンタルヘルス関係で初めて面白い(役に立つ)情報が聞けたと思います。
  • 大変に良い研修ですので、これからも続けて貰えるとありがたいです。
  • 中間管理職として守るべきというか、部下に対してどのような人事労務管理をすればよいのか、中小企業向けに別途講習会をやってほしいと思った。
  • 株式会社LEC 様 主催
    「介護雇用管理研修」業務委託登録講師
  • 株式会社フィールドプランニング 様 主催
    「派遣元・派遣先・職業紹介責任者講習」業務委託主任講師
  • 神奈川韓国商工会議所様 主催
    経営者セミナー「お役立ち助成金講座
    (雇用の確保と5年ルールへの対応策)」
  • 日本経営開発協会様 御紹介
    株式会社根布工業様 主催
    安全大会「入ってないと、どうなっちゃうの?社会保険のこわ~いお話」
泉文美 講師紹介ページ

講演会の講師紹介・講師派遣なら講演依頼.com

研修について

当事務所代表が、会社様のご依頼に基づき、会社様の具体的な人事労務に関わる内容(個別事案)について、オーダーメイドのプログラムを作成し、社員の皆様に研修するものです。

研修のご依頼例

  • 就業規則を変更したので、わかりやすい説明会を開いてほしい
  • 給与規定を見直したので、従業員に説明をしてほしい
  • 従業員向けの、接客マナー、敬語などのレッスン会をしてほしい

執筆のご依頼

雑誌・メルマガ、HPコラムなど、ご希望に沿ったテーマで記事を執筆いたします。

掲載履歴

HP記事執筆

ハッケン!リクナビ派遣に「働き改革!派遣社員が選べるふたつの雇用とは」と題する記事を執筆しました。

「働き方改革!派遣社員が選べるふたつの雇用とは」

「近代中小企業」2月号

「近代中小企業」2月号

「近代中小企業」2月号に記事を執筆しました。

「元ハローワーク職員が教える!ハローワーク求人&助成金活用法」

「SR」 9月号

SR 9月号

ハローワークを始め、社会保険事務所(現:年金事務所)、労働基準監督署でも勤務経験を持ち、「お役所の裏事情に詳しい社労士」として定評のある我がみなとみらい人事コンサルティング代表。

ハローワークでの勤務経験を買われ、日本法令様出版の「SR 9月号」に記事を執筆しました。

(第27号 2012年8月6日発売)

元職員が指南する!ハローワークの効果的な利用の仕方

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